セクハラ事件の全貌に胸が締め付けられる!『スキャンダル』
『パラサイト 半地下の家族』で盛り上がった今年のアカデミー賞。この1点に話題が集中した中でも、実力派として存在感を示したのが、カズ・ヒロ氏の2度目のメイクアップ&ヘアスタイリング賞受賞だった。その受賞作品『スキャンダル』は、まさにメイクアップの“職人芸”に驚く作品になっている!
- SERIES:
- 今週末は、この映画に胸アツ!
- TAGS:
- 今週末は、この映画に胸アツ! Culture
『スキャンダル』
胸熱なポイントは?
“業界の暗部に立ち向かう女性たちの勇気!”
主演はシャーリーズ・セロンなのだが、いつもの彼女の顔と微妙に違う。モデルとなったのが実在の人物である、FOXニュースのキャスター、メーガン・ケリー。アメリカでは知らない人がいない有名人だ。
そのため、本人の顔にできるだけ近づけるべく、シャーリーズが自らカズ・ヒロ氏を指名。小さなパーツを駆使し、超ナチュラルな仕上げで変身。さらに、シャーリーズの素顔も残した絶妙な加減が、特殊メイクのエキスパートといわれる仕事だ。その結果、シャーリーズも演技力を発揮し、アカデミー賞主演女優賞ノミネートを果たした。
2016年、FOXニュースのベテランキャスターが、業界の帝王を訴えた。これきっかけに、深刻なセクハラが明るみに出るのだ。文字どおり“スキャンダル”な実話を映画化。
毅然と被害を訴えるキャスターもいれば、昇進のためにセクハラを受け入れてしまう若手も。業界の暗部をこれでもか、これでもかと、あぶり出していく。特にマーゴット・ロビーが演じる新人のケイラの屈辱的なシーンには、誰もが胸を締めつけられるはず。
すべて実名で再現し、しかも速攻でこうした映画を作ってしまうハリウッドの心意気にも感動してしまう。確かに男性目線で観たら、居心地の悪さは感じるかも。でも、だからこそ男性が“観るべき”映画なのである!
『スキャンダル』
製作・監督/ジェイ・ローチ 製作・出演/シャーリーズ・セロン 出演/ニコール・キッドマン、マーゴット・ロビー 配給/ギャガ
2019年/カナダ・アメリカ/上映時間109分
2月21日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー。
©Lions Gate Entertainment Inc.