
『ロングレッグス』
製作年/2023年 監督・脚本/オズグッド・パーキンス 出演/マイカ・モンロー、ニコラス・ケイジ、ブレア・アンダーウッド
ロングレッグスの正体とは!?
1990年代、FBIの新人捜査官リーは、30年以上にわたり続発する怪事件の捜査を任される。いずれの事件も、父親が家族を惨殺して自ら命を絶つという、不可解な構図。“ロングレッグス”と署名された暗号文が唯一の手がかりだった。遺されていた。鋭い直観を武器に、リーは捜査を進め、ついにロングレッグスの正体をつかむ。しかしそれは、彼女をさらに深い闇に突き落とすきっかけに過ぎなかった……。
『羊たちの沈黙』『セブン』といった1990年代のサイコスリラーのタッチを踏襲しながら、予想もしない結末へと観る者を導く衝撃作。悪魔崇拝というオカルトの要素を含みつつ、真実に迫るほど追い込まれていく主人公リーの心理的恐怖がスリルを盛り立てる。キーパーソン、ロングレッグスにふんしたニコラス・ケイジの怪演はもちろん見どころだが、絶望的な戦いに挑んでいくリー役のマイカ・モンローの熱演から、何より目が離せない!

『シェルビー・オークス』
製作年/2024年 原案・監督・脚本/クリス・スタックマン 出演/カミール・サリバン、ブレンダン・セクストン3世、キース・デヴィッド
ミステリー&オカルトの恐怖がすごい!
米オハイオ州の寂れた町シェルビー・オークスで、人気ホラー番組を配信していた女性MCがクルーとともに消息を絶った。12年後、彼女の行方を追い続けていた姉ミアのもとに1本のビデオ―テープが届く。そこには、ミアと妹の幼いころからの悪夢につながる要素が。これを手がかりに、調査を進めた彼女は、妹が悪魔的な儀式の犠牲になったと確信。シェルビー・オークスに向かい、真相を探るが、そこには驚くべき事実が彼女を待ち受けていた。
ファウンドフッテージとオカルトの要素を織り込んだオカルトストーリー。モキュメンタリー展開で映像を積み重ねる前半から一転、後半は正統派ホラーへと転じるが、失踪事件の謎を解き明かすミステリーにオカルト展開が絡み、大いにドキドキさせられる。映像の隅に映る“何か”や、かすかな音にさえ不穏を漂わせ、それを積み重ねていく構成が技アリ。衝撃のラストは、その目で確かめて欲しい。

『トゥギャザー』
製作年/2025年 監督・脚本/マイケル・シャンクス 出演/デイヴ・フランコ、アリソン・ブリー、デイモン・ヘリマン
ふたつの肉体が切り離せなくなる恐怖!
オーストラリアの大都会を離れ、倦怠期を乗り越えようと田舎の一軒家に移り住んだティムとミリーのカップル。森で道に迷い、洞窟で夜を明かすも、翌日から彼らの肉体に異変が生じ始める。不思議な力に引き寄せられ、衝動的におたがいの体を求めるようになるふたり。しかし、一度ふれあうと肉体と肉体が張り付き、離れるのもひと苦労。この怪現象は、彼らをさらに危険な状況へと追い込んでいく。
『TITANE/チタン』『サブスタンス』など近年ボディホラーというジャンルは、さまざまな可能性を切り拓いているが、本作もそんな1本。肉体が勝手に愛する者の肉体を求めるという現象は、ふたつの肉体が切り離せなくなる恐怖へと転換していく。見方を変えれば、究極のラヴストーリーともとれる妙味。『ザ・フライ』にも似た、エモーショナルで緊張感に満ちた奇談が楽しめる。観る人の気持ち次第では感動作になりうる!?

『THE MONKEY/ザ・モンキー』
製作年/2025年 原作/スティーヴン・キング 監督・脚本/オズグッド・パーキンス 出演/テオ・ジェームズ、タチアナ・マズラニー、クリスチャン・コンベリー、イライジャ・ウッド
おもちゃのサルが太鼓を叩くと悲劇が起こる!
幼い双子の兄弟が、父の遺品からぜんまい式の太鼓を叩くサルのおもちゃを発見。だが、ぜんまいを巻いた直後から周囲で不可解な事故死が続き、恐怖に耐えかねた彼らはこのおもちゃを井戸に封印した。25年後、成長した兄弟のひとり、ハルの前に再びあのサルが戻ってくる。太鼓の音が鳴る度に、身近な人々が次々と命を落とすのはなぜ? ハルは過去の呪いとサルの宿る意志の正体に迫っていく。
ホラー小説の大家スティーヴン・キングの原作をジェームズ・ワンの製作により映画化。注目は活躍目覚ましいオズグッド・パーキンス監督が、ダークな『ロングレッグス』とはまったく異なる恐怖演出を見せていること。サルを操る人物の正体に迫ったミステリーには彼らしいサスペンス演出が光るが、ドラマが進むほど増加し、むごたらしさを増す惨死描写は、もはやブラックユーモアの域。パーキンスは原作を読み、コメディだと思ったというが、それも納得の怪作!

『罪人たち』
製作年/2025年 製作・監督・脚本/ライアン・クーグラー 出演/マイケル・B・ジョーダン、ヘイリー・スタインフェルド、マイルズ・ケイトン、ジャック・オコンネル
オスカー獲得のホラー作品!
舞台は1930年代、禁酒法下の米国南部。ギャングの下で働いていた黒人の双子の兄弟が故郷に戻り、念願だったダンスホールを開店する。祝祭ムードの中、成功の美酒に酔うふたりだったが、突然現われた謎の一団によって空気は一変。人々は逃げ惑い、店内は地獄絵図と化していく。人ならざる者である一団の目的は? 兄弟は一夜の恐怖を生き延びることができるのか!?
今年度米アカデミー賞で史上最多の16部門ノミネートを果たし、4部門を制した、『ブラックパンサー』のライアン・クーグラー監督による大注目作。野心的な男たちのサクセスストーリーから恐怖奇談へと転調する落差が、観る者の心を引き込む。ホラーではあるものの、米国史や社会の差別構造を見据えた深みもあり、ジャンル映画と侮ることができない力作。主人公の双子を演じ分けてアカデミー主演男優賞を射止めたマイケル・B・ジョーダンの熱演も見逃せない。
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