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2026.08.24

【ギリシャで試乗】知っておきたい、
〈フェラーリ〉アマルフィ スパイダーの感動ポイント!

「人生を謳歌する」という視点で見るなら、みなさんはどんなクルマを選ぶだろうか? 照らし合わせるのは自分のライフスタイル。なにを優先するかで選ぶクルマのタイプが違ってくるだろう。では逆に、今回試乗した〈フェラーリ〉アマルフィ スパイダーはどんなライフスタイルにふさわしいクルマなのか? 実際に乗ってみて驚いた感動ポイントとともに、アマルフィ スパイダーだからこそ得られる素晴らしい体験についてレポートしたい。

 

01:この跳ね馬はビーチリゾートによく似合う!


アマルフィ スパイダーが発表されたのが2026年3月。フロントミッドシップにV8ツインターボエンジンを搭載した2+スパイダーで、アクティブかつスポーティなライフスタイルにぴったりな1台というのが触れ込みだ。そしてお披露目から約4カ月後、真夏のギリシャにて、そのキャラクターを確かめられる絶好のチャンスがやってきた。

残念ながら(?)イタリア・アマルフィでの試乗ではなかったものの、今回訪れたギリシャ・コリントス県アイイ・テオドリという街も風光明媚でなかなかいい。首都アテネからクルマで西へ1時間ほどの距離にあるのだが、長く続く海岸線と青い海の美しさはさすが。水着姿でバカンスを楽しむ人たちもずいぶん楽しそうだ。

試乗は、ビーチ沿いに立つ5つ星の高級リゾートホテル“イスラ・ブラウン・コリンシア・リゾート&スパ”からスタート。このホテルはカーブを描いた白亜の外観が印象的で、どこまで広がる青い空と真っ青に輝く海のそばにあって、まるでアート&モダンを体現した現代の神殿のよう。そんなホテルのエントランスには試乗を待つアマルフィ スパイダーがズラリ。まわりの雰囲気と相まって、クルマもなんだか神々しく見えてくる。


 

間近で見るアマルフィ スパイダーは、まずその色にぐっときた。目の前にあるのはローンチカラーの“ロッソ・トラモント”というオレンジに近い印象のボディカラー。ちなみにローンチカラーにはもうひとつ、アマルフィ海岸の色調をイメージした“ヴェルデ・コスティエラ”がある。そんな2つの色で夕暮れ時の海と空が交わる、情感あふれる境界線を表現したというのだから、さすがイタリアの〈フェラーリ〉、なんともロマンチックではないか。

低く構えたコックピットに乗り込むと、ステアリングホイールに手をかけ、黄色が眩しい跳ね馬に目を奪われながら着座。イタリア・リパリ島の海の青さを由来に持つ色“ブルー・リパリ”のレザーシートはしなやかな肌触りで、ほどよくカラダをサポートするタイプ。なにより“ロッソ・トラモント”のボディカラーに、赤いステッチが効いたブルーのシートを合わせるという感性が洒落ている。


ステアリングホイールのすぐ左下にはアルミニウム製のエンジンスタート/ストップボタン、右下にはドライビングモードを設定するダイヤル“マネッティーノ”がある。ともに赤く塗られているのだが、ステアリングホイール下部にあしらわれたカーボンと相まって、走りへの期待感がさらに盛り上がってくる。

ドライビングモードには普段乗りに最適なコンフォートに加えて、スポーツ、レース、ESCオフ(横滑り防止装置などを解除)が設定されているほか、濡れた路面で強力なパワーを安全にコントロールしてくれるウェットモードがある。親指で操作する方向指示器、パドルシフトの位置もこのときに確認。ステアリングホイールまわりにはほかにもADAS(先進運転支援システム)の操作系や音声コマンドなどが集約されているから、手をあちこち伸ばす必要がないため、慣れると操作が楽だ。

メーター類は情報の優先度をそのまま見た目にしたようなデザイン。中央にはもちろんタコメーターで、その左横には各タイヤの空気圧を表示。スピードメーターは左隅に追いやられ、「念のために置いた」的なレイアウトなのが面白い。そのほか油温や油圧、水温、電圧、ガゾリン残量計などは、まあまあ小さめな表示で整然とレイアウト。これらを見るだけで「大事なのはエンジンだぞ」というメッセージを受け取る気持ちになるのは、筆者のほかにも大勢いるに違いない。一方で、走りだけでなく実用性もちゃんと考えられているのがこのクルマ。たとえばリアには、パートナーも含めた2〜3泊ぶんの荷物なら飲み込んでくれそうなラゲッジスペースあり。車内に持ち込むバッグに関しても、2+の後部座席がある程度頼れそうだし、まあ、万事用意がいいラグジュアリーホテルに滞在するような旅であれば特に不便を感じることはないだろう。

02:ドライブでは快適なひとときが待っている!


