Safari Online

SEARCH

CULTURE カルチャー

2023.07.21

ファッションの源流を紐解く、あのカルチャーの発火点。
#1 ライダース・ジャケットは、なぜロックで不良なのか?【中編】

 

 
エースカフェの前に集まるカフェレーサー
エースカフェの前に集まるカフェレーサー(1961年当時)

“ロッカーズ”というバリバリな男たち
ちょうどその頃、音楽の世界ではエルヴィス・プレスリー、チャック・ベリー、リトル・リチャード、バディ・ホリー、ジーン・ヴィンセントといったロカビリー/ロックンロールの新世代スターたちが登場していた。これとマーロン・ブランドやジェームズ・ディーンの不良像が一緒くたの大波になり、社会に不満をもつ若者たちへと押し寄せた。ユースカルチャーの大変革期といえるが、逆にいえば若者の流行が金になることに世の中が気づきはじめた時期ともいえるのだった。
 

 
そんな新しいユースカルチャーを体現していたのが、イギリスの“ロッカーズ”といわれる若者たちだ。’50年代後半くらいから現れたバイカー集団である。彼らは革ジャン、革パン、リーゼントの泣く子も黙るハードコア・スタイルで、“カフェレーサー”と呼ばれる改造バイクにまたがって公道を爆走。ロンドン近郊のカフェに集結し、ジュークボックスでロカビリーやロックンロールを爆音でかけた。ちょっと迷惑な人たちだ。ちなみに彼らの聖地として伝説になったのがエースカフェ。1969年に一度は閉鎖されたが、ロッカーズの残党(おっさんばかり)を中心として2001年に再オープンしている。
 

 
ロッカーズとモッズが対立していた頃の様子(1963年当時)
ロッカーズとモッズが対立していた頃の様子(1963年当時)

このあたりで不良とロックとライダースがガッチリと結びつく。少し時代が前後するが、キャロルの矢沢永吉やジョニー大倉、クールスの舘ひろしや岩城滉一を想像していただくと話が早い。今でも彼らのフォロワーは一定数いるし、「俺たち、最高だぜ」なノリのまま年老いていく幸せな人たちもいる。それ自体に良いも悪いもないのだが、日本におけるライダースのイメージに決定的な影響を与えたのは間違いないだろう。彼らがかなり意識したはずなのが、’68年のTVライブで復活を遂げたエルヴィスが着ていた、バイカースタイルのレザーセットアップ。このライブはYouTubeで見ることができるが、肩の力が抜けたエルヴィスの表情を含めて、とくに好きでもないのに「やっぱ格好いいなあ」とか思ってしまう。エルヴィスはすごい。
 

 
『さらば青春の光』
『さらば青春の光』(1979年)

時代を元に戻そう。ロッカーズが台頭したのと同じ頃、もう少し都会的かつお洒落な感じで登場したのが“モッズ”だった。細身のスーツやモッズコート(M-51)、ヴェスパなどの改造スクーター、短髪のモッズヘアというスタイルで、R&B、ソウル、スカなどを好んで聴いた。どう考えてもロッカーズと友達になれるはずがない。実際、ロッカーズとモッズは激しく対立し、小競り合いはひっきりなし。1964年には、ついにブライトンビーチで数千人規模の大乱闘事件を起こしてしまう。この事件で若者たちも冷めちゃって、ロッカーズ、モッズともに流行が下火になっていくのだから皮肉なもの。その冷めていく感じを含めて、1979年公開の映画『さらば青春の光』は要チェックだ。

不良の系譜を継いだ“パンクス”
ブライトンでの大乱闘事件の少し前、イギリスの音楽シーンに大きな動きがあった。ビートルズの登場である。彼らを筆頭とする“ブリティッシュ・インヴェイジョン”は、文字どおりイギリスの音楽がアメリカ市場を侵略(インヴェイジョン)した現象のこと。米国勢の後追いだった英国勢がググッと盛り返し、それに影響を受けたアーティストが世界中で新しい音楽を生むというサイクルが起きたのだ。ガレージロック(ガレージで練習するようなアマチュアっぽいバンド)が続々と現れるのもこの頃だ。

そんな折、アメリカにMC5やストゥージズ(イギー・ポップがいた)といった過激なノリのロックバンドが現れる。彼らはパンクの源流ということができ、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドや英国のザ・フーなどとともに多くのミュージシャンに影響を与えた。と、ここまでが1970年くらいまでの超大雑把な話。この後、NYのライブハウス“CBGB”で云々みたいなマニアックな話になるのだけど、ちょっと面倒なことになるので割愛します。

