Safari Online

SEARCH

CULTURE カルチャー

2022.06.30


【まとめ】手に汗握る!サスペンス映画26本

『Safari Online』で紹介してきたサスペンス映画をまとめてご紹介。随時更新していくので、サスペンス映画好きな人は定期的にチェックしてみて!

 

 
女性が主人公だから面白い!サスペンススリラー5選!

『ゆりかごを揺らす手』
製作年/1992年 監督/カーティス・ハンソン 出演/アナベラ・シオラ、レベッカ・デモーネイ、アーニー・ハドソン

夫を亡くした妻の復讐劇にゾッとする!
『ミザリー』(90)、『氷の微笑』(92)など、過去に類をみないヒロインが登場するサスペンスやスリラーがブームとなっていた1990年代の初め。この1992年の映画も、主人公の恐ろしさが全世界を震え上がらせた。発端は、ある産婦人科医の患者に対するセクハラ騒動。その患者、クレアの訴えで窮地に立たされた医師は自殺。ショックで医師の妻ペイトンも流産してしまう。やがてクレアの家にベビーシッターが雇われる。そのベビーシッターこそ、ペイトンだった。クレアに対する信じがたい復讐劇がはじまる。

無垢な赤ちゃんが眠るゆりかご。それを揺らす手の正体は……という物語。喘息の持病があるクレアに発作を起こさせるなど、ペイトンの行動は強烈にエグいのだが、クレア側も長女エマの機転などで対抗。壮絶なバトルの要素も呈していき、終盤は肉弾戦にまで発展し、呆然とさせられる。完璧に“悪女”のペイトンなのだが、赤ん坊であるクレアの息子に自分の母乳を与えるなど、母性を失った悲しみも抱えているところがポイント。基本は戦慄のスリラーながら、切ない後味に引きずられる人も多いことだろう。
 

 
ニューヨークが舞台のサスペンス映画5選!

『マンハッタン殺人ミステリー』
製作年/1993年 監督・脚本・出演/ウディ・アレン 出演/ダイアン・キートン、アンジェリカ・ヒューストン

名所を巡るコメディサスペンス!
倦怠期を迎えた夫婦、ラリー(ウディ・アレン)とキャロル(ダイアン・キートン)が暮らすアパートの隣室で、老婦人が心臓発作の末に死去。老婦人の夫が死に関与しているのではないかと疑うキャロルは友人やラリーを巻き込み、探偵よろしく“犯罪捜査”を始めるが……。大半のウディ・アレン監督作同様、そしてタイトルからも分かるように、物語の舞台はニューヨーク。監督自身のお気に入りレストランやカフェがさり気なく登場するのはもちろん、リンカーン・センターやマディソン・スクエア・ガーデンなど、誰もが知るスポットでも物語が展開する。スリルよりはユーモアが中心の作品だが、ニューヨークの空気を感じながらゆるくハラハラするのにオススメ。
 

 
別人を装う!なりすまし映画5選!

『ジャック・サマースビー』
製作年/1993年 原案・脚本/ニコラス・メイヤー 監督/ジョン・アミエル 出演/リチャード・ギア、ジョディ・フォスター、ビル・プルマン

帰還した夫は本物……?
南北戦争終結直後の小さな村に、戦場に行っていた農園経営者のジャック・サマースビー(リチャード・ギア)が数年ぶりに帰還。ジャックの妻ローレル(ジョディ・フォスター)や村人たちは、戦死したはずの彼の帰還に戸惑う。しかも、嫌われ者だった以前のジャックとは違い、彼は思慮深い人物へと変貌していて……。

実際に起きた事件をベースにしたフランス映画を、設定を変えてハリウッドでリメイク。ネタばらしすると、帰還したジャックは本物のジャックによく似た偽者。「なぜ彼はなりすましをするのか?」「彼はいったい何者なのか?」の謎が、物語を支配していく。そこへ妻ローレルと偽ジャックが新たに紡ぐ夫婦愛の物語が加わり、ラストは号泣必至。
 

 
ワイルドなブラピに惚れる!
ブラッド・ピット骨太映画5選!

