【まとめ】イーサン・ホークの出演映画7選
『Safari Online』で配信してきたイーサン・ホークの出演映画をまとめてご紹介!
『リアリティ・バイツ』
製作年/1993年 監督・出演/ベン・スティラー 脚本/ヘレン・チャイルドレス 出演/ウィノナ・ライダー、イーサン・ホーク、ジャニーン・ガロファロー
共同生活をする若者4人の青春ドラマ!
現在の“Z世代”のように、その時代、その時代で流行やカルチャーを作る若者は、ひとまとめで呼ばれる。1990年代、それは“ジェネレーションX(X世代)”だった。ネット社会が一般化する前の時代、彼らは“MTV世代”とも言われ、そんなムードをたっぷり満喫させてくれるのが本作。TV局の契約社員を辞め、MTVの幹部と出会うリレイナを中心に、アパートで共同生活をはじめる4人の男女のドラマが展開。大人たちが作ったシステムに縛られたくない。でも自立は不安……。現実と野心の間(はざま)で揺れる彼らの言動が、意外なまでに心に突き刺さり、90年代映画として共感度MAXの一本である。リアリティ・バイツは“現実は厳しい”という意味。
ザ・ナックの『マイ・シャローナ』をはじめ、U2、レニー・クラヴィッツらの曲が絶妙なタイミングで流れ、スーツからカジュアルまでファッションは、いかにも90年代風。登場人物の一人が〈ギャップ〉で働いているが、ちょうど本作の日本公開直後に〈ギャップ〉の日本一号店がオープンしている。そのほかにも若者たちのHIVへの不安など、当時ならではのネタを発見できる。ウィノナ・ライダー、イーサン・ホークら俳優たちの等身大の演技も魅力。MTV幹部役のベン・スティラーは、本作で初監督も務め、キャストとともに独自のムードを創り出した。
『ガタカ』
製作年/1997年 監督・脚本/アンドリュー・ニコル 出演/イーサン・ホーク、ユマ・サーマン、ジュード・ロウ、ザンダー・バークレイ
適正者と偽り宇宙飛行士を目指す!
遺伝子操作によって優良な要素だけを持って生まれた“適正者”と、自然妊娠で生まれたことで能力や外見の劣る“不適正者”が存在する未来。ヴィンセント(イーサン・ホーク)は“不適正者”のハンデを抱えながらも宇宙飛行士になる夢を叶えるため、“適正者”であるジェローム(ジュード・ロウ)から生体IDを買い取る。こうしてジェロームになりすましながら、夢に向かう日々を送りはじめるヴィンセントだったが……。
公開から20年以上経った今も、大勢のファンに愛され続けるSFサスペンスの傑作。社会的な差別を受ける“不適正者”のヴィンセントが“適正者”になりすまし、苦闘を繰り広げる展開がスリリング。単なる“なりすまし”の枠を超え、生きることの意味や運命とは何かを考えさせる。
『トレーニング・デイ』
製作年/2001年 監督/アントワン・フークア 脚本/デヴィッド・エアー 出演/デンゼル・ワシントン、イーサン・ホーク、エヴァ・メンデス
LAの裏の顔がわかる!
ロス市警の麻薬課に配属された新人の刑事ジェイクは、アロンゾというベテランの上司と組むことに。勤務初日の彼に、アロンゾは街をめぐりながら麻薬密売の最前線を見せる。情報屋との接触、麻薬の押収、銃撃やレイプがはびこる街の実態……何よりジェイクを驚嘆させたのは、麻薬犯罪者を脅して私服を肥やしているアロンゾの素顔。汚職仲間に引き入れようとするアロンゾに、正義感の強いジェイクは抵抗するが……。
アロンゾを演じたデンゼル・ワシントンがアカデミー主演男優賞を受賞したことで知られる社会派サスペンス。本作で描かれるLAは、観光客が気軽に訪れることができるような街ではなく、貧困層が暮らすサウスセントラルやワッツなどの犯罪多発地区。当然、ロケは困難だったが、街の現実を知ってほしいという住人たちの協力もあり、ストリートのリアルを映し出すことに成功した。LAの裏の顔を知るうえでも必見。
『テイキング・ライブス』
製作年/2004年 原作/マイケル・パイ 監督/D・J・カルーソ 脚本/ジョン・ボーケンキャンプ 出演/アンジェリーナ・ジョリー、イーサン・ホーク、キーファー・サザーランド
被害者になりすます猟奇殺人犯をアンジーが追う!