とにもかくにも、’70年代になると音楽がどんどん細分化していき、同じロックでもテクニカルだったり、ポップだったり、ファンキーだったり、それはもう百花繚乱の様相になってくる。そうした状況に対して「めんどくせえ、もっと単純でいいいじゃねえか」と考えたのがパンク。まあ、技術レベルの低いガレージバンドが多かったから、そもそも難しいことはできない。それでも面白い音楽をやる奴らはいて、悪ぶった態度を含めて若者たちの人気を集めた。
 

 
ラモーンズ
ラモーンズ

なかでも注目したいのは、’74年にNYでデビューしたラモーンズと、’75年にイギリスでデビューしたセックス・ピストルズだ。ラモーンズはアメリカのバンドでありながら、近年のブリティッシュ・ロックに近いナイーブな雰囲気が漂っていた。というのも、彼らはビートルズから多大な影響を受けたからで、さっき出てきた“ブリティッシュ・インベイジョン”の余波といえる。決して巧いとはいえない単純な演奏に、ストレートな言葉を連ねた歌詞、そして2分程度の短い楽曲。ラモーンズのスタイルがシーンに与えた影響は大きく、パンクの音楽性をほぼ決定づけたといっていい。パンクは英国のものと思われがちだけど、実はアメリカ(主にNY)の方がちょっとだけ早かったのだ。

で、そのラモーンズが全員揃って黒のライダースに身を包んでいた。パンク=ライダースの図式において、セックス・ピストルズのジョニー・ロットンを思い浮かべる人が多いと思うが、むしろこのラモーンズや、あるいは少し遅れて英国から出てきたザ・クラッシュこそが代表格と考える人も少なくないはず。ラモーンズがなぜライダース姿を選んだのかは定かではないが、メンバーで相談して決めたというインタビューは残っている。おそらく前述のMC5やストゥージズあたりの影響ではないだろうか。

ロックミュージシャンの衣装にライダースが登場してくるのは、’60年代中頃から後半くらいと思われる。それまでは基本的にスーツなどの小綺麗なスタイルで演奏するのが一般的だったのもあるし、’50年代の暴走族スタイルがあまりに強烈で、そっちに引っ張られたくなかったのかもしれない。実際、’60年くらいのジーン・ヴィンセントは、バイカースタイルで時代遅れのロカビリーを歌っていた。ボブ・ディランなども若い頃からライダースを着ていたが、それは衣装というより普段着に近い。アーティストたちが普段着でステージに立つようになったのも、だいたい’60年代中頃以降だと思う。
 

 
セックス・ピストルズ
セックス・ピストルズ

で、一方のセックス・ピストルズはというと、アルバムが全英チャートで初登場1位を獲得するなど、とにかくよく売れた。ただ、それが彼らの才能と努力の結果かというと、実はマネージャーであったマルコム・マクラーレンのプロデュースによるところが大きい。だいたいアナーキーがどうこうと歌っている反社会的なバンドが、前置きなしに1位を獲れるほど英国人は寛大ではない。ビジュアルイメージからインタビューでの態度まで、したたかな戦略があってこそのヒットなのは、昔も今もそう変わらないのだ。もちろんピストルズの音楽に魅力がないといっているわけではなく、そういう面があったという話である。
 

 
マルコム・マクラーレン
写真中/マルコム・マクラーレン、写真右/ヴィヴィアン・ウエストウッド

さらにいえば、ピストルズのマネージャーだったマクラーレンは、あのヴィヴィアン・ウエストウッドの彼氏。2人は当時、ロンドンでブティックを経営していて、服と音楽を融合したミックス・カルチャーのムーブメントを作り出す。ピストルズの初期メンバーは、ロットンを除いてブティックの従業員や常連客だ。才気煥発なデザイナーのウエストウッドと、悪知恵の働く敏腕プロデューサーのマクラーレンによって、パンクとファッションが強力に結びつき、ライダースはトレンドに押し上げられた。冒頭で書いた女子限定のお洒落ライダースは、これ以降のイメージが大きいと思われる。’60年代にもライダース風の女性服はあったが、どれも大きなトレンドとはいえなかったから。(後編に続く)
 

 

 
Information

ミッション:インポッシブルの特集記事はこちら!
https://note.com/safarionline/n/n962cd0924cfe

文=野中邦彦  text : Kunihiko Nonaka
photo by AFLO
即完売〈ロンハーマン〉の別注アイテム! こだわりの特別仕様になった、強く優しい秋カーディガン! 
SPONSORED
2025.10.06

即完売〈ロンハーマン〉の別注アイテム! 
こだわりの特別仕様になった、強く優しい秋カーディガン! 

秋冬のコーデを彩る主役は、なんといってもニット。季節感のある落ち着きとなんともいえない肌触り、そして優しさを感じるから。特に、デートなんかにはぴったりの素材感といえる。そんな秋冬必携のニットを〈ロンハーマン〉が特別に別注したのが、〈ダブル…

TAGS:   Fashion
デニム好きも納得の新作に注目が集まる! 好みのシルエットが見つかる、〈リプレイ〉が放つ新定番! 
SPONSORED
2025.10.03

デニム好きも納得の新作に注目が集まる! 
好みのシルエットが見つかる、〈リプレイ〉が放つ新定番! 