『セブン』
製作年/1995年 監督/デヴィッド・フィンチャー 出演/ブラッド・ピット、モーガン・フリーマン、グウィネス・パルトロウ

不穏な空気感にハラハラする!
“GLUTTONY=暴食”として殺された肥満の男、“GREED=強欲”として殺された悪徳弁護士……。キリスト教の“七つの大罪”をモチーフにした猟奇連続殺人事件を追うことになった退職間近の刑事サマセット(モーガン・フリーマン)と、若手刑事のミルズ(ブラッド・ピット)。ジョン・ドゥ(ケヴィン・スペイシー)を名乗る犯人が自首してきたが、“七つの大罪”の残るふたつ“ENVY=嫉妬”と“WRATH=憤怒”の死体はまだ発見できていない。取引を持ちかけたジョンは、サマセットとミルズをある場所に連れて行き……。

予測不可能な意外すぎる展開、彩度の低い映像で感じさせる不穏な空気、カイル・クーパーが担当した斬新なタイトルバックとエンドロール。さまざまな要素が話題となった傑作サスペンスで、一躍デヴィッド・フィンチャーの名を知らしめた。ブラッド・ピットはワイルドと美しさが同居した佇まいや、ラストでの衝動と決断の一連のシーンなど、キャリア初期の中でもベストアクト! 蛇足だが妻役のグウィネスとは本作をきっかけに交際した。
 

 雪が降ったらご注意を!?
冬のサスペンス映画5選!

『ファーゴ』
製作年/1996年 製作/イーサン・コーエン 監督/ジョエル・コーエン 出演/フランシス・マクドーマンド、スティーブ・ブシュミ

寒さは判断力を失わせる?
米ミネアポリスで、多額の借金に悩むカーディーラーが、妻の偽装誘拐を画策。チンピラコンビを雇い、彼女を誘拐させて、富裕な義父から身代金を巻き上げようとする。ところがチンピラコンビが犯行中、目撃者らを殺害したことから計画が狂い始めた。妊娠中の保安官マージは丁寧な捜査で、少しずつ事件の真相に迫っていく。一方、カーディーラーやチンピラコンビは不測の事態によって追いつめられ、図らずも惨劇を広めてしまう。

米映画賞を席巻した、鬼才コーエン兄弟の秀作サスペンス。舞台となるミネアポリスは、真冬には気温が氷点下より上がることが稀で、当然降雪量も少なくない。そんな極寒の中で物語は展開。雪原に死体が転がり、真っ白な大地は鮮血に染まる。犯罪に手を染めた人々が暴走する物語は、緊張感とブラックユーモアに彩られ目が離せない。彼らを狂気に追い込んだのは、それぞれの欲望に加え、判断力を失わせる寒さが影響しているのかもしれない。 
 

 
ワイルドなブラピに惚れる!
ブラッド・ピット骨太映画5選!

『デビル』
製作年/1997年 監督/アラン・J・パクラ 出演/ブラッド・ピット、ハリソン・フォード、マーガレット・コリン

同じルーツを持つ2人の友情と対峙!
IRAの活動家フランキー(ブラッド・ピット)と引退間近の警察官トム(ハリソン・フォード)。立場は異なれど、同じアイルランド系というルーツを持つふたりの奇妙な友情と対峙を描いたサスペンス・アクション。武器調達のためにNYにやってきたフランキーは仲介者の紹介で準備が整うまでトムの家に居候することになる。ごく普通の家庭で束の間の穏やかさを感じるフランキーと、若いフランキーに親身になるトムの温かな描写と、銃撃戦などの激しいアクションシーンの対比に引きこまれる。

特にブラッド・ピットの、ハードでかっこいい役柄の中に時折見せる、庇護欲を駆り立てる子犬のような瞳と、お父さん然としたハリソン・フォードの渋みがいい。アイルランド独立運動を率いた武装組織IRAや、アメリカにはアイリッシュ系移民が多いことなど、背景もわかっているとより興味深いかも。もちろん何も知らずに見ても面白い!
 

 

別人を装う!なりすまし映画5選!

『ガタカ』

製作年/1997年 監督・脚本/アンドリュー・ニコル 出演/イーサン・ホーク、ユマ・サーマン、ジュード・ロウ、ザンダー・バークレイ

適正者と偽り宇宙飛行士を目指す!
遺伝子操作によって優良な要素だけを持って生まれた“適正者”と、自然妊娠で生まれたことで能力や外見の劣る“不適正者”が存在する未来。ヴィンセント(イーサン・ホーク)は“不適正者”のハンデを抱えながらも宇宙飛行士になる夢を叶えるため、“適正者”であるジェローム(ジュード・ロウ)から生体IDを買い取る。こうしてジェロームになりすましながら、夢に向かう日々を送りはじめるヴィンセントだったが……。

公開から20年以上経った今も、大勢のファンに愛され続けるSFサスペンスの傑作。社会的な差別を受ける“不適正者”のヴィンセントが“適正者”になりすまし、苦闘を繰り広げる展開がスリリング。単なる“なりすまし”の枠を超え、生きることの意味や運命とは何かを考えさせる。
 

 ロサンゼルスが舞台のサスペンス映画5選!

