感激の1台! 〈ルノー〉アルカナ R.S.ライン マイルドハイブリッド
のっけから私事で恐縮だが、自動車評論家という稼業ゆえ、常日頃からニューモデルに乗り倒す生活をしている筆者である。そんな中、ごく最近ステアリングを握ったクルマのうち、鮮烈にドライブフィールがよく、感激した1台をご紹介したい。〈ルノー〉アルカナだ。「いやいや知ってますよ、F1由来のメカニズムを誇る、欧州唯一のフルハイブリッドモデルでしょ?」な〜んておっしゃる読者諸兄。もちろんその答えは正しい。だけど、昨年末に早くも新しいパワートレインが追加されたのをご存知? それが〈ルノー〉アルカナ R.S.ライン マイルドハイブリッドだ。
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競合ひしめく流行のCセグSUVの中で、ひと際異彩を放つアルカナ。まずは〈ルノー〉らしい、辛口な強めエクステリア&インテリアが魅力だ。特徴的なCシェイプのヘッドライトに、メタリック多用のフロントデザイン。クーペライクに、リアエンドに向けて大きく傾斜したルーフライン。長いホイールベース。見た目からしてフレンチな個性を感じさせる、独特の存在感だ。
インテリアも辛口。一見、シンプルに見えるが、いざ使ってみると実直に作り込まれたそれらは、きちんとユーザビリティに基づいて設計されていることがわかる。つまり、意外なほどに手に馴染んで使いやすいのだ。“モノ”を愛する、フランス流の空間づくりの美学が注ぎ込まれていると感じる。
さて、以前当コラムでもご紹介したとおり、フルハイブリッドのアルカナは最高だ。このルックス、そして〈ルノー〉を体現したかのようなシャープな加速、機敏なハンドリングにワンタンク1000kmを走破する低燃費。ハイブリッド大国日本に真っ向勝負を挑んだアルカナは、日本のフルハイブリッドとは明らかに性格を異にしている。
しかし、複雑なシステム上、価格としてはそれなりに高価だ。そんな折に登場したマイルドハイブリッド。もしや廉価版としてモデル拡大のために苦肉の策で導入されたオマケパワトレ? と思いきや、乗り出してすぐにそれが大きな誤解だと言うことに気づいて、思わず背筋を正し、ハンドルを握り直したほど。実はハンドリングだけでいうと、このマイルドハイブリッドの仕上がりは、フルハイブリッドを凌駕すると言ってもイイ。
システムとしては、すでに同社のコンパクトモデルであるルーテシアやキャプチャーでもおなじみの1.3ℓ4気筒直噴ターボエンジンに加えて、補助モーターと12Vの小さなリチウムイオンバッテリーを備える。12Vだから、モーターの走行域はなく、スターターを押せばいきなりブルンとエンジンが回る。減速時に発生したエネルギーを12Vバッテリーに貯め、それを発進や加速の際に使用するのだが、このモーターのサポートがターボエンジンにさらにブーストをかけて、とにかく加速がなめらかでトルキーなのだ。
胸のすくような加速に貢献しているのは、フルハイブリッドに比べてマイナス90kgという、ボディの軽さということもある。これによってコーナーでの鼻先の入りや身のこなしが文字どおり軽やか。中〜高速の加速の伸びも、体感的にフルハイブリッド以上!
むろん燃費はフルハイブリッドに劣るが、それでもWLTCモードで17.0km/ℓとなかなか。さらにフルハイブリッドモデルよりも30万円安いプライスタグ。う〜ん、これは迷うヤツが出てきてしまった。
★DATA 〈ルノー〉アルカナ R.S.ライン マイルドハイブリッド
●全長×全幅×全高:4570×1820×1580㎜
●車両重量:1380kg
●ホイールベース:2720㎜
●エンジン:1.3ℓ直列4気筒DOHCターボ
●最高出力:116kW(158PS)/5500rpm
●最大トルク:270N・m(27.5kgm)/1800rpm
●トランスミッション:7速オートマティック
●駆動方式:前輪駆動
●税込み価格:399万円
●ルノー・コール
TEL:0120-676-365
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