『マッドマックス:フュリオサ』は異常レベルの演出が全編にわたって展開する!
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2024年公開の中で、映画ファンの多くが期待値トップに挙げている作品。そのひとつが『マッドマックス:フュリオサ』なのは間違いない。9年前の2015年、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は人気シリーズ30年ぶりの復活というだけでなく、タイトルどおり“MAD=狂気”のレベルが予想をはるかに超え、世界中を熱狂の渦に巻き込んだ。その興奮がどう甦るのか!?
今回は『怒りのデス・ロード』で鮮烈なインパクトを残した大隊長フュリオサの物語。金属の義手を武器に戦い、短く刈り込んだ髪、そして目の周りを真っ黒に塗った外見で、主人公のマックスと同じく、ほとんど言葉を発しない。砦の支配者、イモータン・ジョーに囚われた女性たちを脱出させる彼女の勇姿に誰もが惚れぼれした。このフュリオサには、いったいどんな過去があったのか。少女時代にさかのぼり、激烈ともいえる運命が展開していく。『怒りのデス・ロード』でも少しだけほのめかされたが、フュリオサの故郷は“緑の地”と呼ばれ、“マッドマックス”の崩壊した世界の中ではオアシスのような場所。そこでの少女時代にフュリオサが見舞われる事件から、本作はエンジンがフルスロットル。イモータン・ジョーと覇権を争う暴君のディメンタス将軍という強烈な新キャラも登場し、われわれはまたしてもMADな戦いに没入させられる。
ひたすら奇抜で豪快、突き抜けたノリの『怒りのデス・ロード』とはやや違って、本作はフュリオサのドラマに重点が置かれた印象。基本は彼女の“復讐”にフォーカスするのだが、これは1979年の1作目『マッドマックス』に近い。つまりシリーズの原点回帰でもある。もちろんアクションシーンでは、異常レベルの演出を用意。フュリオサがバイクでウォー・タンク(タンクローリー)の下部に突っ込むことからはじまる15分にもおよぶ走行スペクタクルに“これが観たかった!”と9年ぶりに歓喜する人が続出するはず。若き日のフュリオサを任されたのは、ハリウッドで最も勢いのあるアニャ・テイラー=ジョイ。子供時代はそっくりの子役が演じており、どのシーンからアニャに変わったのかわからないほど自然な流れなのも見事だし、その眼力(めぢから)で観る者すべてを虜にする。そしてディメンタス役のクリス・ヘムズワースもローマ皇帝のような外見で“オレ様”ぶりを発揮。『アベンジャーズ』のソー役と比較したくなる。最高のキャストによってアップデートされた「マッドマックス」の世界を大スクリーンで体感してほしい!
『マッドマックス : フュリオサ』5月31日公開
製作・監督・脚本/ジョージ・ミラー 出演/アニャ・テイラー=ジョイ、クリス・ヘムズワース、トム・パーク、ラッキー・ヒューム、リー・ペリー 配給/ワーナー・ブラザース映画
2024年/アメリカ/上映時間148分
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