『ジャッキー・ブラウン』
製作年/1997年 原作/エルモア・レナード 監督・脚本/クエンティン・タランティーノ 出演/パム・グリア、サミュエル・L・ジャクソン、ブリジット・フォンダ、マイケル・キートン

ロケ地のセレクトが抜群!
国内便のキャビンアテンダント、ジャッキー・ブラウンは、武器密売人オデールの裏金を運ぶ仕事で安月給を補っている。ある日、彼女はオデールの逮捕を目論む捜査官に捕まってしまい、裏金の運搬を見逃す代わりに捜査への協力を求められる。冷酷なオデールは、ミスには容赦しない。逆境の中で、ジャッキーは保釈金融業者マックスの協力を得て、オデールから大金を強奪して逃亡するという一世一代の賭けに打って出る。

8歳の頃からロサンゼルスで暮らしているクエンティン・タランティーノは、キャリアの前半に『レザボア・ドッグス』をはじめ、この地を舞台にした作品を連打してきたが、本作もそのひとつ。主に彼が育ったサウスベイで撮影が行なわれた。ジャッキーが大金受け渡しのために乗りこんだデル・アモ・ショッピング・センターをはじめ、生活感を匂わせるロケ地のセレクトが妙味。
 

 


『隣人は静かに笑う』
製作年/1998年 監督/マーク・ぺリントン 出演/ジェフ・ブリッジス、ティム・ロビンス

隣人の嘘にはご注意を!
お隣りに住んでいるのが恐るべき人物だったら……というのは、いかにも映画的。しかし今作ほど危険な隣人も珍しいかも。大学教授のマイケルが、やけどを負った隣家の少年を助けたことから、2カ月前に引っ越してきたばかりのその隣人、オリバーの一家と交流するようになる。マイケルの専門はテロリズムの歴史。自称・建築技師というオリバーだが、郵便の誤配達から彼が嘘をついていることが徐々に明らかになっていく。

怪しい隣人のオリバー役、ティム・ロビンスの一見、人のよさそうな演技もあって、その裏に隠れた真実とのギャップで、じわじわ背筋を凍らせる。そして訪れる最初の悲劇はかなりショッキングだし、急転直下のクライマックスまで予想外のサスペンスを味わえるはず。いくつかツッコミどころはあるけれど、得体の知れない恐怖感と、アクションエンタメの両面からアプローチしているので、意外に気軽に観られる“怖い隣人”モノと言えそう。
 

 
別人を装う!なりすまし映画5選!

『リプリー』
製作年/1999年 原作/パトリシア・ハイスミス 監督・脚本/アンソニー・ミンゲラ 出演/マット・デイモン、グウィネス・パルトロウ、ジュード・ロウ

憧れのお坊ちゃまになりすます!
貧しい青年トム・リプリー(マット・デイモン)は、ひょんなことから大富豪の放蕩息子であるディッキー(ロブ・ロウ)と意気投合。やがてリプリーは傲慢だが魅力あふれるディッキーに強い憧れと愛情を抱くが、ディッキーはリプリーの想いを冷淡に拒否。リプリーはディッキーを衝動的に殺し、彼になりすますことを思いつく……。

『太陽がいっぱい』の原作としても知られるパトリシア・ハイスミスの小説を、故アンソニー・ミンゲラ監督が映画化。憧れのお坊ちゃまになりすますトムの突発的な計画は初めこそ順調に行くものの、徐々に綻びを見せ、彼を怪しむ人の死体も増えていく。アラン・ドロンがリプリーに魅力を持たせた『太陽がいっぱい』とは異なり、滑稽な主人公を襲うシビアな展開が残酷。
 

 
ニューヨークが舞台のサスペンス映画5選!

『アメリカン・サイコ』
製作年/2000年 原作/ブレット・イーストン・エリス 監督・脚本/メアリー・ハロン 出演/クリスチャン・ベール、ウィレム・デフォー、ジャレッド・レト、ジョシュ・ルーカス

光と闇のニューヨークで起こる連続殺人!
ウォール街の証券会社に勤めるエリートビジネスマン、パトリック・ベイトマン(クリスチャン・ベール)は一等地の高級マンションに住み、ハイブランドのスーツに身を包み、誰もが羨む夢の生活を送っていた。しかしその一方、ベイトマンはあり余る物質では満たされない虚無感と心の闇を感じるように。うわべだけのライフスタイルを維持する中、殺人の衝動に取り憑かれ、若く美しい女性を次々と殺していくが……。ブレット・イーストン・エリスの同名小説を映画化したサイコサスペンスで、1980年代のニューヨークを舞台に物語が展開。ゴージャスな雰囲気の中で描かれるベイトマンの表向きの日常と、夜の街で行われるダークな悪事のコントラストもニューヨーク的。
 

 ロサンゼルスが舞台のサスペンス映画5選!