コーデのバリエーションを増やしたい秋、デニムの名手〈リプレイ〉から新しいコレクション“ニューフィット”が登場した。その名のとおり、ゆったりとした柔らかいシルエットが特徴で、大人の余裕が漂うリラクシングな秋冬スタイルにぴったり。細身ですっき…

TAGS:   Fashion
〈ベルルッティ〉の新作バッグ“ペリプル”の魅力とは!?アクティブな大人が選ぶラグジュアリーなバッグ!
SPONSORED
2025.10.02

〈ベルルッティ〉の新作バッグ“ペリプル”の魅力とは!?
アクティブな大人が選ぶラグジュアリーなバッグ!

休日を思う存分楽しむ大人には、どんなバッグがふさわしいか? 単に荷物を持ち運ぶだけのツールではなく、装いの品格出しに活用できるデザインで使い勝手もいい、そんなバッグこそが最適。〈ベルルッティ〉の最新作“ペリプル”シリーズは、まさにそんな理…

TAGS:   Fashion
〈キングセイコー〉で手の届く“上質”を。“美ダイヤル”の機械式腕時計で2人の日常を特別に。
SPONSORED
2025.09.26

〈キングセイコー〉で手の届く“上質”を。
“美ダイヤル”の機械式腕時計で2人の日常を特別に。

先進的な性能とデザインを手の届きやすい価格で提供する時計作りで、1960〜’70年代に国産機械式腕時計の新しい在り方を示した〈キングセイコー〉。2022年に待望の復活を果たした現在も、そのスタイルは健在。現代の技術で進化を遂げた“美ダイヤ…

都市に生きる大人に似合う〈ヴェイランス〉。美しさに磨きをかけた高機能アーバンウエア。
SPONSORED
2025.09.26

都市に生きる大人に似合う〈ヴェイランス〉。
美しさに磨きをかけた高機能アーバンウエア。

デザイン、クラフトマンシップ、パフォーマンス。すべての面にこだわり、都市生活に最適化した先進的なアーバンウエアを提案する〈ヴェイランス〉。ミニマルな作りの中に、厳しい山岳環境が生み出した先進技術を詰め込んだハイエンドなアイテムは、端正なス…

TAGS:   Urban Safari Fashion
〈ディースクエアード〉の新作で週末をもっと楽しく!男らしくて爽やかな大人の格上カジュアル!
SPONSORED
2025.09.25

〈ディースクエアード〉の新作で週末をもっと楽しく!
男らしくて爽やかな大人の格上カジュアル!

これからの季節の週末は、男らしさと爽やかさを感じさせる王道カジュルが気分。そこで注目したいのが〈ディースクエアード〉の新作。独自の感覚で生み出される格上のカジュアルで、もっと楽しい週末を!

TAGS:   Fashion Denim
“ハリー・ウィンストン銀座店”が移転オープン!最新コンセプトのサロンで最高の輝きに出会う!
SPONSORED
2025.09.25

“ハリー・ウィンストン銀座店”が移転オープン!
最新コンセプトのサロンで最高の輝きに出会う!

“キング・オブ・ダイヤモンド”として名高い、世界最高峰のジュエリー&ウォッチブランド〈ハリー・ウィンストン〉。このブランドの銀座店が2025年8月29日に、新たなフラッグシップ・サロンとして移転オープンしたのはご存知かと。伝統的な〈ハリー…

TAGS:   Fashion
〈サンローラン〉の新作アイテムを着る!今、必要なのは上質でセンスが際立つレザー!
SPONSORED
2025.09.25

〈サンローラン〉の新作アイテムを着る!
今、必要なのは上質でセンスが際立つレザー!

レザージャケット、レザーコート、レザーパンツ。大人にとって普遍のアイテムのひとつがレザーなのは、誰しも異論ないところ。とはいえ、その素材感、デザイン、作りのよし悪しなど、クオリティに関しては実に様々。〈サンローラン〉なら、ラグジュアリーメ…

TAGS:   Fashion
大人が穿くべき〈ディーゼル〉の新作!デニムが変われば見た目が変わる!
SPONSORED
2025.09.25

大人が穿くべき〈ディーゼル〉の新作!
デニムが変われば見た目が変わる!

色味、シルエット、加工感の組み合わせが無数にあるデニムは、どんな1本を選ぶかで見た目の印象を簡単に変えられるのがイイところ。その点、ほどよくトレンドを押さえつつ、いま大人が穿くべきデニムをしっかり提案しているのが〈ディーゼル〉。まずはその…

TAGS:   Fashion Denim
今シーズンも〈ラコステ〉から目が離せない!秋のゴルフコーデは'90年代レトロでいく!
SPONSORED
2025.09.25

今シーズンも〈ラコステ〉から目が離せない!
秋のゴルフコーデは'90年代レトロでいく!

