【試乗】〈MINI〉JCW×スポーツトレーナー中野崇:スリルを求める人にぴったりなクルマがある!
日々競争社会で頑張っている人こそ息抜きが大事。となると、週末はのんびりと過ごす!? いやいや。実は、本当に求めているのは“心の解放”のはず。“なにもしない”もいいけれど、爽快でスリリングな体験を味わってこそ「英気を養える」ってこともある。で、そんな手に汗握る”息抜き”にうってつけなのが、最もスポーティな〈MINI〉として名を馳せる“ジョン・クーパー・ワークス”だ。速さが売りのクルマはいくつもあるが、このモデルは話が別。強靱な“心臓&足回り”が生み出す卓越した運動性能は、「押し寄せるスリルそのもの」といっていい。そして、そんなハイパフォーマンスカーを、プロアスリートのパフォーマンスアップを手掛ける達人がドライブしたら一体どうなるか? リアルで興味深いインプレッションが飛び出した!
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中野 崇さん
JARTA代表。「日本人には日本人に適したトレーニングがある」として、物理学を根底としたトレーニング理論を提唱。ほかにも、バイオメカニクス・理学療法・武道など、多岐にわたる分野から導き出されたストレッチとトレーニングで指導を行う。現在まで、プロ野球、プロサッカー、五輪メダリストなど20種目以上のトップアスリートを指導。
見るからに挑戦的なフォルムがスリルを誘う!
2020年にディテールがブラッシュアップされ、ファッショナブルなルックスと安全性、快適性がさらに向上した〈MINI〉クロスオーバー。なかでもスポーティなエクステリアと充実のパワートレインを搭載する4WDバージョンが、このジョン・クーパー・ワークス クロスオーバー(以下JCW)だ。走り出した瞬間から感じられる確かなスタビリティ。そしてステアリング直結とも思えるクイックなレスポンス。さらにどこまでも軽やかに伸びるMINI ツインパワー・ターボ・エンジンの力強さは、ドライビングプレジャーをダイレクトに感じさせる特別なもの。さすが、多くの著名アスリートを育ててきた中野さんは、このJCWの力強い佇まいとポテンシャルにすぐに反応した。
前面から感じられる挑戦的なフォルム!
「車体全体から筋肉がギュッと詰まった密度の高さを感じます。無駄がなく必要な部分だけ削ぎ落とした理想の肉体美に近い印象です。といっても肩肘張ったような威圧感はなく、ナチュラルに秘めたパワフルさに、眺めていて好ましいものがありますね」(中野)
大型エアインテークから窺える吸気性能のよさ!
大型のエアインテークは、効果的に走行風を取り込みターボに空気を送り込むだけでなく、ブレーキにもクールエアを導きストッピングに貢献する。「実はアスリートにとって呼吸は“技術”のひとつなんです。効率よい吸気は心肺機能に作用しますし、メンタルへの影響も関係します。呼吸が浅いとアスリートのパフォーマンスはどうしても落ちてしまいますから。この大型エアインテークを見ただけでも、スリリングな走りが期待できそうです」
頼れるのは圧倒的な制動力!
出力を飛躍的に向上させたジョン・クーパー・ワークス クロスオーバーには、306PS/450Nmのパワートレインに合わせ、専用の4ピストン・ブレーキキャリパーが備えられている。「足回りにしっかり感があると、見た目もいいですし安心して走りが楽しめます。レース仕様ともいえる19インチ JCW サーキット・スポーク・ホイールとの相乗効果で、力強いドライビングが想像できますね」
ツインエキゾーストパイプによる骨太サウンド!
2本出しのマフラーからは重厚なエキゾーストノートが奏でられる。明らかにデザインされたエンジンサウンドであり、アクセルを踏み込むことで高揚感も倍増する。「気分をアゲたいときにはアスリートも積極的にお気に入りの曲を聴いたりします。JCWが放つサウンドは、さながらご機嫌な“洋楽”といったところでしょうか」
果たしてJCWの走りとは?