『トレーニング・デイ』
製作年/2001年 監督/アントワン・フークア 脚本/デヴィッド・エアー 出演/デンゼル・ワシントン、イーサン・ホーク、エヴァ・メンデス

LAの裏の顔がわかる!
ロス市警の麻薬課に配属された新人の刑事ジェイクは、アロンゾというベテランの上司と組むことに。勤務初日の彼に、アロンゾは街をめぐりながら麻薬密売の最前線を見せる。情報屋との接触、麻薬の押収、銃撃やレイプがはびこる街の実態……何よりジェイクを驚嘆させたのは、麻薬犯罪者を脅して私服を肥やしているアロンゾの素顔。汚職仲間に引き入れようとするアロンゾに、正義感の強いジェイクは抵抗するが……。

アロンゾを演じたデンゼル・ワシントンがアカデミー主演男優賞を受賞したことで知られる社会派サスペンス。本作で描かれるLAは、観光客が気軽に訪れることができるような街ではなく、貧困層が暮らすサウスセントラルやワッツなどの犯罪多発地区。当然、ロケは困難だったが、街の現実を知ってほしいという住人たちの協力もあり、ストリートのリアルを映し出すことに成功した。LAの裏の顔を知るうえでも必見。
 

 
ロサンゼルスが舞台のサスペンス映画5選!

『マルホランド・ドライブ』

製作年/2001年 監督・脚本/デヴィッド・リンチ 出演/ナオミ・ワッツ、ローラ・エレナ・ハリング、ジャスティン・セロー

ハリウッドの深い闇を描く!
自動車事故によって記憶を喪失し、とある留守宅に迷いこんだ女性。そこはとある女優の家だった。その姪であり、叔母に憧れて上京してきたベティは、リタと名乗るこの女性に同情して、彼女の記憶探しに協力することに。謎を解くカギは、リタがふと思い出した“ダイアン・セルウィン”という女性の名前。ベティは映画のオーデション通いのかたわら、調査を進め、一方でしだいにリタに魅了されていく。その先には、驚がくの事実が……。

ロサンゼルスの名所といえば、何といってもハリウッド。この映画の都に、『ツイン・ピークス』でおなじみの奇才デヴィッド・リンチが切りこんだ。マルホランド・ドライブは実在する山道で、LAの夜景を見下ろすことができるが、本作は見据えるのはその美しさではなく、むしろ深い闇。物語はシュールかつ難解だが、人々の夢を吸い寄せ、欲望が絡み合うハリウッドの、魔物のような側面を感じてしまうに違いない。
 

 
女性が主人公だから面白い!サスペンススリラー5選!

『パニック・ルーム』
製作年/2002年 製作・脚本/デヴィッド・コープ 監督/デヴィッド・フィンチャー 出演/ジョディ・フォスター、フォレスト・ウィテカー、ジャレッド・レト、クリステン・スチュワート

娘を守るため母親が繰り広げる密室の攻防戦!
恐るべきレクター博士と対峙した傑作『羊たちの沈黙』をはじめ、飛行機内で娘が消えてしまう『フライトプラン』など、スリラーやサスペンスの似合う超実力派スターといえば、ジョディ・フォスター。そんな彼女が、やはり同ジャンルの巨匠である『セブン』『ファイト・クラブ』のデヴィッド・フィンチャーと組んだのが、この作品。11歳の娘サラとともに元夫が購入した豪邸に引っ越したメグ。しかし強盗たちが侵入し、メグと娘は家に備えられた緊急避難用の『パニック・ルーム』へ逃げこむ。

メグは閉所恐怖症で、サラは糖尿病でインスリンの注射が必要。その2人がパニック・ルームに立てこもることで、多くのトラブルも発生。パニック・ルームの機能や秘密も、犯人グループとの攻防をサスペンスフルに盛り上げる。さらにメグの娘への愛情がドラマチックな要素を加速させ、このあたりに女性を主人公にした効果が絶大だ。事件が起こるまでのスピード感や、その後の緊迫の瞬間の数々、密室の閉塞感など、フィンチャーの演出が冴えわたり、一瞬も息がつけない。サラ役は現在、トップスターとなったクリステン・スチュワートで、子役としての才能にも驚くはず。
 

 
ソン・ガンホ映画5選!

