ユーグ・ボネ・マザンベール/リモワCEO
理想の旅に立ち合う存在であり続けるために。
創業125周年を記念し、世界の複数都市で順次開催中のアニバーサリー展“SEIT 1898(ザイト 1898)”が話題を集める〈リモワ〉。会場では革新的なトラベルバッグの数々が展示され、絶えず変化してきた交通手段や旅の様式に合わせ、進化してきたブランドであることを物語っていた。125年に及ぶ歴史の中で、〈リモワ〉が原動力にしてきたものとはなにか。ユーグ・ボネ・マザンベールCEOに聞いた。
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「〈リモワ〉は、クラフトマンシップを第一に考え、常に現状を打破することを恐れない信念を貫いたことで、125年もの間、信頼されるラゲッジブランドであり続けてきました。それを象徴するのが、アルミニウム製スーツケースです。ブランドは木製ケースの製造からはじまりましたが、創業者の息子のリヒャルト・モルシェックは変化に適応することから逃げずに全く新しい素材とクラフトマンシップを融合させ、それが史上初の軽量アルミニウム製スーツケース誕生に繋がった。その精神が、あらゆる側面で私たちを進化させ続ける原動力になっています」
今、向き合っている変化とはなにか。
「私たちは、パンデミックが現代の旅行観に大きな影響を与えるのを目の当たりにしてきました。同時に、環境問題の影響を目の当たりにし、新しい世代が持続可能な考え方を強化しなければいけないことを感じています。今後、旅はより目的を持ったものになるかもしれません。こうした私たちを取り巻く世界や旅行者の声に耳を傾け続け、進化していくことはこれまでと変わりません」と語るマザンベール氏。そして、「どんな旅であっても〈リモワ〉が“最高の旅の友”でありたい」という願いも熱く語ってくれた。
photo : Hiroki Nakayama(IL NIDO. STUDIO) text : Takumi Endo