個性と迫力にあふれたジョン・クーパー・ワークス クロスオーバーの車体をチェックした中野さん。お次は待望の実走行にトライ。はやる気持ちを抑えて本線に流れ込んだ。
まずはその直線道路でJCWの真骨頂である2.0ℓ直列4気筒MINIツインパワー・ターボ・エンジンを唸らせる。短いストレートでもシートに背中が押し付けられる圧倒的なパワーフィールを体感したようだ。実は5人のキッズを育てているパパの顔を持つ中野さん。普段は家族のためにミニバンを運転しているとか。しかし、非日常とでもいうべきJCWの運動性能に出合って、素直に驚いた表情を見せた。
「凄いですね! ビックリするくらい速いんですが、意外に余裕をもってドライビングできるんですね。普段は居住性に余裕あるワンボックスで移動していますが、その余裕とは意味が違います。こういうスポーツカーで気持ちを解放してやると、いい気分転換になりそうです」
2.0ℓMINIツインパワー・ターボ・エンジンは、最高出力306PS、最大トルク450Nm
タフな“心臓”を持つJCWは、山道をモノともせず、グングン駆け上がっていく
8速ステップトロニックATはパドルシフト付きトランスミッション。なめらかで途切れのないパワフルな加速が堪能できる
「パワフルですが非常に安定しているので、心からドライビングが楽しめます」。握り心地も考慮したナッパ・レザー製の専用ステアリング。確実なホールド機能と快適性を備えたシート。スポーツドライビングを楽しむすべてがこのJCWには揃っている
一度ドライビングスピリットに火がついてしまったら、その高ぶりは簡単には収まらない。次々とコーナーを駆け抜けワインディングをじっくり堪能する中野さん。そしてJCWの“お楽しみ”であるスポーツモードに切替え、さらに走り込みを続行。
「高回転域まで引っ張ると、独特のエンジン音やエキゾーストノートと相まって、アドレナリンがこぼれ落ちそうになりますね」
また、コーナーの安定したドライビングフィールにも強い感銘を受けたようだ。
「比べようがないでしょうが、ミニバンはコーナーリングでどうしても振られがち。でも、このJCWはしっかり路面を掴んでブレずに曲がっていきます。そう、まるでゴーカートのような感覚で駆け抜けるので、とってもスリリングですよ。足回りのほか、ボディ剛性、つまり体幹もしっかりしているんでしょうね。スプリント競技の選手なども走行時に頭がブレてしまうとスピードが伸びません。クルマと人間の意外な共通点を感じました」
グリップ力、安定性、制御性能などを向上させた熟成の4WD は、実走によりダイレクトに体感できるもの。スポーツサスペンションと相まって、そのハンドリングはまさにスリリングなレース気分!
集中したスポーツ走行の後は、流すようにゆったりモードにてJCWの上質感や充実した装備に目を向ける中野さん。特に気に入ったのがシート。ダイナミカとレザーのコンビによるシートは、これまでにないホールド感が特に印象に残ったようだ。
「コーナーを攻めるような走りのときは、やっぱりカラダに重力がかかります。ところがこのクルマのシートは腰がぴったり収まる仕様なので、余計に力むことなく運転できました。また、ドライビングに集中すると速度も気になります。このクルマはヘッドアップ・ディスプレイでも速度表示してくれるので、アチコチ目線を動かさずにすむのも秀逸ですね」
さらに、センター・ディスプレイを囲むようにレイアウトされたカラフルなアンビエントライトも楽しい工夫だと評価した。
視認性に優れたセンター・ディスプレイで状況の判断も的確に。スポーツモードでは赤く光るなど、モードによってカラーが変わるアンビエントライト。エンターテインメント性もJCWの個性のひとつ
「革巻きのステアリングやステンレス製のフットペダルなど、細かい装備にもこだわりがしっかり貫かれていて、いいですね」。こうしたディテールがドライビング気分をいっそう高めてくれる
いま、JCWを手に入れる意味とは?
