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CULTURE カルチャー

2022.07.27


アノ映画のファッションに憧れて。Vol.1『アウトサイダー』

 

アメリカの小説家、S.E.ヒントンの原作を基に、フランシス・フォード・コッポラが当時人気の青春スターを招集して映画化した『アウトサイダー』(1983年)は、数あるアメカジ映画の中でも特筆すべき1編だ。何しろ、メインキャラが思い思いのデニムに足を通し、それぞれのコーデで全編を駆け抜けるのだから。
 

 

写真左/ポニーボーイ(C.トーマス・ハウエル)、写真右/チェリー(ダイアン・レイン)

時代は1965年。主人公たちは原作者の故郷でもあるアメリカ、オクラホマ州タルサで対決する2つのグループ、貧困層の”グリース”と富裕層の”ソッシュ”だ。この映画、彼らのクラスの違いをファッションで表現しているところが興味深い。”ソッシュ”がいかにもおぼっちゃまぽいボタンダウンとチノで通しているのに対して、注目すべきは”グリース”の方。

ジョニー(ラルフ・マッチオ)

ダラス(マット・ディロン)

写真左/スティーヴ(トム・クルーズ)、写真右/ソーダポップ(ロブ・ロウ)

ツー・ビット(エミリオ・エステベス)

主人公のポニーボーイ(C.トーマス・ハウエル)は〈ラングラー〉12MWZとカットオフT、ジョニー(ラルフ・マッチオ)はデニムの上下に〈コンバース〉、ツー・ビット(エミリオ・エステベス)は胸にミッキーマウスがプリントされたカットオフT、ソーダポップ(ロブ・ロウ)はネルシャツと袖をロールアップしたワークシャツ、スティーヴ(トム・クルーズ)は〈リーバイス〉501にカットオフのジージャンで三角筋を強調、という風に、何でもカットオフとグリースでベタベタに固めた髪はほぼ共通しているものの、改めてデニムって着こなし一つでいくらでも個性をアピールできるアイテムだと教えてくれる。穿く人の体型の違いでダメージが異なり、表情を変える動物みたいな存在だと言うことを。

富裕層グループの”ソッシュ”

なかでも、施設帰りのタフガイ、ダラスを演じるマット・ディロンのかっこよさったらない。黒Tの上に革ジャンを少しラフに羽織り、タイトめのデニムにブーツを合わせてストリートを闊歩する姿は、ほかの誰よりも完成された反逆児ファッションとして記憶から離れない。これを機に、ディロンは80年代を代表するファッション・アイコンへと成長して行った。
 
 
物語が進むにつれて追い詰められていく”グリース”を讃えるように使われるのが、スティーヴィー・ワンダーの主題歌”ステイ・ゴールド”だ。それは、たとえボロボロになっても、自分の中に本来あったはずの”ゴールド(黄金)”を持ち続ければ、人生捨てたもんじゃないという、不良たちへのアンセム。スティーヴィーの優しい歌声と、汗まみれ、土まみれになって一層ダメージが進んだデニムが対になって、『アウトサイダー』は少年たちの反骨精神と共に、心に染み入るファッションムービーになった。

『アウトサイダー』
製作年/1983年 原作/S・E・ヒントン 製作総指揮・監督/フランシス・フォード・コッポラ 脚本/キャスリーン・ローウェル 出演/ C・トーマス・ハウエル、マット・ディロン、ラルフ・マッチオ、トム・クルーズ、パトリック・スウェイジ、ロブ・ロウ、エミリオ・エステベス、ダイアン・レイン
 

 

 
文=清藤秀人 text:Hideto Kiyoto
Photo by AFLO
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