『殺人の追憶』
製作年/2003年 監督・脚本/ポン・ジュノ 出演/ソン・ガンホ、キム・サンギョン、パク・ヘイル

農村で起きた殺人事件を追う!
韓国の農村で若い女性を狙った殺人事件が続発。地元警察のパク刑事と、都会から派遣されたソ刑事が中心となって捜査に当たる。ぶっきらぼうなパク刑事は、さっさと捜査を終わらせようと、容疑者でっちあげの暴挙に出ることも。対するソ刑事は論理的かつ冷静に捜査に当たるが、解決の糸口が見つからないまま新たな被害者を出してしまう。やがて目撃者の証言により、ついに容疑者が浮かび上がるのだが……。

『パラサイト 半地下の家族』で世界的な鬼才となったポン・ジュノ監督の出世作。サスペンスフルなドラマで社会性もあるが、一方で彼らしいユーモアが全編にあふれている。そんな笑いの部分の多くを担うのが、ガンホふんするパク刑事。犯人は陰毛のない男と決めつけて銭湯に張り込むなどの、ピント外れの捜査がおかしい。仕事ぶりは、いい加減で強引かつ乱暴だが、それでも憎めないのはガンホの人間臭い個性ゆえ、だろう。
 

 
女性が主人公だから面白い!サスペンススリラー5選!

『セルラー』
製作年/2004年 原案/ラリー・コーエン 監督/デビッド・R・エリス 脚本/クリス・モーガン 出演/キム・ベイシンガー、クリス・エヴァンス、ジェイソン・ステイサム、ジェシカ・ビール

誘拐された女教師の頼みの綱は1台のケータイ!
自宅に侵入した男たちによって、高校教師のジェシカが誘拐される。屋根裏部屋に監禁された彼女は、犯人たちが破壊した電話器のコードを接触させて修復。その電話からたまたま発信できたのが、見ず知らずの青年、ライアンの携帯電話だった。最初は状況がわからず、変な電話だと無視する彼だが、ジェシカの置かれた状況が事実だとわかり、電話のやりとりで救出を試みる。2004年の作品で、タイトルの『セルラー』は、セルラーフォン(携帯電話)のこと。スマートフォンが主流となった現在はあまり使われなくなった言葉。

ジェシカが唯一、連絡がとれるのがライアンということで、2人の会話が命綱になって緊迫感がぐんぐん上昇。ジェシカが理系の教師という設定も、絶妙に使われる。生死ギリギリのジェシカのサバイバルをキム・ベイシンガーが熱演するが、最初は軽いノリのライアン役、クリス・エヴァンスが、正義のヒーローとしての使命感をもつ変貌を鮮やかに体現。この作品の7年後、彼はキャプテン・アメリカを演じると考えると感慨深い。犯人の素性や犯行の動機もショッキングだし、ラストまで一気の勢いのノンストップ感も魅力だ。
 

 
ロサンゼルスが舞台のサスペンス映画5選!

『コラテラル』
製作年/2004年 製作・監督/マイケル・マン 脚本/スチュアート・ビューティ 出演/トム・クルーズ、ジェイミー・フォックス、マーク・ラファロ、ジェイダ・ピンケット=スミス

LAの夜景に魅了される!
街を流すタクシー運転手マックスは、ビンセントという謎めいた客の依頼で、多額の報酬と引き換えに一夜の貸切運転を引き受ける。ところが、ビンセントの正体は殺し屋で、一夜に5人を始末する仕事を遂行しようとしていた。殺人の共犯となりかねない危険な状況下で、マックスは反抗を試みるが、百戦錬磨のビンセントにかなうはずもない。やがて最後の標的の元に向かうことになったマックスは、ある決意を固める……。

新作ドラマ『TOKYO VICE』も話題の鬼才マイケル・マンが、トム・クルーズとジェイミー・フォックスを主演に迎えて生み出したハードボイルド。ほぼ全編が夜のLAを舞台にしており、夜景の鮮烈さが、とにかく映える。マン監督は2004年当時としては珍しい、解像度の高いデジタルビデオを導入して、フィルムではとらえきれない夜の美しさを映像に収めた。ちなみにマン監督は『ヒート』でもLAの街を描いている。
 

 
別人を装う!なりすまし映画5選!

『テイキング・ライブス』
製作年/2004年 原作/マイケル・パイ 監督/D・J・カルーソ 脚本/ジョン・ボーケンキャンプ 出演/アンジェリーナ・ジョリー、イーサン・ホーク、キーファー・サザーランド

被害者になりすます猟奇殺人犯をアンジーが追う!
1983年のカナダで、10代の少年が家出。少年はその足で自分に似た背格好の少年を殺害し、身分証を奪って去っていく。19年後、ある工事現場で白骨死体が発見されたのを皮切りに、猟奇的な連続殺人事件が発生。捜査に協力するFBI捜査官のイリアナ(アンジェリーナ・ジョリー)はプロファイリング術を駆使し、犯人が殺人を繰り返しては、そのつど被害者になりすましていることを突き止めるが……。

長年にわたってなりすましを繰り返してきた猟奇殺人犯と、犯人を追うFBI捜査官の攻防がミステリアスに展開。「これほどまでに巧妙で残忍な犯人はいったい何者なのか?」にスポットが当たっていく。犯人がサイコパスのためなりすましの心情はなかなか理解しがたいが、変わり種サスペンスとして楽しめる。
 

 
ニューヨークが舞台のサスペンス映画5選!

