ネットフリックス『ディープブレス 呼吸、深く』でわかるフリーダイビングの過酷さ!
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映画ファンの楽しみのひとつは、何気なく観た新作によって、かつて深く感動した作品の記憶が甦ったりすること。2023年のこのドキュメンタリーは作品自体の見ごたえもスーパー級なのだが、あの名作が脳裏に浮かび、感動が倍増するポテンシャルを秘めている!
1988年に公開された『グラン・ブルー』(日本での最初の公開では『グレート・ブルー』というタイトル)は、フリーダイビングの記録に挑む2人の男の友情を描き、主人公の1人、ジャック・マイヨールが最後にどうなったのか想像力を刺激。多くの人に愛される作品となった。フリーダイビングとは、酸素ボンベなし、つまり無呼吸状態でどこまで深く潜れるかを争う競技。深さへのこだわりあもちろん、水面までの復路も計算し、無酸素での失神のリスクにも備える。時間との闘いであり、つねに死と隣り合わせの過酷さが待ち受けているのだ。本作では限界に挑むイタリアの女性ダイバー、アレッシア・ゼッキーニにフォーカス。実際にダイバーが撮った映像によって、水面の明るさが水深100mで真っ暗と化す恐怖、さらに水面に戻ってくるも気を失いかけているダイバーの生々しい表情など、全編に目を疑う瞬間が詰まっている。
女性としての世界記録をめざすアレッシアの最大のライバルが、日本人ダイバーのHANAKO(廣瀬花子)。このあたりは日本人のわれわれとしても一気に親近感がアップ。そして本作は、緊急時に水中でサポートする救助ダイバーも登場し、その1人、スティーヴン・キーナンとアレッシアの関係は、思いもよらぬエモーショナルな運命へと導かれていく。
さらにエベレスト登頂より危険とされる、サンゴ礁の穴、ブルーホールを抜けるチャレンジなど、ドキュメンタリーの醍醐味がぎっしり。インタビューに答えるアリッシアの父が、名前がエンゾ(『グラン・ブルー』でのジャン・レノの役名)だったりするし、ダイバーたちの本能、海中映像の美しさなどで、『グラン・ブルー』をもう一度観たくなるのは確実。そして、それこそが映画ファンの喜びというもの!
『ディープブレス 呼吸、深く』ネットフリックスで配信中
監督・脚本/ローラ・マクガン 共同監督/ロバート・フォード
2023年/アイルランド・イギリス・アメリカ合作/視聴時間110分
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