【まとめ】シルヴェスター・スタローン出演映画12選!
これまで『Safari Online』で配信してきた作品の中からシルヴェスター・スタローンの出演作をまとめてご紹介!
『ロッキー』
製作年/1976年 監督/ジョン・G・アビルドセン 共演/タリア・シャイア、バート・ヤング
伝説シーンが凝縮された傑作!
シルヴェスター・スタローンの代表作と誰もが認めるうえに、ボクシング映画としても最も人気の高い1作として、映画史に燦然と輝く。モハメド・アリの試合を見てアイデアが浮かんだスタローンが自ら脚本を執筆。
当時、俳優としては無名だった彼自身がロッキー役を演じた結果、主人公の挑戦とスタローンのスターとしての大ブレイクが鮮やかに重なった。その結果、アカデミー賞作品賞という栄冠までつかんだのである。
30歳を迎えて、ボクサーとしての夢を失っていたロッキー。しかし、世界ヘビー級チャンピオンのアポロが、無名のボクサーと対戦すると発表。その相手に選ばれたロッキーが、人生をかけてトレーニングに挑む。
ビル・コンティの音楽とともにフィラデルフィア美術館の階段へ向かう早朝ランニング、生卵の一気飲み、ラストのセリフなど、“伝説”となったシーンが多数。スタローンは、このロッキー役を、2018年の『クリード 炎の宿敵』まで、42年間演じ続けたことになる。
『ランボー/怒りの脱出』
製作年/1985年 監督/ジョージ・パン・コスマトス 共演/リチャード・クレンナ、チャールズ・ネイピア
究極のサバイバル戦に興奮!
2019年に最新作(日本は6月26日(金)公開)『ランボー ラスト・ブラッド』が完成するなど、スタローンにとってロッキーと並ぶ“生涯の当たり役”となった、ベトナム帰還兵のジョン・ランボー。シリーズが成功するかどうかのカギは2作めだといわれるが、このランボーも2作めの『怒りの脱出』が好きだというファンが多い。服役していたランボーが、自由と引き換えに与えられた任務は、今もベトナムのジャングルで捕虜となっているアメリカ兵の調査だった。
ベトナム時代の上官で、1作めにも登場した国防総省のトラウトマン大佐が「地獄はランボーの戦場」と語るように、この2作めはトラウマを作ったベトナムが舞台になることで、より過酷で壮絶な戦いが用意された。
ランボーといえば、弓矢の達人というイメージだが、そのアクションが確立されたのも今作。捕虜救出のミッションは怒涛のサバイバルになだれ込むが、現地の案内人であるベトナム女性との切ない恋も展開。シリーズでは珍しく、ランボーのキスシーンもある。
『オーバー・ザ・トップ』
製作年/1987年 監督/メネハム・ゴーラン 共演/デビッド・メンデンホール、ロバート・ロッジア
挫折をバネに立ち向かう姿こそ醍醐味!
妻子を残して家を飛び出したコンボイ運転手が、妻の病気をきっかけに10年ぶりに息子と再会。しかし父と息子の間には、深い溝ができあがっていた……。複雑な親子関係を、スポ根ストーリーと合わせて描く映画はよくあるが、今作の場合、そのスポーツがアームレスリングというのが斬新だった。
公開時の1987年、日本では“腕相撲”という名称が常識だったが、この映画によってアームレスリングという言葉も一般レベルで浸透。アームレスリング大会が盛んになるという、ちょっとした社会現象も起こした作品。
広大なアメリカを、コンボイトラックが疾走する。そんな映像からテンションが上がり、最大の見どころである“筋肉対決”は大盛り上がりの状態。スタローンの上腕には目がクギづけである。もちろん勝負の行方は、息子とのエピソードが左右し、定番の流れとはいえ、ストレートに感動を呼び起こし、目頭が熱くなる。
ロッキーやランボーもそうだが、今作で演じたリンカーン・ホーク役も、屈折や挫折をバネに強敵に立ち向かうという構図が、ほかのアクションスター以上にスタローンにはよく似合うと証明する。のちにプロレスラーとなり、日本のリングで活躍するスコット・ノートンも出演している。
『クリフハンガー』
製作年/1993年 監督/レニー・ハーリン 共演/ジョン・リスゴー、マイケル・ルーカー
高所恐怖症を克服して挑んだ山映画!
