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CULTURE カルチャー

2024.10.14


真田広之のハリウッド映画出演作5選!



『サンシャイン2057』
製作年/2007年 監督/ダニー・ボイル 脚本/アレックス・ガーランド 出演/キリアン・マーフィ、真田広之、クリス・エヴァンス、ミシェル・ヨー

船長のカネダ役を熱演!
真田広之がLAに拠点を移し、ドラマ『SHOGUN 将軍』(2024)での大成功に到達するまで、じつに20年を要した。その間の苦労は計り知れないものがあるが、特に最初の10年は、出演作にも“模索”が感じられる。その時期のチャレンジングな精神が伝わってくるのが本作。舞台はタイトルにあるように、2057年の未来。太陽のパワーが衰えたことで滅亡の危機を迎えた人類が、核爆弾によって太陽の活動を復活させようとする。究極のミッションを受けたのは、宇宙船イカロス2号に乗り込んだ8人。その一人で、船長のカネダ役を託されたのが真田広之だ。

設定はかなり突飛なSF作品だが、宇宙船内の人間ドラマや、行方不明になっていたイカロス1号との遭遇、二転三転する船内の状況、思わぬ犠牲者など、描写と展開はリアリティを重視し、緊張感が途切れない作り。精神科医や植物学者など乗組員の8人はエキスパートぞろいだし、まだそこまで多様性が叫ばれていない2007年の作品ながら、8人のメインキャストに真田を含めてアジア系が3人と、時代を先取りした感もある。監督は『トレインスポッティング』(1996)で脚光を浴び、本作の翌年の『スラムドッグ$ミリオネア』(2008年)でアカデミー賞を受賞するダニー・ボイル。脚本が『シビル・ウォー アメリカ最後の日』(2024年)を手がけたアレックス・ガーランド。そして共演がキリアン・マーフィー、ミシェル・ヨー(2024年、2023年のオスカー受賞者)と、いま考えると超豪華なメンバーが集結した一作だ。
 

  

 


『ラッシュアワー3』
製作年/2007年 監督/ブレット・ラトナー 脚本/ジェフ・ナサンソン 出演/ジャッキー・チェン、クリス・タッカー、真田広之、ノエミ・ルノワール、工藤夕貴

ジャッキーとエッフェル塔でバトル!
アジアからハリウッドへ進出したスターとして、真田広之の“先輩格”なのがジャッキー・チェン。そのジャッキーもハリウッドでの初出演作、『バトルクリーク・ブロー』(1980年)では、本来の彼らしさが出せず消化不良に終わるなど困難にぶつかったが、『ラッシュアワー』(1998年)が大ヒット。クリス・タッカーとの刑事コンビが人気となってシリーズ化された。その3作目に真田が参戦。ジャッキー演じるリーの孤児院時代の兄弟(血縁ではない)ケンジ役。中国マフィアともつながる暗殺者であり、作品内では悪役の立ち位置ながら、追う側のリーとの関係は複雑だ。

シリーズ前2作より、アクションはやや抑えめなのだが、メインの舞台がパリということで、ジャッキーと真田のエッフェル塔でのバトルが最大の見どころ。公開当時、両者のファンを熱狂させた。2人の共演は、正式にはこれが初めて。1982年に真田が主演した日本映画『伊賀忍法帖』にジャッキーがカメオ出演したと彼が自伝で語っているのだが、どこに映っているのか確認できた人はいない。いずれにしても香港と日本を代表するアクションスターのガチ対決が、ハリウッド映画で実現したのは感慨深く、これで真田の国際的知名度もアップ。同じく当時、海外進出に精力的だった工藤夕貴も短い登場ながら怪演をみせている。
 

  

 


Mr.ホームズ 名探偵最後の事件』
製作年/2015年 監督/ビル・コンドン 脚本/ジェフリー・ハッチャー 出演/イアン・マッケラン、ローラ・リニー、マイロ・パーカー、真田広之

ホームズを迎えるキーパーソン的な役どころ!
アクション大作『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013年)などで、アクションの才能がグローバルに認められるようになった真田広之。一方で演技派としての経験が生かされる作品にも精力的に参加しており、これはその代表例。イギリスがメインの製作国(英・米合作)で厳密にはハリウッド作品というわけではないが、エンタメ系とは一線を画した真田の魅力が伝わる貴重な一本でもある。シャーロック・ホームズといえばコナン・ドイルの小説の主人公探偵として有名だが、本作はアメリカの小説家(東京にも自宅があるというミッチ・カリン)による同名原作の映画化。93歳になったシャーロック・ホームズが30年前の、彼を引退に追い込んだ事件と向き合う。すでに記憶力も衰え、自らの死も意識しながら、ホームズは“過去への旅”を試みるが……。