今シーズンも大人のゴルフコーデは、レトロテイストが気分。なかでも、'90年代のレトロスポーティな雰囲気の着こなしに注目したい。ということで、見逃せないのが〈ラコステ〉の新作ウエア。ちょっと古着っぽいニュアンスを取り入れた、個性的なアイテム…

TAGS:   Fashion
〈タトラス〉の新作を羽織って、街へ、海へ!変化球アウターで格上の週末スタイルに!
SPONSORED
2025.09.25

〈タトラス〉の新作を羽織って、街へ、海へ!
変化球アウターで格上の週末スタイルに!

秋の週末スタイルはアウター選びが大事。街でデートや買い物をするにも、海でとことん遊ぶにも、お気に入りのアウターがあれば気分上々で過ごせそう。そこで頼りになるのが〈タトラス〉の新作。まわりとはひと味違う秋アウターが揃っているから、いつもの着…

TAGS:   Fashion
品があってお茶目な〈フルラ〉の新作!秋の大人のお洒落はレザーで遊ぶ!
SPONSORED
2025.09.25

品があってお茶目な〈フルラ〉の新作!
秋の大人のお洒落はレザーで遊ぶ!

落ち着いた大人のお洒落が楽しめる秋は、小物選びにもこだわりたいもの。遊び心を効かせたレザーアイテムを取り入れて、どこか茶目っ気を感じさせる上品スタイルを狙ってみては? そこで注目したいのが〈フルラ〉の新作。グレーと茶のツートーンに、オレン…

TAGS:   Fashion
気が利いた1着を〈マッカージュ〉で選びたい!男らしくて品が出る大人の秋アウター
SPONSORED
2025.09.25

気が利いた1着を〈マッカージュ〉で選びたい!
男らしくて品が出る大人の秋アウター

秋のお洒落はアウター選びが大事。男らしさと品のよさを兼ね備え、なおかつ気の利いた遊び心ある1着があれば、気分よく毎日を過ごせそう。カナダ発の〈マッカージュ〉なら、高品質で実用的な秋アウターが必ず見つかる!

TAGS:   Fashion
この秋、〈エドウイン〉で“買い”の1本はどっちだ!?大人のデニムは“楽ちん”か“本格派”か?
SPONSORED
2025.09.25

この秋、〈エドウイン〉で“買い”の1本はどっちだ!?
大人のデニムは“楽ちん”か“本格派”か?

厳しい暑さもひと段落し、デニムの季節の到来。ガシガシと穿ける、しっかりとした生地感こそがデニムの魅力だけど、楽な格好で夏を満喫した人にはハードな味のデニムはちょっときつい? さて、ならば秋のデニム選び、いったいどうする? そこで頼りになる…

TAGS:   Fashion Denim
アクティブな毎日に欠かせない〈オークリー〉の新作!お洒落で快適な理想のデイリーウエア!
SPONSORED
2025.09.25

アクティブな毎日に欠かせない〈オークリー〉の新作!
お洒落で快適な理想のデイリーウエア!

日常をもっと自由に、コンフォートに楽しみたい大人にこそ〈オークリー〉の新作を。高いパフォーマンス性とベーシックなルックスを兼ね備え、どんなスタイルにも自然に馴染む。街でのデイリー使いから週末のアクティブライフまで、シーンレスに活躍してくれ…

TAGS:   Fashion
〈デンハム〉白澤社長がデニムを引き立てるグリーンニットで魅せる!大人の“チラ見せ”テクニックとは!?
SPONSORED
2025.09.25

〈デンハム〉白澤社長がデニムを引き立てるグリーンニットで魅せる!
大人の“チラ見せ”テクニックとは!?

なにかとシンプルな着こなしになりがちな秋。であれば、いつものアイテムをいつもとは違う色で遊んでみるのはどう? そこで今回、〈デンハム〉白澤社長が紹介してくれるのがこちらのニット。あざやかなグリーンは、着こなしに一瞬で華を添えてくれる。スマ…

TAGS:   Fashion Denim
ちょっとの変化で大きく変わる!?いつもの生活をワンランクアップ!
SPONSORED
2025.09.25

ちょっとの変化で大きく変わる!?
いつもの生活をワンランクアップ!

海遊びに没頭した夏が過ぎると、ちょっとお疲れ気味!? そんなときこそ、いつもの毎日に変化球。優雅なおウチ時間をもたらすマシンから、清潔感を格上げするケア、秋のアウトドアへと誘う秀逸アイテムまで、新たな“波”をキャッチできるはず。

NEWS ニュース

More

loading

ページトップへ