まだ買える、3.5ℓV6の凄いヤツ! 〈ロータス〉エミーラ
まさに今、有史以来の大転換期に差しかかっているんだということを、ここ数年でひしひしと実感するようになってきた。もちろんクルマ界隈の話だ。当コラムでも“最後のエンジン”とか、“最後のスポーツモデル”とか、やや感傷めいた表現をせざるを得なかったモデルもある。だけどいいですか、ここのところをよ〜く考えてほしいんだけど、そのたびに言っているとおり「まだ買える」。そう、まだ買えるんですよ、みなさん! 今回ご紹介するクルマもまさにそれに当てはまる。〈ロータス〉エミーラだ。
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まずはこのルックスだ。〈ロータス〉は近年、コンパクトなスポーツカーを世に送り出してきたブランドだけど、その系譜をさらにマッチョかつ近代風に仕立て上げた、とでも言おうか。単にライトウエイトなだけではない、このエミーラはそこはかとないゴージャスさも感じさせる仕上がりになっている。
全長4413×全幅1895×全高1226㎜。さらにホイールベース2575㎜の寸法に、エアロダイナミクスを感じさせる有機的なボディデザイン。“まさにスポーツカーを視覚化したらこんな感じでした”的な、ドンズバなルックスに萌える。それだけじゃない。搭載されるのは3.5ℓV6のスーパーチャージドエンジンと6速MTの組み合わせだが、オプションでパドルシフト付き6速ATも選択できるというからここはお好みで。最高速度は288㎞/h、最高出力405ps、最大トルクは420Nmを発生させるけれど、車両重量が1405㎏〜ということを考えると、その加速の爆発感に期待が沸き立つというものだ。
身をかがめるようにして低いシートに乗り込むと、あっと驚く仕掛けがあった。インテリアがかなりデジタライズされているのだ。そう、冒頭に述べたとおり〈ロータス〉はこのエミーラを最後に、ラインナップをすべて電動化することを発表している。それを示唆するかのような風景がコックピットに用意されていたのだ。標準でフルデジタルのインパネが用意され、シートアジャスターも電動に。さらにシート自体もふんわりと優しい感じになっている。
そう、このシートから連想されるように、いざ運転をはじめると、その勇ましすぎるスペックと見た目に反して、運転感は至極ラグジュアリーでフレンドリーなことに驚いた。6速のMTはクラッチペダルこそ驚くほどに重いけれど、その重さにおののきつついざ走り出せば、シフトのストロークはゆったりと長めで、出力もガツンと蹴られるようなというほどではなくマイルド。なによりもサスペンションがしっとりとしなやかで、もしかしたら〈ロータス〉史上最も乗りやすいモデルなのではと思うほどだ。むろんエミーラはエヴォーラの事実上の後継。スパルタンだった過去の〈ロータス〉と無意識に比べてしまうのは仕方ないにせよ、この扱いやすさと俊敏さのバランスにブランドの成熟を感じる。しかしこの感想から、もし、つまらなさを連想しているならそれは間違いだから安心してほしい。独特の接地感と張りつき感に、クイックなハンドリングとペダルフィールはまさに同社のセオリーそのもの。そこに現代風の快適性が足されたと思ってほしい。最後のV6にふさわしい、エレガンスを感じられるから。
★DATA 〈ロータス〉エミーラV6ファーストエディション
●全長×全幅×全高:4413×1895×1226㎜
●車両重量:1405㎏
●ホイールベース:2575㎜
●エンジン:3.5ℓDOHCV型6気筒スーパーチャージャー
●最高出力:298kW(405PS)/6800rpm
●最大トルク:420N・m(42.8㎏m)/2700~6700rpm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:後輪駆動
●税込み価格:1573万円
※諸元はすべてイギリス本国発表値
●エルシーアイ
TEL:03-5754-0805
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