操作系をひととおり確認したら、いよいよ出発。快晴のもと、5つ星ホテルのバレーパーキングから〈フェラーリ〉で出ていく気分は本当にいい。

試乗コースの距離は180kmほど。ホテルを出て5分ほどで高速道路A8号線に入り、アテネ方面へ。途中で高速道路を降りて、山間のワインディング道路を存分に駆け回るという設定だ。

7月のギリシャだから、真夏の陽射しと紫外線が容赦ない。最初に体力を奪われないようにと、高速道路ではソフトトップルーフは閉じたまま、エアコンに頼るという作戦に出てみた。気温35度のピーカンの中で走って気づいたのだが、ソフトトップの断熱性がよいせいか、頭上に熱が籠ることはない。それもそのはず、こちらは〈フェラーリ〉の格納式ハードトップに匹敵する遮音性と断熱性を備えたもの。1枚に見えるファブリックは5層構造で、さらにデニムの綾織のような質感のおかげでお洒落見えするのもいい。高速道路での遮音性も満足できるもので、これならパートナーとの会話中に外からの雑音が気になることもないし、繊細なピアノを楽しむような音楽もバッチリと楽しめるだろう。

高速道路はアマルフィ スパイダーの独壇場だ。ギリシャの高速道路も区間ごとに速度規制が違うが、乗用車の最高速度は130km/h。まわりは「制限速度は気にしていません」といったクルマもビュンビュン通るが、そんなクルマを尻目にまずはコンフォートモードでゆったり流してみる。8速120km/hの速度で、タコメーターの表示はちょうど2000回転。乗り心地も快適以外の言葉が見つからない。640CV/7500rpmを誇るV8ツインターボエンジンにしてみると、2000回転なんて目も覚めていない状況なのだろうけど、唸りを上げないぶんジェントルでスムース。最大トルク760Nm/3000〜5750rpmを誇る力強いトルク感を伴いながら矢のように進むさまは余裕たっぷりで頼もしい。

人生の大切なひとコマには、パートナーと一緒に海や避暑地に向かうなんてシーンもあるだろうけど、会話や音楽を楽しみながら快適な高速移動ができるのはクルマに求められる大切な性能だったりする。その点このアマルフィ スパイダーはそんなシーンにもしっかりと寄り添ってくれそう。大人の“必要”にしっかりと応える懐の深さがあるというわけだ。


もちろん、ゆっくりひとたびアクセルペダルを踏むと、どこまでも伸びるような快音を響かせ、前へ前へと進みたがるのがこのクルマ。途中、ドライブモードをスポーツやレースに変えて楽しんではみたが、有り余るそのパワーの限界を見るなんてのは叶うはずもない。なにしろ0-100m/h加速がわずか3.3秒のツワモノだ。当然のことながら3000rpmを超えたあたりからの湧き上がるパワーは凄まじく、ずっと背中を押され続ける感覚に身震いを感じてしまうほど。とはいえ、能ある鷹は爪を隠す。公道では、その気になれば放出できる異次元のパワーを「あえて余裕に変えて走る」というのが正解なのかもしれない。

03:開放的かつ爽快な走りで、ワインディングが楽しい!

高速道路を降りたら、今度は小さな集落を通り、北側へと向かう山岳コースへ。途中からめくるめくワインディングルートが待っている。ギリシャの街中での制限速度は基本的に50㎞/hだが、ところどころに30㎞/hのエリアも。小さな集落を珍しげに見ながらも慎重に走る中、ここはチャンスとばかりにソフトトップを開けてみた。

60㎞/hまでなら走行中であってもわずか13.5秒で開閉可能ということだが、実際に50㎞/hで走行中に開けてみると説明に偽りなし。ある程度の風を受けながらでも屋根はスムースに素早く、折り畳みの儀を終えてくれる。「走行中に素早くできる」というのはドライバーとっては相当のメリットで、たとえば走行中突然の雨に見舞われても慌てることがないということ。またパートナーを気遣い、「陽射しが強くなったから閉めようか」となんて思ったときでも、60㎞/h以下で走行しながら、スマートに日陰を作れるのはありがたい。