日本では年間トップ(1994年度)のヒットを記録するなど、スタローンのキャリアの中でも人気の高いのが、この山岳アクションだ。同僚の恋人を死なせてしまったレスキュー隊員のゲイブ。気落ちする彼にロッキー山脈からのSOSが届き、国際犯罪組織の罠に巻き込まれていく。
特殊効果は最小限に抑えて、徹底的に肉体のパワーを強調したスペクタクルが見もので、高所や山岳を舞台にしたその後のアクション映画は『クリフハンガー』を引き合いに出されることが常識となった。
『ランボー』のアクション撮影でケガをしたのがきっかけで、高所恐怖症になったというスタローン。そのトラウマを消すために、インナーマッスルと握力を鍛えて今作に挑んだ。絶壁の雪山を素手で、しかもTシャツ1枚で登るなんて、スタローン以外には不可能だとファンならずとも惚れぼれ!
もちろんスタントマンも大活躍。上空を行く2機の飛行機の間をワイヤーで渡るなど、信じがたい実写シーンも登場する。近年のスーパーヒーローのアクション映像を観慣れた人にとって、このリアル感は貴重。ややヒット作が少なくなってきた時期のスタローンにとって、一発逆転作品としても記憶にとどめておきたい。
『デイライト』
製作年/1996年 監督/ロブ・コーエン 出演/シルヴェスター・スタローン、ヴィゴ・モーテンセン
絶望的な状況下、いかに皆を鼓舞するのかが大事だ!
もしも、長~いトンネル内で交通事故に巻きこまれたら? そんな自分にも本当に起こりうる恐怖をまざまざと描いた本作。それだけに、いざという時のための脳内シミュレーションにはうってつけの作品だ。
危険な廃棄物を積んでいる大型運送車に暴走車が激突したことから、海底トンネル内で大爆発が起き、多くの人たちがトンネル内に取り残されてしまう。外部と連絡もとれず、空気もだんだんと薄くなり、誰もが疑心暗鬼状態へと陥るはめに。ヒット作『ワイルド・スピード』で知られるロブ・コーエン監督だけに、パニックシーンはド迫力。
本作で参考にしたいのが、災害下における人間の心理状況。パニックになると、自分の身を守ることしか考えられなくなることもある。それを肝に命じておきたい。そこで理想としておきたいのが、スタローン演じるタクシー運転手ラトゥーラの行動。トンネル内に残された人々に対して「希望はある。諦めちゃダメだ!」とあきらめずに鼓舞するのだ。子の姿を見て、生存者たちは人命救助に尽力するスタローンに協力するようになる。脱出途中では、老人ジョージを連れていくことができない、無念の決断を下すシーンもあるが、それを乗り越えて一致団結し、脱出を目指していく。
『バレット』
製作年/2012年 監督/ウォルター・ヒル 共演/サン・カン、サラ・シャヒ、クリスチャン・スレーター
ベテランらしい抑えた演技が光る!
監督は『ストリート・オブ・ファイヤー』などのウォルター・ヒルで、スタローンとはこれが初の作品ながら、長年、親しい関係だったという2人。そうした信頼感から、監督はスタローンに“抑えた演技”も提案したという。そうした演出によって、スタローンの多くの主演作の中でも独特のムードが生まれたのが、この『バレット』だ。
スタローンが演じるジミーは、スゴ腕の殺し屋である元海兵隊員。少しだけランボーも連想させるが、裏社会に生きる男だ。そんな彼が、相棒を殺されたことで復讐の鬼と化す。敵に近づくため、ジミーが手を組むのは刑事のテイラー。殺し屋と刑事。普通なら協力することのない彼らがコンビとなるわけで、正義と悪の混沌とした世界へと進んでいく。
スタローンも邪悪さとヒーローの両面を好演。すでに60代半ばになっていたので、たしかに全盛期のような肉体のキレはない。しかし、わずかな動きと銃撃という“テクニック”で魅せる。いぶし銀の活躍を観てほしい1作だ。
『クリード チャンプを継ぐ男』
製作年/2015年 監督/ライアン・クーグラー 出演/マイケル・B・ジョーダン、シルベスター・スタローン
年長者が若者に手を差しのべる好例!
