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CULTURE カルチャー

2024.10.13 NEW


あのスターの怪演ぶりが凄い映画5選!



『ビートルジュース』/マイケル・キートン
製作年/1988年 監督/ティム・バートン 脚本/マイケル・マクダウェル、ウォーレン・スカーレン 出演/マイケル・キートン、アレック・ボールドウィンジーナ・デイビス、ウィノナ・ライダー

霊界のトラブルメーカーを怪演!
田舎町に引っ越して早々、不慮の事故で世を去った若い夫婦。成仏できず幽霊となって家にとどまった彼らだったが、その家も人手に渡り、都会からスノッブな家族が引っ越してくる。脅かして一家を追い出そうとする彼らだったが、何をやっても失敗。困った彼らは、霊界の役人に“絶対に頼んではいけない”といわれていた自称・怖がらせ屋のビートルジュースを呼び出すが、問題はさらに大きくなり……。

続編も好評のティム・バートン監督によるファンタジーコメディ。ビートルジュースは霊界のトラブルメーカーだが、その自覚がまったくない自信家。マシンガントークで下品なジョークをまき散らし、変幻自在の大暴れで人間界にも騒動を飛び火させてしまう。演じるマイケル・キートンは白塗りメイクでハイテンションの怪演を披露。続編でも、このノリは健在だが女好きでゲスな面は影を潜めている。
 

  

 


『マスク』/ジム・キャリー
製作年/1994年 監督/チャールズ・ラッセル 脚本/マイク・ワーブ 出演/ジム・キャリー、キャメロン・ディアス、ピーター・グリーン、ピーター・リーガード

唯一無二の顔面芸を披露!
主人公スタンリーは真面目で気弱でお人好しの銀行員。好きな女性にも打ち明けられず、いつも損な役回りばかり押しつけられる。そんなある日、木製のマスクを拾い、それを顔につけた途端、スーパーパワーを持つ魔人に大変身。性格も別人のように陽気かつ大胆になる。ロマンスも実るものの、やがてギャングとのトラブルに巻き込まれたスタンリーはマスクを奪われて窮地に追い込まれる。

ジム・キャリーがコメディ俳優の素養を遺憾なく発揮したエンターテイメント。マスクを付けたスタンリーは、まさに超人で銃弾をかわし、爆弾を飲み込み、それでもピンピンしている。落ち着きなく動き回り、ラテンダンスもお手の物。それらのフィジカルな演技に加え、マスクを付けていても変化がわかる、キャリーの顔面芸も絶品だ。アニメキャラのようなテンションの高さが魅力!
 

  

 


『バットマン』/ジャック・ニコルソン
製作年/1989年 監督/ティム・バートン 脚本/サム・ハム、ウォーレン・スカーレン 出演/マイケル・キートン、ジャック・ニコルソン、キム・ベイシンガー、ジャック・パランス

独特の高笑いが脳裏に焼き付く!
舞台は犯罪が横行する都市ゴッサムシティ。実業家ブルースは夜になるとマスク姿の正義の使者バットマンとして自警活動を行なっていた。ある日、彼に応戦していたギャングが化学薬品の液槽に転落したことで、怪人ジョーカーに変身。狂気にとらわれ、怖いもの知らずとなったジョーカーは瞬く間に暗黒街を牛耳り、ゴッサムの新たな脅威となっていく……。

『ビートルジュース』(1988年)のティム・バートン監督がDCコミックのヒーローを映画化。ジョーカーというと『ダークナイト』(2008年)のヒース・レジャーや『ジョーカー』(2019年)のホアキン・フェニックスの熱演が有名だが、そもそもこのヴィランに強烈に印象を植え付けたのは本作のジャック・ニコルソン。ファンキーなビートに乗って踊りながら殺人を犯し、高笑いする姿は白塗りのルックスと相まって異様な空気感を漂わせる。『ビートルジュース』では怪人役だったキートン扮するジョーカー、主人公バットマンよりも目立っている!?
 

  

 


『哀れなるものたち』/ウィレム・デフォー
製作年/2023年 監督/ヨルゴス・ランティモス 脚本/トニー・マクナマラ 出演/エマ・ストーン、マーク・ラファロ、ウィレム・デフォー

ひたすら研究に打ち込むオタク外科医!
風変わりな天才外科医ゴッドが、自殺した妊婦に、その胎児の脳を埋め込んでつくり出した人造人間ベラ。ゴッドは助手を雇い、彼女を観察する仕事をあたえた。最初は赤子のように無垢だったベラはやがて外の世界に興味を持つようになり、ゴッドを説得して外の世界へ。遊び人の弁護士との旅、娼館での仕事を経て、ゴッドの危篤を知らされ、久しぶりに帰国したベラを待っていたものは?

新作『憐れみの3章』(2024年)も好評のヨルゴス・ランティモス監督が、同作のエマ・ストーン、ウィレム・デフォーと組んで放つユーモラスで奇抜なファンタジー。ベラに扮したストーンの熱演も凄いが、その父親代わりであるゴッドを演じたデフォーの存在感も強烈だ。フランケンシュタイン博士のように人造人間を生み出すも、怪物は愛らしく、逆に博士の容姿の方がモンスター的という逆転の構図。研究以外のことにまったく興味がない、オタク的な入れ込みぶりも印象に残る。
 

  

 


『レオン』/ゲイリー・オールドマン
製作年/1994年 監督・脚本/リュック・ベッソン 出演/ジャン・レノ、ナタリー・ポートマン、ゲイリー・オールドマン、ダニー・アイエロ

汚職刑事の狂気ぶりを見事に表現!
ニューヨークのアパートで観葉植物を育てながら孤独に暮らす、フランス生まれの凄腕の殺し屋レオン。麻薬組織に家族を殺された12歳の少女マチルダを助けたことから、彼の静かな暮らしは一変する。復讐したいという彼女に請われて射撃を教え、彼女から英語を教わり、そんな日々の中でレオンはやすらぎを覚える。そんな彼らに、麻薬犯罪を牛耳る汚職刑事スタンフィールドの魔の手が迫る。

リュック・ベッソン監督による人気アクション。主要俳優陣はいずれも魅力十分だが、怪演の点で目を引くのは悪役スタンフィールドに扮したゲイリー・オールドマンだ。カプセルを噛み砕いてドラッグを吸引し、指揮者のジェスチャーのように音楽に合わせて舞いながら、ショットガンをぶっ放す。この初登場シーンだけで、キャラクターの狂気がわかりやすいほど伝わってくるが、同時にそれはオールドマンの役者としての凄みでもあるのだ。

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文=相馬学 text:Manabu Souma
Photo by AFLO
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