2026.05.29 NEW
『マテリアリスト 結婚の条件』セリフの数々が心に沁みる大人の恋愛ドラマ!
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ここ数年、ハリウッドの劇場公開作で減少気味なのが、人間ドラマやラヴストーリー。かつては名作が次々と生まれたこのジャンル。裏を返せば、公開される作品は貴重だからこそ、観るべき価値があるということ。この『マテリアリスト 結婚の条件』は、最高のキャストでその法則を証明する。
主役は女性で、恋愛の相手となるのは、タイプがまったく違う2人の男性。簡単に言えば三角関係のドラマで、この設定はロマンティック・コメディで何度も描かれてきた“王道”のもの。多くの人が、すんなり入り込めるのではないか。ユニークなのは、本作の主人公ルーシーの職業。結婚相談所で働き、“天性の婚活カウンセラー”と評価されている。そんな彼女が、リッチな投資家のハリーと出会い、ついに自分自身の幸福を掴むかと思いきや、元カレのジョンへの愛がまだ完全に消えておらず……という物語。ジョンは、俳優志望で収入が不安定な身。他人を結びつけることにはプロフェッショナルなルーシーが、自分の運命にはどう対処するのか。監督のセリーヌ・ソンは、アカデミー賞作品賞ノミネートされた前作『パスト ライブス/再会』でも、1人の女性×2人の男性の関係を見つめた“達人”なので、今回も名セリフの数々で、それぞれの心の機微を描いていく。
ルーシー役のダコタ・ジョンソンは、トップスターらしいオーラ全開で、時代が違えば“ラブコメの女王”と称されたであろう絶妙演技を貫徹。そしてクリス・エヴァンスが、当たり役のキャプテン・アメリカと真逆の、やや頼りない、それでも人間性に溢れたジョンを好演し、現在ヒット中の『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』では主人公なのに素顔をほとんど見せないペドロ・パスカルが、ハリー役で複雑な感情を表現する。3人のケミストリーが、本作の大きな見どころだ。その他にも、結婚相談所ならではの驚きのエピソードや、舞台となるNYのカルチャーでも存分に楽しまる一作。女性側が職業柄か、ついつい“打算”で結婚を考えてしまう一方で、男性側は自分の本心に正直になって、損得や未来のことを後回しにしてしまったりと、観る立場によって共感ポイントが変化するのも、この映画の魅力かもしれない。
『マテリアリスト 結婚の条件』5月29日公開
監督・脚本/セリーヌ・ソン 出演/ダコタ・ジョンソン、クリス・エバンス、ペドロ・パスカル 配給/ハピネットファントム・スタジオ2025年/アメリカ/上映時間116分
文=斉藤博昭 text:Hiroaki Saito
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