『アメリカン・ギャングスター』
製作年/2007年 原作/マーク・ジェイコブソン 製作・監督/リドリー・スコット 脚本/スティーヴン・ザイリアン 出演/デンゼル・ワシントン、ラッセル・クロウ、キウェテル・イジョフォー、キューバ・グッティング・Jr.

70年代ニューヨークの裏社会が堪能できる!
ギャングの運転手をしていたフランク・ルーカス(デンゼル・ワシントン)は、やがて麻薬ビジネスの道へ。大胆かつクレバーなやり方で、一大帝国を築き上げていく。一方、汚職が蔓延する警察組織でもがく刑事リッチー・ロバーツ(ラッセル・クロウ)は、麻薬取締局の一員となり、フランク逮捕を目指すことになるが……。1970年代初頭のニューヨーク、ハーレムに君臨した伝説のギャングと、彼を追う刑事の攻防が展開。名匠リドリー・スコットが監督を務め、ニューヨークでのロケも実施している。本編には、自由の女神やエンパイア・ステート・ビルなども象徴的に登場。危険な香り漂う70年代ニューヨークの裏社会を、存分に堪能することができる。
 

 
女性が主人公だから面白い!サスペンススリラー5選!

『ブラック・スワン』
製作年/2010年 原案・脚本/アンドレス・ハインツ 監督/ダーレン・アロノフスキー 出演/ナタリー・ポートマン、ヴァンサン・カッセル、ミラ・クニス、ウィノナ・ライダー

ヒロインが闇に落ちる姿に衝撃を受ける!
真相がわからずハラハラさせるサスペンス。そして、背筋も凍るようなシーンが登場するスリラー。両方の要素をハイレベルで合体した作品は少ないが、『ブラック・スワン』はそんな貴重な一本だ。NYの一流バレエ団に所属するニナは、次回公演『白鳥の湖』の主役候補に上がっていた。美しく純粋な白鳥と、官能的に相手を誘惑する黒鳥を一人で演じ分けるという難役だが、演出家はニナの隠れた才能に気づいて抜擢。しかしリハーサルがはじまり、役に没頭しようとするニナは不可解な現象に見舞われるように……。

主役を踊るプレッシャー、代役に選ばれたライバルのダンサーや演出家との悩ましい関係などから、ニナは幻覚や妄想に襲われる。それが一瞬の映像で表現されたり、かなりダークな描写だったりと、さまざまに駆使されるので、多様な恐怖を味わう感覚。なかでもニナの肉体が白鳥と一体化するビジュアルは生々しくて衝撃的! 現実と非現実がひとつになるクライマックスは、本作でアカデミー賞主演女優賞に輝いたナタリー・ポートマンの狂気ともいえる熱演に圧倒されるはず。いま何かと話題のセクハラ、パワハラ問題も取り入れており、その部分もスリリング。
 

 


『127時間』
製作年/2010年 製作・監督/ダニー・ボイル 出演/ジェームズ・フランコ、ケイト・マーラ

岩に挟まり、絶体絶命!
なんとか肉体を動かせれば、生き残る術を見つけられるかもしれない。しかし、まったく動けない状況では、助けを呼ぶことすらできない。閉所での生死ギリギリの恐怖を体感させるのが、この『127時間』だ。ユタ州でキャニオング(渓谷でトレッキングやクライミング、水泳などを楽しむこと)の最中、滑落によって岩の間の小さな隙間で動けなくなってしまったアーロン。大声で叫んでも、周囲には誰にもいない。わずかな水と食料で耐えながら、彼はビデオカメラで自分を記録しはじめる。実話の映画化で、タイトルは彼が生還するまでの時間を示している。

さまざまなサバイバル映画があるが、本作ほどの“究極の決断”は珍しい。動けない原因は、岩に挟まった右腕。なんとしても生きて脱出したいアーロンは、持っていた小型ナイフで挟まった部分を切断しようと決意する! もちろんそんなに簡単に腕を切断できるわけはなく、想像を絶する過酷な痛みが待ち受け、映画を観ているこちらも気を失いそうな感覚に!
 

 
女性が主人公だから面白い!サスペンススリラー5選!

