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CULTURE カルチャー

2025.02.08


もう黙ってるなんていられない! 立ち上がれヒロインリベンジ映画5選!

 

 


『REVENGE  リベンジ』
製作年/2017年 監督/コラリー・ファルジャ 出演/マチルダ・ルッツ、ケヴィン・ヤンセンス、ヴァンサン・コロンブ

大注目『サブスタンス』の女性監督が放つ壮絶なる長編デビュー作!
トロント映画祭を皮切りに目利きの観客たちの度肝を抜いたフランス製の超絶アクションスリラーである。舞台は見知らぬ砂漠地帯。そこに建つ優雅な別荘で不倫関係を楽しむジェニファーとリチャードだったが、不意に訪ねてきた狩猟仲間の男たちはジェニファーを欲望剥き出しの目線で見つめ、隙を見て彼女に襲いかかる。その経緯を恋人リチャードに打ち明けるも、解決どころか口論へ発展した末、ジェニファーは口封じのために無残に谷底へと突き落とされ……。

しかしここからが本領発揮だ。序盤、吐き気がするほどの男目線が貫かれた本作は、絶体絶命の谷底で完全にヒロイン目線へとシフトし、奇跡的に死を免れた彼女はカラダを貫いた木の枝を抜き取り、強靭な生命力とドラッグの作用で痛みに耐え、狩猟仲間の武器を奪って、元凶である男たちを一人、また一人と仕留めていく。その容赦なさ。吹き出る血のハンパなさ。逆襲や復讐でありながら、むしろジェニファーの生存本能が大いに覚醒していく様を目撃しているかのようで、言いようのない衝撃と興奮がこみ上げる。ちなみに本作で長編デビューを飾った女性監督ファルジャは、目下、最新作『サブスタンス』が賞レースを大席巻中。
 

 


『ブレイブ ワン』
製作年/2007年 監督/ニール・ジョーダン 出演/ジョディ・フォスター、テレンス・ハワード、ナヴィーン・アンドリューズ

ジョディ・フォスターが復讐人となる!
ニューヨークで暮らすラジオDJのエリカ(ジョディ・フォスター)は、ある晩、フィアンセとともにセントラルパークを散歩中に暴漢に襲われ、フィアンセは命を落とし、自身もまた瀕死の重傷を負う。退院してもなお、悲しみと恐怖の縁で苦悩する彼女。しかし、護身用の一丁の銃を手にしたことで新たな自分が目覚めるのを感じる。そして放たれる銃弾。いつしか彼女は事件に遭遇するたびに犯人を射殺する復讐者としての日々を歩みはじめるが……。

もともと『狼よさらば』(1974年)などに代表される典型的な”復讐ノワール”として書かれた脚本にアイルランド生まれの名匠ニール・ジョーダンが独自の味付けを施し、これまでない異色サスペンスとなった本作。かつて無骨な俳優が演じてきたタイプの役をジョディ・フォスターが担う意味は大きく、その繊細かつ奥深い表現力が、主人公の辿るザラついた心理過程をありありと浮かび上がらせている。はたして主人公はこのまま”新たな自分”に呑まれていくのだろうか。賛否の割れるラストをあなたはどう見る?
 
 


『ダブル・ジョパディー』
製作年/1999年 監督/ブルース・ベレスフォード 出演/トミー・リー・ジョーンズ、アシュレイ・ジャッド、ブルース・グリーンウッド

嘘にまみれた裏切り者の夫に正義の鉄槌を!
その意味深なタイトルは、米憲法における二重処罰の禁止の原則を意味する。すなわち、いちど罪を裁かれ判決が確定した者は同一事件で再度有罪とはならない……と書いている私もよくわからないが、この原則を分かりやすい具体例に落とし込んだのが本作。要はこうだ。絵に描いたような幸せな家族がいる。しかし夫婦が海上のヨットで二人きりのロマンティックな時間を過ごした矢先、妻リビーが目覚めると辺りは血だらけ。そして夫ニックはいない。状況証拠から妻が夫を殺害し海へ投げ入れたものと容疑が固まり判決が下るが、6年にわたる刑期を終えた後、この腑に落ちない謎を究明すべく妻リビーの逆襲が幕を開ける。

もしも夫が生きていた場合、すでに殺人罪で服役済みのリビーが彼に復讐を遂げても罪には問われない(あくまで原則だが)。何から何まで嘘まみれの夫を執念深く追う主人公をアシュレイ・ジャッドが躍動感たっぷりに体現し、またお馴染みのジョーンズが彼女に振り回されつつ、自分なりに真相へ迫る堅物の保護観察官を妙演。ストーリー、アクションで魅せながら、演技のアンサンブルも際立つ、三拍子揃った良作だ。
 
 


『コロンビアーナ』
製作年/2011年 監督/オリヴィエ・メガトン 出演/ゾーイ・サルダナ、マイケル・ヴァルタン、クリフ・カーティス

ゾーイ・サルダナのしなやかなアクションに魅了される!
幕開けは'92年のコロンビア。マフィアの汚れ仕事を担ってきた男が組織から抜けたいとボスに申し出て、それを理由に家族もろとも容赦ない襲撃を受ける。ただ一人、娘のカトレアだけは体操選手並みの身体能力を駆使してその場を脱出し、父から託されたデータチップを交換条件に米大使館の保護を受け、親類の住むシカゴへ。数年後、成長した彼女は謎めいた凄腕の暗殺者となっていた……。

もともとリュック・ベッソンによって『レオン』の続編(マチルダのその後の物語)として脚本開発されながら、権利上の問題などもあり、まったく別の企画へ進化を遂げた一作だとか。そのため映画ファンにとって既視感のある序盤なのはご愛嬌だが、そこからは主演ゾーイ・サルダナ(今年のアカデミー賞では『エミリア・ペレス』で助演女優賞ノミネート)の個性と身体的躍動が存分に発動した、全く新たな復讐譚が花開いている。特に終盤で諸悪の根源たるマフィア組織をたった一人でぶっ潰しにかかる様は、ただただ爽快、圧巻の一言に尽きる。
 
 


『ロキシー 美しき復讐者』
製作年/2016年 監督/ゲイリー・マイケル・シュルツ 出演/エミール・ハーシュ、ゾーイ・クラヴィッツ、エモリー・コーエン

ラスト15分、壮絶な火花と鮮血が降り注ぐ!
出逢いは唐突だった。さびれた町の交差点で車から引きずり下ろされ、ギャングの男から暴力を振るわれていたロキシー(ゾーイ・クラヴィッツ)。偶然その光景を目にし、反射的に彼女を助けようとしたヴィンセント(エミールハーシュ)。事情と葛藤を抱えた二人はこれを機に打ち解けあい、やがてヴィンセントの実家の農場で暮らしはじめるのだが……。

アメリカ 南東部の何もない町を舞台に、孤独な男女が身を寄せ、小さくとも互いに信頼しあえる居場所を築き上げていく物語。かと思えば、本作には常に不穏な空気が立ち込め、互いの秘密が明らかになるに連れ、運命は少しずつ取り返しがつかない方向へと突き進んでいく。そして肝心のラスト15分、事態は急転し、守るべき幸せを全てもぎとられたロキシーの復讐劇が火を吹くのだが、殺し屋などではないごく普通の少女が挑む生身の戦いだからこそ、一心不乱の表情には鬼気迫るものがみなぎる。空気感を大切にした作品ゆえ好き嫌いは分かれるだろうが、静寂と火花の強烈な落差と揺り戻しを味わってほしい一作。

 



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文=牛津厚信 text :Atsunobu Ushizu
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