ボクシング映画の“伝説”『ロッキー』シリーズの中で、もっとも師弟愛に浸れるのがスピンオフ作品の本作。主人公ロッキー・バルボアは年齢を重ね、自らはボクサーとして完全引退状態。孤独な日々を送る彼の前に現れたのが、かつてのライバルにして盟友だったアポロ・クリードの息子、アドニスだった。
本作の師弟愛がドラマチックなのは、教える相手が自分の家族やアカの他人ではなく、親友の息子という微妙な距離感にあること。アドニスはアポロの死後に生まれたので、チャンピオンだった父の記憶がない。それゆえ、ロッキーは“教え子”との関係に葛藤する部分が多い。しかしながら、悩める若者に手を伸ばし、ともに闘い(ロッキーは重病が判明!)、あきらめない心を教えこんでいく。その様は、年長者としてあるべき姿を観る者に教えてくれる。
自分が習得したテクニックやボクサーとしての精神を、後進の才能に継がせようとする姿に、『ロッキー』のファンならずとも胸が熱くなるはず。スタローンは、本作でアカデミー賞助演男優賞にノミネート。アドニス役のマイケル・B・ジョーダンも迫真の演技で応え、師弟愛のドラマはじつにエモーショナル! 過去の『ロッキー』シリーズへのオマージュや、信じがたいカメラワークによる試合シーンも見どころだ。
『クリード 炎の宿敵』
製作年/2018年 監督/スティーブン・ケープルJr. 脚本・出演/シルベスター・スタローン 出演/マイケル・B・ジョーダン、フローリアン・ムンテアヌ、ドルフ・ラングレン
ドラゴ親子の不遇ぶりに泣ける!
ロッキーの指導により、世界ヘビー級のタイトルマッチに勝利したアドニス・クリード。恋人のビアンカにプロポーズし、公私ともに人生は絶好調だった。そんな彼の前に現れたのが、ウクライナのボクサー、ヴィクター・ドラゴだ。ヴィクターの父は、かつてアドニスの父アポロをリング上で死に追いやった宿敵イワン・ドラゴ。時を超え、息子同士の因縁の対決がはじまる……。
1985年『ロッキー4/炎の友情』と濃密につながる本作。アポロとドラゴ、それぞれの息子が父親の思いを託されるという設定が、なんともムネアツなのだ。特に敵役のドラゴ親子の苦闘は切実!父イワンはロッキーに敗れたことで、祖国や妻に見捨てられ、実は落ちぶれた生活を送っていたことが明らかに。シリーズファンならこれだけでも泣けてくる。息子のヴィクターが、心に深い傷を抱えつつ父に闘争心をかき立てられる姿は、敵対する相手ながら胸に迫るはず。
『ランボー ラスト・ブラッド』
製作年/2019年 監督/エイドリアン・グランバーグ 出演/シルベスター・スタローン、パス・ベガ、セルヒオ・ペリス=メンチェータ
エンドロールに心揺さぶられる!
アラバマの牧場で、友人の女性と、その孫娘ガブリエラと平穏な日々を送っていたランボー。しかし、自分の父を探しにメキシコへ向かったガブリエラが人身売買のカルテルにさらわれてしまい、ランボーは彼女を救い出そうとする。これまでベトナムやアフガニスタン、ミャンマーと、実際に起こっていた紛争や戦争を背景に闘ってきたランボーだが、今回は若い女性たちの命を“物”のように扱う悪人どもに、怒りの鉄拳を撃ち下ろす。クライマックスのアクションにはランボーの頭脳戦も駆使されつつ、その激しさと容赦のなさは賛否を呼びそうなレベルだが、これもランボーらしいといえば、そのとおり。全体にどこか1980年代映画のノスタルジーも感じさせる本作。シリーズファンならエンドロールに心を揺さぶられるのは間違いない!
