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CULTURE カルチャー

2020.07.25

アクションに燃え、コメディに笑う!
アーノルド・シュワルツェネッガー映画5選!

無骨なアクションに加えて、笑えるコメディ作も器用にこなすアーノルド・シュワルツェネッガー。セリフ回しや演技のぎこちなさを、むしろ無二の魅力へと昇華してしまう様は圧巻。そんな彼の代表作を5本セレクト。今観ても夢中になること必至!

 

 
アクションに燃え、コメディに笑う!アーノルド・シュワルツェネッガー映画5選!

『ターミネーター2』
製作年/1991年 監督・脚本/ジェームズ・キャメロン 共演/リンダ・ハミルトン、エドワード・ファーロング

無骨なアクションヒーロー像を確立!
2019年には最新作も公開され、誰もが認めるアーノルド・シュワルツェネッガーの代表作シリーズ。その中でも最高の人気を誇るのが、この第2作。1作めではヒロインのサラ・コナーを抹殺するために未来から送り込まれたターミネーターのT-800。つまり“悪役”だったわけだが、この続編では、サラの息子ジョンを殺そうとするT-1000に対し、ジョンを守ろうとする。悪役が“味方”に変貌したことで、観る者の心をグッとつかんで離さない。

液体金属として姿を自在に変えるT-1000。公開当時はその驚異のビジュアルが話題になった。一方のシュワのT-800が、やや旧式のパワーで、あくまでも真っ向勝負に挑む。マシンなので基本的に無表情。ジョン・コナーから人間の心を学ぶ姿も微笑ましく、無骨のアクションヒーローというシュワの原型が完成した1作と言っていい。日本では1991年、ぶっちぎりのナンバーワンヒット。あの有名なラストシーンや、「地獄で会おうぜ(アスタ・ラ・ビスタ)、ベイビー」といった名セリフなど、いつまでも心に残っている人も多いはず。 

 
 

 
アクションに燃え、コメディに笑う!アーノルド・シュワルツェネッガー映画5選!

『コマンドー』
製作年/1985年 監督/マーク・L・レスター 共演/アリッサ・ミラノ、ヴァーノン・ウェルズ

勢いにまかせた豪快アクションが存分に味わえる!
『コナン・ザ・グレート』の史劇の世界の剣士、『ターミネーター』のT-800と、どこか非現実的な役でスターへの階段を駆け上がっていたシュワルツェネッガー。そんな彼が“現実的”なヒーロー役で初めて認知されたのが、この『コマンドー』だ。

シュワが演じたのは、元陸軍特殊部隊(=コマンドー)の隊長、ジョン・メイトリクス。南米でクーデターが起こり、彼の娘が誘拐される。犯人に大統領暗殺を強要されるジョンだが、その依頼には従わず、単独で敵地に乗り込む。

T-800役からさらに進化した銃撃など、シュワのアクションが確立された1作。セリフ回しがややぎこちなかったりもするが、それさえも魅力に変える、カリスマ的オーラが漂っている。娘を奪還するジョンの行動は、とにかく迷いがなく勢いまかせ。しかし、その勢いが爽快感につながり、作品の持ち味になったという、ある意味で“奇跡”のような作品。シュワのファンには彼の本質を心から味わえるという意味で、根強い人気を保っている。 

 
 

 
アクションに燃え、コメディに笑う!アーノルド・シュワルツェネッガー映画5選!

『プレデター』
製作年/1987年 監督/ジョン・マクティアナン 共演/カール・ウェザース、エルピディア・カリーロ

地球外生命体とのタイマン勝負に血が騒ぐ!
人間を相手にした戦いでは物足りないとばかりに、シュワルツェネッガーが地球外生命体と格闘する。敵となる“プレデター”の、ありえないほど不気味なビジュアルも話題を集めた。シュワが演じるのは、元グリーン・ベレーの隊員で、通称“ダッチ”。南米で消息不明となった要人を探し、ダッチが指揮をとる特殊コマンド部隊がジャングルに分け入っていく。

前半はゲリラ軍との死闘が展開。このあたりはバトルアクション映画のド迫力で、中盤は正体不明の敵がいつ襲ってくるかわからないサスペンス風のムード。地球外生命体のプレデターは肉体を透明化する能力をもち、獰猛な肉食という点が斬新だったが、シュワのほかの作品を観慣れた人には、1対1の戦いが明らかにシュワに軍配……という安心感も!?

『プレデター』は続編も作られ、後にエイリアンと人気キャラ対決する映画も公開された。けれども、ダッチは1作めの後に亡くなったという設定なので、シュワが出演したのは今作のみ。その意味でも貴重。 

 
 

 
アクションに燃え、コメディに笑う!アーノルド・シュワルツェネッガー映画5選!

『ツインズ』
製作年/1988年 製作・監督/アイヴァン・ライトマン 共演/ダニー・デヴィート、ケリー・プレストン

コメディセンスを遺憾なく発揮!
シュワルツェネッガーがほかの大物アクションスターと違うのは、コメディセンスが独特な点。初期の『コマンドー』でも片鱗は覗いていたが、純粋なコメディ作品に主演するのは、これが初めて。製作と監督は『ゴーストバスターズ』のアイヴァン・ライトマン。今作と『キンダーガートン・コップ』で、新たな才能がマックスで発揮された。日本では一時、CMにも出ていたりしたので、こっち側の彼を“シュワちゃん”と呼び、ファンになった人も多い。

シュワが演じるのは双子のひとり。とはいっても、もうひとりは外見が似ても似つかぬダニー・デヴィート。遺伝子操作の実験によって、片方は長身で運動神経バツグン、頭脳も優秀。もう片方は、すべて逆という双子が誕生。大人になって再会した2人が母親を探す旅に出る。

もちろん主演2人の凸凹感が見どころなのだが、すべて優秀のようなシュワ演じるジュリアスが、実は世間知らずで純粋な性格という味つけが笑いを加速。ホッコリするラストまで、シュワ主演作としては安心感も満点! 

 
 

 
アクションに燃え、コメディに笑う!アーノルド・シュワルツェネッガー映画5選!

『ラストスタンド』
製作年/2013年 監督/キム・ジウン 共演/ロドリゴ・サントロ、フォレスト・ウィテカー、ピーター・ストーメア

無敵じゃないキャラが新鮮!
2003年、カリフォルニア州知事に就任し、基本的に俳優業は休止状態となったシュワルツェネッガー。知事の合間に『エクスペンダブルズ』などへの特別出演はあったが、2011年に任期を終えて映画界に本格復帰。2003年の『ターミネーター3』以来、約10年ぶりに主演を務めたのがこの作品だ。演じたのは、メキシコ国境に近い田舎町の保安官。国境を超えて逃亡しようとする凶悪犯の麻薬王を、なんとか阻止しようとする。

公開時、シュワは70歳。作品の中でも年齢にまつわる自虐ネタを披露するし、演じる保安官は無敵のヒーローというわけではない。そんな男が銃をかまえる姿は哀愁も漂い、シュワの新たな方向性が示された1作だ。

過去の作品では基本的にメインとして戦ってきたが、ここでは保安官仲間、武器マニアら町の面々とのチームプレーがメイン。ヒーローのイメージとは遠い彼らの奮闘と絆に、思いのほか感動してしまう。レアな銃器も登場したりと、マニア心もくすぐるはず。 

 
 

 

 
文=斉藤博昭 text:Hiroaki Saito
photo by AFLO
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