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CULTURE カルチャー

2024.03.20

アノ映画のファッションに憧れて。Vol.39
『フェイク』のカーコート。



今回紹介するのは前回の『セルピコ』に続いて潜入捜査官が主人公の『フェイク』(1997年)。6年もの間、変名でマフィア一家に潜入して大量摘発に貢献したFBIの特別捜査官、ジョー・ピストーネの実録手記に基づく犯罪映画だ。ジョニー・デップ演じるジョー、別名ドニー・ブラスコが宝石鑑定の腕を見込まれ、かねてからFBIがマークしていたマフィアの一員、レフティー(アル・パチーノが『セルピコ』とは逆の立場で登場する)の信頼を勝ち取り、ファミリーの中でも頭角を現していく過程を描く。
 

 
ここでも、衣装が人物の本質を隠し、周囲を欺く道具として有効的に使われる。時代は1978年、場所はニューヨーク。ジョーは劇中で3着のレザージャケットを着用し、ヘアは常にオールバック、口髭といういかにもダークサイドな雰囲気でレフティーの警戒心を解いて行く。レザージャケットは70年代のトレンド。ジョーが多くの場面で羽織っている、テクスチャード・レザー(しわ模様などの型押しを施した皮のこと)の赤茶色のカーコートと、レフティーが羽織る時代遅れの襟にファーが縫い付けられたグレンチェックのウールコートとの世代間対比は、劇中でも見せ場の一つだ。ちなみに、カーコートは1900年代が発祥で、当時のクルマはほとんどオープントップだったために、寒さや汚れをプロテクトするために開発された外套の一種。同時に、カーユーザーであることを示すステイタス・シンボルでもあった。
 
  

 


このカーコート。ディテールが凝っている。襟はシングルブレストでエッジステッチが施されていて、丈は太ももの上あたりまで。肩ヨーク(切り替え)が首の中心から斜め下に伸び、両サイドの全部から袖に繋がっている。バックに回ると、ウエストラインの周りに水平の縫い目がある。注目は合計4つあるポケットだ。ジョーは左側のオープンポケットに商売道具のテープレコーダーを忍ばせている。つまり、彼にとってこのカーコートは単なる変身ツールではなく仕事着なのである。かなりおしゃれな武装服と言い換えることができるもしれない。
 

  

 


ジョーはこのカーコートの下に、時にはバーガンディ色のニットポロ、時にはダイヤモンド柄の長袖ポロ、また時にはグリーンのニットポロやリブ付きのジップアップセーター、そして、黒いボートネックシャツ、等々を場面場面で上手にコーディネートして現れる。ポロonパーカーonカーコートという必殺レイヤードも披露して服好きを楽しませてくれる。何よりも、当然のことながらジョニーが若い(当時35歳)。映画サイトIMDbに拠ると、ジョー役にはアレック・ボールドウィン、ニコラス・ケイジ、ジョン・キューザック等が候補に挙がっていたらしいが、着こなしの観点から見ると、ジョニーで正解!

『フェイク』
製作年/1997年 原作/ジョセフ・D・ピストーネ 監督/マイク・ニューウェル 脚本/ポール・アタナシオ 出演/ジョニー・デップ、アル・パチーノ、マイケル・マドセン、アン・ヘッシュ

●こちらの記事もオススメ!
アノ映画のファッションに憧れて。Vol.38『セルピコ』のM-65フィールドジャケット。
 

  

 

 
文=清藤秀人 text:Hideto Kiyoto
Photo by AFLO
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