映画『イコライザー THE FINAL』は凄みの増した主人公にひたすら圧倒される!
- SERIES:
- 今週末は、この映画に胸アツ!
- TAGS:
- 今週末は、この映画に胸アツ! Culture Cinema
トム・クルーズ、キアヌ・リーヴスなど、年齢を重ねながらアクション俳優としての魅力をアップデートさせているスターが目立つ今日この頃。彼らよりさらにひと回り上のこの人も、忘れてはならない。デンゼル・ワシントンだ。彼にとって唯一のシリーズ、つまり当たり役が『イコライザー』である。
3作目となる『イコライザー THE FINAL』はタイトルが示すとおり、シリーズ最終章となる可能性が大。デンゼルが演じる主人公ロバート・マッコールは、妻を亡くし、ホームセンターの従業員として働く寡黙な男(1作目)。しかしその素顔は元CIAのトップエージェントで、類まれな瞬発力と判断力で相手を倒す“仕事人”だ。
2作目ではタクシー運転手だったマッコールも今回はイタリアの小さな田舎町で余生を送ろうとしていた。しかし凶悪なテロを企てる組織の暗躍に気づき、最後の仕事だと決めて立ち上がるのだった……。わずか19秒で相手を倒すのがマッコールの流儀だが、今回は9秒で始末するシーンも登場。そのキレ味にはさらに磨きがかかり、熟練のテクニックが集大成のように発揮される一作になっている。
イタリアのシチリア島での冒頭から背筋も凍るような光景が展開。マッコールの登場シーンも衝撃的で、デンゼルの表情の凄みには誰もが圧倒されるはず。その反面、イタリアの町での住民たちとの交流ではユルみまくった顔を見せ、名優の表現力の幅に感心してしまう。
監督はシリーズ全作を手がけ、デンゼルの盟友でもあるアントワン・フークアなので、要所でのマッコールの動き、その見せ方に一切のムダがない。最近のアクション映画は何かとせわしない演出が詰め込まれていたりするが、どっしりと構えて見せ場を用意する本作のアプローチは、逆に新鮮かも。
そして感動という意味でも、終盤にシリーズで最も心に染み渡る瞬間が用意される。さりげない描写なので前2作の人間関係をさらっと予習しておくと良さそう。デンゼルも来年(2024年)には70歳。本作でマッコールが次世代に託そうとする信念は、デンゼルの俳優のキャリアと重なって感慨深い。
『イコライザー THE FINAL』10月6日公開
製作・出演/デンゼル・ワシントン 製作・監督/アントワーン・フークア 出演/ダコタ・ファニング、デヴィッド・デンマン 配給/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
●noteでも映画情報を配信しています。フォローよろしくお願いいたします!
https://note.com/safarionline