レンツォ・ロッソ/OTBグループ創業者兼プレジデント
多くのブランドを押し上げる、発展哲学とは?
〈ディーゼル〉〈ジル サンダー〉〈メゾンマルジェラ〉〈マルニ〉〈ヴィクター&ロルフ〉など、多くのブランドを傘下に収める国際的なファッショングループがOTB。2021年の業績では総収益15億3000万ユーロ。いち早くパンデミック前の水準を上回り、構造改革と挑戦を続けている。多くのブランドを業績アップさせる力はどこにあるのか。グループのトップ、レンツォ・ロッソ氏に聞いてみた。
「私たちはそれぞれのブランドが自由に創造力を発揮してほしいと考えています。互いに影響を受けるのではなく、必要なのは独立した存在で勇気があること。つまり、ほかとは違うということです」
それを実現するためにOTBでは人事や税、不動産、ロジスティクスなど、それぞれにベストなマネージャーを配置。トップダウンから、横でブランドをコンサルティングするスタイルに変えたという。
「〈ディーゼル〉設立当初は、私がすべてに関わっていました。でも、自分でできることには限りがあります。そう思って以降、グローバルに考え方の違う人材を起用しました。当然彼らからのインプットもあり、その結果、真のグローバル化を果たしたことは私の誇りです」
さらに今後成長を続けるために不可欠なのは、デジタルへの取り組みだという。
「すでにOTBでは〈ディーゼル〉をはじめメタバースを活用し、NFTを発行しています。なぜならメタバースも人生の一部だと考えているからです。そしてなにより、こうした新しい態度をとることが企業として必要だと考えています」
今後は各ブランドの発展とともに、アジア、北米の拡大を目指すという。一番の喜びはビジネスの成功だと語ってくれた。
『Urban Safari』Vol.29 P5掲載