1983年のカナダで、10代の少年が家出。少年はその足で自分に似た背格好の少年を殺害し、身分証を奪って去っていく。19年後、ある工事現場で白骨死体が発見されたのを皮切りに、猟奇的な連続殺人事件が発生。捜査に協力するFBI捜査官のイリアナ(アンジェリーナ・ジョリー)はプロファイリング術を駆使し、犯人が殺人を繰り返しては、そのつど被害者になりすましていることを突き止めるが……。
長年にわたってなりすましを繰り返してきた猟奇殺人犯と、犯人を追うFBI捜査官の攻防がミステリアスに展開。「これほどまでに巧妙で残忍な犯人はいったい何者なのか?」にスポットが当たっていく。犯人がサイコパスのためなりすましの心情はなかなか理解しがたいが、変わり種サスペンスとして楽しめる。
『ビフォア・ミッドナイト』
製作年/2013年 製作・監督/リチャード・リンクレイター 出演/イーサン・ホーク、ジュリー・デルピー
ケンカした後の仲直りの参考になる?
『ビフォア・サンライズ』で恋に落ち、『ビフォア・サンセット』で再会を果たし、現在は双子にも恵まれたジェシーとセリーヌ。しかし、その関係はかつてのロマンチックなものとはほど遠く、家族、仕事、人生のことなど、様々な問題が2人にのしかかる。ジェシーとセリーヌの小粋な会話で展開するのが特徴の映画だが、今回の2人は完全にああ言えばこう言う状態。バカンス先にもかかわらず、険悪な空気になってしまう。
そんな中、小説家であるジェシーは、『タイムマシンで未来から来た』という小芝居をはじめることに。背を向けるセリーヌに対し、“未来にいるセリーヌからのメッセージ”を伝えはじめる。くだらないと一蹴していたセリーヌも、徐々に態度を軟化。“メッセージ”を通して伝わってくるジェシーの愛と謝罪を受け入れる。小説家のジェシーらしい“仲直り”はなかなか高度だが、普通に謝るのも照れ臭いもの。ならば、これくらい芝居がかってみせるのもたまにはアリ⁉
『プリデスティネーション』
製作年/2014年 原作/ロバート・A・ハインライン 製作・監督・脚本/マイケル・スピエリッグ、ピーター・スピエリッグ 出演/イーサン・ホーク、サラ・スヌーク、ノア・テイラー
タイムパラドックスが生んだ真実はまさに予測不能!
1970年、ニューヨークのバーでライターの青年ジョン(セーラ・スヌーク)が、バーテンダー(イーサン・ホーク)に数奇な生い立ちを語りはじめる。ジェーンという女の子としてこの世に生まれた“彼”は、18歳の時に悲しい恋を経験し、性転換手術によって男性になった。その身の上話を聞いたバーテンダー(イーサン・ホーク)は、ジョンをタイムトラベルに誘う。実はバーテンダーは、凶悪爆弾魔のフィズル・ボマーを追って未来からやってきた時空警察の捜査官だった……。
〈ここからネタバレ〉
ロバート・A・ハインラインの短編小説に基づくこのSFサスペンスは、まさに予測不能のひねりの連続。バーテンダーが携帯型タイムマシンでジョンを1963年へ連れ出す中盤以降、めまぐるしく時制を移動し、ジェーンを妊娠させた謎の男、ジェーンが出産した赤ん坊、そしてバーテンダーと彼が異常な執念を燃やして追跡するフィズル・ボマーのあっと驚く関係性を明かしていく。タイムパラドックスが生んだ世にも複雑怪奇な真実、何と上記のキャラクター全員が“同一人物”だったのだ!
『リグレッション』
製作年/2015年 製作・監督・脚本/アレハンドロ・アメナーバル 出演/イーサン・ホーク、エマ・ワトソン、デビッド・シューリス
少女への虐待、その結末は……?
『アザーズ』などの名匠アレハンドロ・アメナーバルが、アメリカで起きた社会的騒動に着想を得て物語を創造。1990年、ミネソタ州の田舎町で少女アンジェラ(エマ・ワトソン)が父親からの虐待を告発し、刑事のケナー(イーサン・ホーク)が事件を捜査することに。だが、身に覚えがない父親が罪を認めるなど、事件は奇妙な方向へと進んでいく。そんな中、ケナーはアンジェラの証言から、事件の中に悪魔崇拝の儀式との関連を見出しはじめ……。
<ここからネタバレ>
オカルトなムードが充満する作品だが、気の毒なアンジェラこそが事件を操っていた張本人だと判明! 家族を憎みながら成長したアンジェラのねじれた復讐心が、一連の騒動を生み出している。そして、ここがまさに“社会的騒動に着想を得た”部分。悪魔崇拝の儀式が次々と告発され、人々がパニックと疑惑の渦に陥った80~90年代の集団ヒステリー騒動を、アメナーバル監督はサイコパスなアンジェラの企みに託している。
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