新型ゴルフの裏王道!? 〈フォルクスワーゲン〉ゴルフTDI
立派な体躯を誇るSUVや、ゆったりしたラグジュアリーセダンもいいけど、コチョコチョとハンドリングを楽しめるようなコンパクトハッチに心惹かれる日もある。特にちょっと銀座に所要でとか、ちょっとオフィスまで書類出しに、な〜んて気楽な気持ちで出かける日。駐車場とか取り回しに難儀するようなデカいボディは、お出かけ心に億劫さが差してしまうというか。そんなときにもサラッと乗り出せるどころか「じゃ、まあついでに遠回りして帰ろうかな」と、心にギアが入るかもしれないハッチバックをご紹介したい。 〈フォルクスワーゲン〉ゴルフTDIだ。
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昨年フルモデルチェンジを果たし、8代目に生まれ変わった〈フォルクスワーゲン〉ゴルフ。ガソリンエンジンモデルが電動化され、したがってGTIもハイブリッド化。と、当連載でも数度にわたってお伝えしたほどにニュースの多かったゴルフだけれど、コチラのTDIも実は、語らずにはいられない出来なのだ。
TDI、ということでコチラはディーゼルエンジン搭載モデル。だが、個人的には「実はコレが本命かも」と思うくらい、走りが抜群にいい。
搭載されるのは新開発(!)の直列4気筒ディーゼルターボエンジン。そう、ディーゼルゲートで知られる同社だけれど、その汚名を完全に晴らすべく、こんな電動化時代のさなかにピュアなディーゼルエンジンを新規導入してきたのである。
最高出力は先代と変わらず150ps。しかし、最大トルクは大幅に向上した。340Nmから360Nmへ。このトルクの拡大が、アクセルを踏む足をグイグイと誘うというワケ。
しかし、誤解してほしくないのは、決して出足からヘッドレストに頭を押しつけられるほどのピーキーな発進を見せるような、粗雑な味付けではないということ。ちゃ~んと最初はジェントルに優しく、そして超低速から中速、さらに高速までと、パワーの繋がりが驚くほどシームレスで洗練されているのだ。
特に超低速域での“トルクの芯”とでも言おうか、スカスカするような虚しさがなく、踏力に対して加速力が十分に叶えられているところには拍手すらしたくなるほど。トランスミッションとのマッチングもよく、ディーゼルエンジン特有の、みっちりとした加速を存分に味わうことが出来るのが嬉しい。
試乗シーンは箱根だったのだが、ここで見つけたもうひとつの利点は燃費のよさ。一般道でも15km/ℓオーバーのアベレージを見せたが、タフな登坂でも12km/ℓを超える実測値に感激してしまった。
静粛性の高さも期待値以上なうえ、もちろん第8世代ゴルフといえばの美しいインフォテイメントも楽しめる。ここだけのハナシ、走りが好きならTDIでというのが新型ゴルフの裏王道!?
★DATA 〈フォルクスワーゲン〉ゴルフTDI アクティブ アドヴァンス
●全長×全幅×全高:4295×1790×1475mm
●車両重量:1460kg
●ホイールベース:2620mm
●エンジン:2.0ℓ直列4気筒DOHC インタークーラー付きターボ
●最高出力:110kW(150PS)/3000~4200rpm
●最大トルク:360Nm(36.7kgm)/1600~2750rpm
●トランスミッション:7速オートマティック|
●駆動方式:前輪駆動
●税込み価格:398万9001円~