女子高生カップルを救うのは売れない俳優たち!?『ザ・プロム』
『ラ・ラ・ランド』、『グレイテスト・ショーマン』など、ミュージカル映画は意外なほど大当たりするケースもある。中には苦手という人もいないわけではないが、歌&ダンスで素直にテンションがアガるし、日常と全く違った世界に入りこめるから楽しくなるのかも!? そんな映画の“鉄板”ジャンルであるミュージカルの魅力を極めた一作が、またしても出現した。
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『ザ・プロム』
胸熱なポイントは?
『Glee /グリー』を彷彿とさせる、テンションアガるミュージカルシーン!
主人公はインディアナ州に住む女子高生のエマ。卒業を祝うプロムに、同性カップルで参加しようとした彼女が、PTAらに猛反対をくらい、プロム自体が中止の危機になってしまう。そのニュースを知った、NYブロードウェイの俳優たちが、保守的なインディアナ州の町に乗りこんで、エマを応援。
“多様性”をテーマにした今どきの物語を、とことんポップに明るく映画化したのは、ドラマ『Glee/グリー』などのクリエイター、ライアン・マーフィー。もともと舞台で高く評価されていた作品なので、音楽は最高のノリ。頭の中でリフレインする名曲も多いうえに、高校生たちのナンバーは振付がかっこよく、自然と楽しくなっていく感じ。
ブロードウェイの俳優を演じるのは、メリル・ストリープ、ニコール・キッドマンら大御所スターたち。実は彼らも、新作が大コケするなどコンプレックスを抱えており、自虐ネタで笑いを誘うシーンも多数。一方で、周囲から反発にあっても前向きなエマのキャラは、観ているこちらにも勇気と元気を与える。
大統領選が証明したアメリカの分断やカルチャーギャップも含め、普通のドラマで描いたら、ちょっと白々しくなりそうな状況も、ミュージカルだと感動できてしまうから不思議! キャストたちの最高の“芸”を、明るい青春映画のムードとともに堪能してほしい。
『ザ・プロム』
製作・監督/ライアン・マーフィ 出演/メリル・ストリープ、ニコール・キッドマン、ジョー・エレン・ペルマン
2020年/アメリカ/上映時間131分
12月11日(金)より、ネットフリックスで配信。
※ヒューマントラストシネマ渋谷ほか一部劇場では公開中。