『ガール・オン・ザ・トレイン』
製作年/2016年 原作/ポーラ・ホーキンズ 監督/テイト・テイラー 脚本/エリン・クレシダ・ウィルソン 出演/エミリー・ブラント、レベッカ・ファーガソン、ヘイリー・ベネット

記憶を無くしたヒロインが知る真相とは?
主人公が男性か女性かで、サスペンスは大きく印象が変わる。そんな事実を改めて教えてくれるのが本作。愛する夫と離婚し、その悲しみから立ち直れないレイチェルは、アルコールを断ち切れない日常を送っていた。そんな彼女の日課は、通勤電車から理想の夫婦が暮らす一軒家を眺めること。その近くには、レイチェルがかつて夫と生活していた家もあり、元夫は新たな妻を迎えていた。ある日、彼女は理想の夫婦の妻が不倫しているのを目撃してしまう。思わずその家へ向かうレイチェルだが、途中で記憶をなくし、気づくと自室で血まみれになっていた。

不倫していたと思われる妻の失踪事件に、レイチェルがどんな関係があるのか? 時系列がシャッフルされ、アルコールによる記憶の不確かさもカギとなって、ストーリーは二転三転。しかしラストはすべてが回収されて、驚きの事実が明らかになる。『プラダを着た悪魔』や『クワイエット・プレイス』などのエミリー・ブラントが、あえて血色の悪いメイクで挑み、アルコール依存症のレイチェルをリアルに表現。他人の家を覗きたいという人間の本能を刺激しつつ、「思わぬ瞬間を目撃して大変なことになる」というサスペンスやミステリーの醍醐味を満喫させる一作。
 

 
傷ついた過去にケリをつけろ!

『ストレイ・ドッグ』
製作年/2018年 製作・脚本/フィル・ヘイ 監督/カリン・クサマ 出演/ニコール・キッドマン、トビー・ケベル、タチアナ・マズラニー

ニコール・キッドマンが凄みのある演技を披露!
17年前の潜入捜査の失敗で心に深い傷を負ってFBIを辞職したエリン。LA市警の刑事に転身した彼女だったが、酒におぼれ、愛娘にも避けられていた。そんなある日、殺人事件が起こり、17年前に取り逃がした強盗一味のリーダー、サイラスが再び動き回っていることを知った彼女は、その行方を追って必死に駆け回る。エリンには、何が何でもサイラスを倒さなければならない理由があった……。

“ストレイ・ドッグ”とは“野良犬”のことだが、そんなタイトルにヒロインの境遇を重ね合わせたハードボイルド・サスペンス。人生の意味を見失い、ボロボロになりながら、過去にケリをつけようとするヒロイン。現在の捜査と、17年前の事件の顛末を平行して描いたミステリアスな構成は、観る者の興味を引くに十分だ。一方で目をう奪われるのは、主演を務めたニコール・キッドマンの熱演。シワの深いメイクで、生きることに疲れ果てた女性像を作り出し、凄みを見せつける!
 

 
ニューヨークが舞台のサスペンス映画5選!

『トレイン・ミッション』
製作年/2018年 原案・脚本/バイロン・ウィリンガー、フィリップ・デ・ブラシ 監督/ジャウム・コレット=セラ 出演/リーアム・ニーソン、ベラ・ファーミガ、パトリック・ウィルソン、ジョナサン・バンクス

ニューヨークの電車内で起こるタイムリミットサスペンス!
リストラされたばかりの保険セールスマン、マイケル(リーアム・ニーソン)はどん底気分のまま、10年間通勤に利用してきた電車で帰路に。そんな中、見知らぬ女性から「電車が終点に到着するまでに、乗客から“ある人物”を見つけ出せ」との指示を受ける。家族を人質に取られたマイケルは、困難なミッションに挑まざるを得なくなるが……。舞台となる電車はニューヨーク中心部と郊外を結ぶラインで、マイケルが電車に乗りこむグランドセントラル駅から終点のコールドスプリング駅まで約1時間半。ハドソン川を望める景色のいい路線で、ちょっとした観光気分にも。各停車駅のおおよその位置関係を把握しておけば、タイムリミットサスペンスのスリルを一層味わえる。
 

 
ニューヨークが舞台のサスペンス映画5選!

『21ブリッジ』
製作年/2019年 原案・脚本/アダム・マービス 製作/アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ 監督/ブライアン・カーク 出演/チャドウィック・ボーズマン、シエナ・ミラー、ステファン・ジェームズ、J・K・シモンズ

ニューヨークの橋が物語の鍵に!
マンハッタンで強盗事件が発生し、銃撃戦の末に警察官8人が殺害される。警察官の父を殺された過去を持つ刑事デイビス(チャドウィック・ボーズマン)はマンハッタン島を全面封鎖し、犯人の行方を追うことに。しかし、事件の真相に近づいていく中、思わぬ事実が浮かび上がり……。逃亡犯を捕まえるため、マンハッタン島にかかる21の橋をすべて封鎖する作戦がユニーク。マンハッタンとブルックリンを結ぶブルックリン・ブリッジをはじめ、イーストリバー下流に架かるマンハッタン・ブリッジ、クイーンズとブロンクスを結ぶヘルゲート・ブリッジ、1日の交通量が世界一多いジョージ・ワシントン・ブリッジなど、ニューヨークのスポットの中でも橋に特化した展開が面白い。
 

 
傷ついた過去にケリをつけろ!