ワインディングをひととおり走り尽くし、満足そうな表情を浮かべてパーキングエリアに戻ってきた中野さん。今までにないドライブ体験を経て、ひとつの可能性が浮上してきたと話し出す。
「自分がこれまで日常的に乗ってきたのは、いわゆるファミリーカーです。つまり、こういったスポーツ性能に特化したパワフルなクルマを運転するのは今回がほぼはじめて。今までクルマは移動手段ととらえていたのですが、その考え方はJCWによってガラッと変わりました。スリルあふれるドライビング自体を楽しむことが、クルマを所有する理由になるんですね」
「とにかく加速と足回りが最高です。プライベートな空間のなかで過ごせるクルマは以前から好きで、よく遠出もしてきました。ですが、JCWなら、それに加えて走る楽しみもプラスできます。自分の思いどおりにドライブすることがこれほどスリリングだとは本当に知りませんでした。見た目も非常にスポーティで刺激的。この1台を手に入れたら、ちょっとライフスタイルが変わるかもしれませんね」
ワインディングをスリリングに駆け抜ける爽快感は、予想を数段超えるものがあったという。そういったことを味わうには、クルマ自体のスペックがなにより重要だと痛感したそうだ。
「山道をモノともしないタフな心臓を“エンジン”とするなら、確実に走りきる脚は、そのまま“足回り”といえるでしょう。JCWは確かにそれが過不足なく揃った1台。まさにスポーツトレーナーの僕から見ても、一流のアスリートなクルマだと感じました」
数々のアスリートのパフォーマンスアップを手掛けてきた中野さんを唸らせた〈MINI〉ジョン・クーパー・ワークス クロスオーバー。ちょっとした時間でも心躍る走りが楽しめるこの1台は、まさにスリルを求める人にぴったりといえそうだ。
ホールド性抜群のスポーツシート。 ダイナミカとレザーのコンビによるシートは機能性に加え高級感も備え持つ
視認性に優れたマルチ・ディスプレイ・メーター・パネル。ラウンドモチーフを基調にしたモダンなインテリアは〈MINI〉ならでは
ドアの下には“JOHN COOPER WORKS”のエンブレムが配される。こういったJCWならではのディテールが所有欲を満たしてくれる
“JOHN COOPER WORKS”のエンブレムがバックビューをさりげなく引き締める
専用の4ピストン・ブレーキキャリパーもJCWのネーム入り。レーシングな雰囲気を高めている
トランクもかなりの容量が入るので、旅行やショッピングにも有効
★DATA 〈MINI〉ジョン・クーパー・ワークス クロスオーバー
●全長×全幅×全高:4315×1820×1595mm
●車両重量:1670kg
●ホイールベース:2670mm
●エンジン:2.0ℓ直列4気筒MINIツインパワー・ターボ
●最高出力:225kW(306PS)/5000rpm
●最大トルク:450Nm/1750~4500rpm
●トランスミッション:8速オートマティック
●駆動方式:四輪駆動
●税込み価格:606万円~
※掲載の車両は、現在販売中のモデルとは仕様が異なる場合があります。
詳しくはお近くのMINI正規ディーラーまでお問い合わせください。
●MINIカスタマー・インタラクション・センター
TEL:0120-3298-14
●中野さん着用アイテム
ブルゾン1万890円、Tシャツ3300円、パンツ1万5950円、シューズ1万4300円(すべてニューバランス/ニューバランスジャパンお客様相談室)、サングラス4万1800円(ワンスリー コンパウンド フレーム/デュアル)、ネックレス1万7600円(シンパシー・オブ・ソウル/S.O.S fp 恵比寿本店)、腕時計96万8000円(ゼニス)
●中野さん着用アイテム問い合わせ先
ニューバランスジャパンお客様相談室:0120-85-7120
デュアル:03-6455−4690
S.O.S fp恵比寿本店:03-3461-4875
ゼニス:03-3575-5861
photo :Shungo Tanaka(MAETTICO) styling:Issei Inada hair & make-up:TOYO text:Tsuyoshi Hasegwa(TRS) composition:Hiroyuki Horikawa