やられたら倍返しする企業ドラマにアツくなる!『フォードvsフェラーリ』
“ル・マン24時間耐久レース”。その言葉を聞いてテンションがアガる人にとって、本作は必見中の必見。1966年のル・マンは、その後、語り継がれる伝説のレースとなった。それまで最強を誇っていたイタリアの〈フェラーリ〉に、アメリカの〈フォード〉が大逆転の勝負に挑んだからだ! この映画は、チャレンジャーの〈フォード〉側から、その伝説の一戦をドラマチックに再現していく物語。
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『フォードvsフェラーリ』
ムネアツなポイントは?
臨場感ある迫真のレースシーンにボルテージMAX!
主人公は2人。元レーサーで、心臓の病気のためにカーデザイナーとなったキャロル・シェルビー(その名は“シェルビー・マスタング”などで有名)と、イギリス出身の最速を誇るレーサー、ケン・マイルズ。ともに天才型だが、性格はまったく逆。
論理的で冷静なシェルビーに対し、直情型で、信念を絶対に曲げないマイルズ。観ているこちらも、どちらかに感情移入するのは確実だろう。ときには子供のようにケンカをしながらも、同じ目標を見据えて友情を育んでいく2人。彼らの姿に、心が揺さぶられない人はいないはずだ。
1960年代のモータースポーツ界が再現される本作は、工場からサーキットのシーンまで、当時のレースカーが大量に登場。クラシカルだが、今見てもかっこいいデザインの数々に目を奪われっぱなし。〈フォード〉と〈フェラーリ〉の間で進む買収劇や、重役と現場の対立など、“企業ドラマ”としての見応えもある。
もちろんレースシーンのスピード感、臨場感も満点。全編、抜かりのない仕上がりにも感動。余計な小細工や、妙な新しさを避けて、どこか古きよきハリウッドの風格を保った“男の映画”の魅力に浸ってほしい!
『フォードvsフェラーリ』
製作総指揮/マイケル・マン 製作・監督/ジェームズ・マンゴールド 出演/マット・デイモン、クリスチャン・ベール 配給/ディズニー
2019年/アメリカ/上映時間153分
1月10日より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
©2019 Twentieth Century Fox Film Corporation