ありがたいといえば、ウインドディフレクターがかなり効果的なのには驚いた。簡単にいうと、オープン時に室内に気流が流れないようにする機構のことで、ボタンを押すとなんとリヤシートの背もたれが「ビヨン!」と跳ね上がる仕掛け。これにより、車内がまるで大きな空気の塊に包まれたようになり、顔まわりの乱気流や騒音がグッと減るといったご利益あり。走行中にも操作可能というわけで、屋根を開けたしばらく後に作動させてみたが、その効果はテキメン。不快な気流が上手にシャットアウトされていることに感動すら覚えてしまった。

少し冷房を強めにし、オープンエアでの快適性を整えたら、あとは開放感を味方にスポーツドライビングを楽しむだけ。背の低い木々や草が広がりつつも、グレーの岩肌が荒涼とした印象を残すギリシャの山々。そんな中を“ロッソ・トラモント”をまとったアマルフィ スパイダーはV8エンジンのサウンドを振り撒いて、余裕の走りで登っていく。それにしてもこのフットワークの軽さはどうだ。エンジンをフロントミッドに置いた恩恵と緻密に制御された足回りのおかげなのだろう。軽快で小気味よく、そして安定したコーナリングを味わわせてくれるのは「素晴らしい」のひと言。さらにスロットルレスポンスの鋭さもその軽快さに輪をかけてくれるから、ワインディング走行がとっても楽しいひとときになる。

ブレーキのフィーリングもとってもいい。アマルフィ スパイダーはブレーキ・バイ・ワイヤ(ブレーキ操作を電気信号に変換し、コンピュータ制御により摩擦ブレーキングを作動させるシステム)を採用しているが、しっかり効くうえにレスポンスも上々。それが、あらゆるグリップ条件で制動力配分を最適化する“ABS Evoシステム”と合わさることにより、さらに高いパフォーマンスを発揮。信頼できるブレーキと足回りがあるからグッとアクセルが踏み込めるというわけで、スポーツ走行を楽しむ際に、ずいぶんと頼れる味方になってくれる。下りのカーブの連続では特にそのレベルの高さを実感することができた。


ちなみにリヤには可動式ウイングが装備されているが、クルマの速度や前後・左右の加速度に応じて、ロー・ドラック、ミディアム・ダウンフォース、ハイ・ダウンフォースの3つのアクティブな構成へと調整してくれる。その効力はいかほどなのかというと、ハイ・ダウンフォース構成では、250㎞/hで最大110kgのダウンフォースを発生させるレベル。つまりサーキットのようなスピード域で走る楽しみだってちゃんと用意されているのがアマルフィ スパイダー。リアに備わるディフューザーも飾りじゃないことは言うまでもない。

04:思い出に残るシーンがどんどん積み上がる!

楽しいワインディングコースが終わったら、再び高速道路に乗ってホテルへ。追い越し車線に居座り、速さに身を置くこともできなくはないが、品のよいインテリアの中で楽しむ快適なドライビングを体験すると、流れに任せて走るのも悪くない。飽きたらパドルシフトに添えた手でギアを落としてV8エンジンのサウンドを楽しめばよいのだ。ちなみにアマルフィ スパイダーの室内はデュアル・コクピット構造になっていて、パートナーが横にいるときにはセンターコンソール越しに一体感が感じられる一方、ドライバーが1人のときは、運転に集中しやすく、よりプライベートな空間意識が高まる。そう、心地よい〈フェラーリ〉V8サウンドをBGMに、エーゲ海が夕陽に輝く風景の中を1人で走っているときなんてなおさら。人生を謳歌していることを実感し、ドラマチックな気持ちになってしまうのは気のせいではない。

アマルフィ スパイダーにとって、2023年に登場した〈フェラーリ〉ローマ スパイダーは系譜的(V8エンジンのスパイダーボディ)には先代にあたる。さらに遡ると2017年のポルトフィーノ、2008年のカリフォルニアと、オープンカーとともに人生を謳歌している人がたくさんいそうな地名=モデル名が並ぶのはご存知のとおり。〈フェラーリ〉に惹かれる理由はマシンごとに様々あるだろうけど、格好よさや速さに加えて、「人生のあらゆるシーンを彩ってくれそう」と感じてしまうのは、やっぱりアマルフィ スパイダーのような美しいオープンカーなのだろう。そしてそんなクルマを選ぶのは、ちゃんと“遊び”を知っていて、ロマンチックな一面を持ち合わせている人に決まっている。もしあなたがそこに共感するというなら、一度アマルフィ スパイダーに熱〜い視線を注いでみるといい。きっとそれを機に、毎日が楽しい思い出に変わるような、充実した人生の幕が上がるかもしれない。



 
Information

●フェラーリ・ジャパン
URL:https://www.ferrari.com/ja-JP/auto/ferrari-amalfi-spider

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