『プロミシング・ヤング・ウーマン』
製作年/2020年 製作/マーゴット・ロビー 製作・監督・脚本/エメラルド・フェネル 出演/キャリー・マリガン、ボー・バーナム、アリソン・ブリー

世の病巣をあぶり出す傑作!
主人公キャシーは医大で優秀な成績を収めていたものの、ある事件が原因となって中退し、カフェで店員をしている。ある事件とは、彼女の親友で、主席の成績を収めていた同級生がパーティのさなかで酔ったあげく、男子学生にレイプされたこと。カフェにやってきた当時の男子学生と偶然、再会したキャシーは彼との恋愛関係を育む一方で、レイプの主犯者の情報を集め、傷ついて世を去った親友の復讐に乗り出していく……。

ひとりの女性の復讐が、男性優位社会への抵抗へとつながっていく社会派リベンジムービー。成績優秀な女性に対する男性のやっかみや、それを解消するためのレイプ、それを隠ぺいするための権力、結局は女性にバカでいてほしい男権……といった社会構造に切り込み、世の病巣をジワジワとあぶり出す。現実を鋭く見据えたまなざしや、それを娯楽映画の枠に落とし込んだつくりが評価され、米アカデミー賞で5部門にノミネートされ、脚本賞を受賞。
 

 

文=斉藤博昭、渡邉ひかる、相馬学、米原とおる text:Hiroaki Saito、Hikaru Watanabe、Manabu Souma、Toru Yonehara
photo by AFLO
〈ジミー チュウ〉の香りが爽快派にウケている理由とは?
SPONSORED
2022.08.05

〈ジミー チュウ〉の香りが
爽快派にウケている理由とは?

仕事にも遊びにも全力で前向きな人は、自分らしいリフレッシュ法も心得ているもの。好きな本を読む、美味しいものを食べる、最近はサウナなども人気だろう。そのやり方は千差万別だが、なかでも手軽かつ効果抜群なのは“心地いい香りに包まれる”という方法…

TAGS:   Fashion
〈アウディ〉RS 3が都会派に選ばれる理由!
SPONSORED
2022.08.01

〈アウディ〉RS 3が都会派に選ばれる理由!

コンパクトで驚くほど速く、見た目もかなりいい。〈アウディ〉RS 3の魅力がそこにあるのは間違いない。ただしコレ、半分正解。確かに“RS”の名を冠するだけあって、息をのむようなパフォーマンスには心が躍り、精悍な見た目にもゾクゾクする。でも、…

TAGS:   Cars
クラフツマンシップが宿る〈コーチ〉の新作!大人のお洒落はバッグで印象が決まる!
SPONSORED
2022.07.29

クラフツマンシップが宿る〈コーチ〉の新作!
大人のお洒落はバッグで印象が決まる!

〈コーチ〉のバッグは、その佇まいからNYの香りが感じられ、手間と時間をかけたレザー製品にしか出せない風格が漂っている。新作のスポーツ カーフ コレクションもまさにそう。こんなバッグが似合う大人でありたい、と思わせてくれる秀作が豊富だ。しか…

TAGS:   Fashion
夏カジュアルに差をつける〈アルファ〉のイニシャルジュエリー!海上がりで断然映えるのはちょっと控えめなYG!
SPONSORED
2022.07.26

夏カジュアルに差をつける〈アルファ〉のイニシャルジュエリー!
海上がりで断然映えるのはちょっと控えめなYG!

素肌にパイルパーカ1枚、な~んて装いが海上がりのカラダには理想的。その胸元にさらりと加えたいのが、日灼け肌に映えるイエローゴールドのネックレス。とはいえ、これみよがしなトップはラフなカジュアルに似合わない。ならば、イニシャルジュエリーの〈…

TAGS:   Fashion
夏の日差しにも負けない〈オリス〉の新作ウォッチ!大人のTシャツ姿によく映えるあざやかカラーの腕時計!
SPONSORED
2022.07.25

夏の日差しにも負けない〈オリス〉の新作ウォッチ!
大人のTシャツ姿によく映えるあざやかカラーの腕時計!

高気圧が張り出し、ピーカンの青空。そんな日はTシャツが大人の男の正装だ。そして、そんな気取らない着こなしに必要になるのがさりげなく手元でリッチ感を添えるラグジュアリースポーツウォッチ! 時計としての真価を宿しながらもとびきりスタイリッシュ…

TAGS:   Watches

NEWS ニュース

More

loading

ページトップへ