子役俳優の知られざる苦労に驚く!『ハニーボーイ』
日本でもハリウッドでも、多くの人をピュアな気持ちで魅了させるのが、天才子役。そんな子役の多くには、大人の俳優に成長する過程で過酷な試練が待つという。これは、コアな映画ファンならご存知かもしれない。幼い時期から大人の世界に放りこまれた子役たちは、どんな思いを抱いているのか? それは、この『ハニーボーイ』が痛々しくも、ドラマチックに伝えてくれる。
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『ハニーボーイ』
胸熱なポイントは?
シャイア・ラブーフの生い立ちに涙!
この映画、脚本を担当したのは『トランスフォーマー』シリーズなどで知られる、人気俳優のシャイア・ラブーフ。彼自身も子役でデビューしたので、これは半自伝的作品。つまり物語は、ほぼリアルってこと!
シャイアといえば、飲酒運転やバーでの乱闘、店内での立ちション(!?)、ブロードウェイの舞台を観に行って客席で大騒ぎなど、そのやんちゃっぷりでも有名。何度も逮捕歴があり、アルコール依存症の治療も経験。そう、まさにハリウッドの“お騒がせ”スター。
そんなシャイアは、この映画で主人公の父親を演じている。子役の息子を追い詰め、暴力もふるうというダメっぷり。ここまで自分と父親の真実をさらけ出すシャイアの覚悟はアッパレというほかない。
これは、12歳の主人公オーティスの子役としての日常と、アルコール依存症の更生施設に入った10年後が行き来する物語。特に子役時代は、撮影現場の実態や、オーティスが大人に誘われて手を染めるヤバい行為など、驚きのシーンがたくさん登場する。
演じるのが、『ワンダー 君は太陽』『フォードvsフェラーリ』で天才的演技を披露したノア・ジュプなのだが、ここまでハードな演技をやらされたら、トラウマになるのでは……と心配になるほど!
こう書いていくとシリアスな作品のようだが、ユーモアも多いし、やわらかな光を駆使した映像も実に美しい。全体に心地よいムードなのも、この映画の不思議な魅力だろう。
『ハニーボーイ』
監督/アルマ・ハレル 脚本・出演/シャイア・ラブーフ 出演/ノア・ジョブ、ルーカス・ヘッジズ 配給/ギャガ
2019年/アメリカ/上映時間95分
8月7日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー。
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