真田広之が演じるのは、ホームズのファンだという日本人の梅崎。自身の父とホームズがかつて交友関係にあり、日本を訪れたホームズを迎えるキーパーソン的な役どころだ。実際に日本ロケも行われ、奈良のホテルや静岡の大井川鐵道などが映像に収められている。真田は梅崎のミステリアスな雰囲気を繊細に表現しているし、メガネをかけ、クラシカルなスールを着こなしている姿も新鮮。ホームズ役は『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズなどで知られる、イギリスの名俳優、イアン・マッケラン。真田との共演シーンには崇高な空気も漂っている。
 

  

 


『ブレット・トレイン』
製作年/2022年 監督/デヴィッド・リーチ 脚本/ザック・オルケウィッツ 出演/ブラッド・ピット、ジョーイ・キング、アーロン・テイラー、ブライアン・タイリー・ヘンリー、真田広之

キレまくったアクションに惚れぼれ!
伊坂幸太郎の原作をハリウッドが映画化する。こうした日本×アメリカのプロジェクトは、真田広之に最適。そんなことを改めて実感させる一作。東京から京都へ向かう特急列車の車内に、白人、黒人、日本人などさまざまなタイプの殺し屋、謎めいた少女(原作では少年)らが乗り合わせ、ブリーフケースを巡って激しい攻防が展開していく。列車名は“ゆかり”だが、明らかに新幹線がモデル。超濃厚なキャラの中心となるのが、ブラッド・ピットが演じる“レディバグ”という名の殺し屋。イージーな運び屋の仕事を請け負ったのに、とことん不運が重なる彼の運命に、観ているわれわれも没入してしまう。

ヤクザやアニメっぽいキャラなど、日本のステレオタイプなアイテムが、これでもか、これでもかと注ぎ込まれるものの、ここまでやってくれれば一周回って楽しめる。映像もカラフルで、とにかく視覚的に楽しい作りに、狭い車内での激しい格闘アクションも盛り込まれ、まさにノンストップの勢い。ここで真田広之が任されたのは、車内で復讐をもくろむ日本人の殺し屋の父親。その父親も、ある深い執念を持っており、後半で大活躍する。ポイントとなるシーンでの真田のキレまくったアクションに惚れぼれするのは間違いない。本作の前に『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年)など超大作への出演が続き、ハリウッドでの居場所を掴んだからか、真田の余裕たっぷりの貫禄も伝わってくる。
 

  

 


『ジョン・ウィック:コンセクエンス』
製作年/2023年 監督/チャド・スタエルスキ 脚本/シェイ・ハッテン、マイケル・フィンチ 出演/キアヌ・リーヴス、ドニー・イェン、ビル、スカルスガルド、ローレンス・フィッシュバーン、真田広之

ドニー・イェンと死闘を繰り広げる!
ハリウッドのアクション業界では、日本時代の真田広之をリスペクトする人も多い。『ジョン・ウィック』シリーズを手がけてきたチャド・スタエルスキ監督は、真田が歌手としてデビューしていたことも知っており、レコードアルバムも持っているほどの長年のファン。3作目の『ジョン・ウィック:パラベラム』(2019年)で彼は真田に出演をオファーするも、ケガの影響で出演が叶わなかった。満を持して迎えたのが、この4作目。キアヌ・リーヴスのジョン・ウィックが、殺し屋の組織である“主席連合”に追われ、連合が運営するホテルチェーンの“コンチネンタル・ホテル・大阪”が舞台のひとつになる。その支配人、シマヅ・コウジが真田の役どころだ。

シマヅにとってジョン・ウィックはかつての盟友。自分たちの組織の“標的”となった彼をホテルに匿い、追っ手から守ろうとする。ジョンを前にしたシマヅは悲壮な思いを吐露するなど、真田の名演にキアヌも切実な表情で応え、この2ショットはちょっと神々しいレベル。さらにシマヅは、盲目の暗殺者、ケインと死闘を繰り広げる。このケイン役がドニー・イェン。同じくアジア圏出身でハリウッドに渡ったアクションの達人同士が、その集大成ともいえるテクニックを見せつけ合う光景に心が震える! このように監督のアクション愛は、ジョン・ウィックの運命が決するラストまで炸裂し続ける。

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文=斉藤博昭 text :Hiroaki Saito
Photo by AFLO
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