『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』
製作年/2021年 監督・脚本/ジェームズ・ガン 出演/マーゴット・ロビー、イドリス・エルバ、ジョン・シナ、ジョエル・キナマン、シルヴェスター・スタローン
個性的すぎるアウトローたちに魅了される!
アメコミのヒーローアクション映画が次々と製作されるなか、『ジョーカー』などアンチヒーロー、ヴィラン(悪役)を主人公にした作品もブームとなった。DCコミックの極悪キャラたちを一同に集めたのが『スーサイド・スクワッド』で、ジョーカーの元恋人ハーレイ・クインを中心にした本作は、ヴィランの魅力をたっぷり詰め込みつつ、痛快のアクションエンタメとして楽しませてくれる。南米の国家の異変に気づいたアメリカ政府が、極悪の囚人たちを集め、減刑と引き換えに危険なミッションに挑ませる。
出てくる囚人は総勢14名。それぞれ外見やパワーも超個性的な悪党が2グループに分かれ、危険が待ち受ける国に侵入するオープニングから、いきなりハイテンションな展開。最終的な宿敵となる“スターフィッシュ”のビジュアルは驚愕モノだ。カラフルな花をバックにドレス姿で槍を振り回すハーレイ・クインら“キャラ立ち”がここまでハイレベルな作品も珍しい。声をシルヴェスター・スタローンが声を担当するサメと人間のハイブリッドも面白すぎる。残虐な描写やブラックな笑いがアウトロー映画らしいが、クライマックスでは悪党たちの絆に思いのほか共感してしまうはず!
『エクスペンダブルズ ニューブラッド』
製作年/2023年 監督/スコット・ウォー 脚本/カート・ウィマー、タッド・ダガーハート、マックス・アダムス 出演/シルベスター・スタローン、ジェイソン・ステイサム、ミーガン・フォックス、ドルフ・ラングレン、トニー・ジャー、イコ・ウワイス、アンディ・ガルシア
シリーズの最終章!
前作から9年ぶりとなる新作は、そのインターバルから予想できるように、かなり様相が変わっている。まず主人公だが、今回はジェイソン・ステイサムのリー・クリスマスが物語の中心。1作目では、傭兵軍団“エクスペンダブルズ”の最年少メンバーだったクリスマスが、今やリーダー格。ここまでの歴史をしみじみと感じさせてくれる。同時に真のリーダーである、シルヴェスター・スタローンのバーニー・ロスも健在。しかしこの4作目で、彼には信じがたい運命が待ち受けており、シリーズファンも驚きを禁じ得ないはず。今回のミッションは、テロリストが所持する核兵器の奪還。わずかなミスが生じれば、第三次世界大戦を起こしかねないとあって、そのリスクもシリーズ史上最高レベルとなる。
『スライ:スタローンの物語』
製作年/2023年 製作総指揮・出演/シルベスター・スタローン 監督・編集/トム・ジムニー
自分自身を赤裸々にさらけ出すドキュメンタリー!
この映画は、スタローンが慣れ親しんだカリフォルニアの家から、東海岸へ引っ越そうと決めた告白からはじまる。まず驚くのは、その自宅の豪華さ。ロッキーの像が飾られ、プールの水がキラキラと輝く庭などが映像に収められ、セレブのプライベートを体感させてくれる。しかし引っ越しの決意も含め、スタローンの語りには、50年近くスター俳優としての人生を体験した者にしたわからない思いが、次々とあふれてきて、予想外に胸を締めつけてくる瞬間が多発する。キャリアのターニングポイントとなった、1976年の『ロッキー』前後のエピソードが濃密に描かれ、その『ロッキー』シリーズに、次の当たり役となった『ランボー』、さらに『エクスペンダブルズ』への流れから、一人の俳優の“歴史”が浮かび上がってくる作りだ。
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