この頃チラホラとささやかれる、“風の時代”。聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。これは、2020年12月の水瓶座での大会合(木星と土星の合)からはじまったとされる、今から200年ほど続く時代精神を表した言葉。ヨーロッパで近代化がはじまった19世紀から現代に至るまでの“土の時代”との対比として語られることが多いようです。
“確かめられる豊かさ”や“安定”、“持続”を表す“土の時代”は、マイホームを構え、長くひとつの会社に勤めて、初婚の相手と生涯添い遂げることがよしとされてきました。それに対し、“風の時代”は、“バリエーションの豊かさ”や“自由”、“流動性”を表し、今まで培ってきた価値観が必ずしも絶対的ではないと思えてくることがありそうです。
こうした“風の時代”の到来は、“集合的なこだわり”を表す冥王星が水瓶座へと移行する2023年3月から本格化。冥王星はすぐに逆行して山羊座へ戻り、2024年に再び水瓶座へと戻ってくるのですが、2023年はそのさきがけとなる大きな時代の転換期となりそうです。
たとえば、これまでのように“苦労や我慢と引き換えに、地位や名誉や豊かさが上から保証される”のが当たり前ではなくなるかもしれません。逆に“遊びや思いつきから生まれた活動が、波長の合う人やファンから支えられる”など、横や外との関係がカギとなる社会へと変化。そして、ひとつの形式や場所、条件に固定されない多様かつ可変的な生き方や暮らし方が、これまで以上に当たり前になっていきそうです。
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サステナブルな時代へと
本格的に舵を切る!
“破壊と再生”を促す冥王星が、金融危機のあった2008年以来、約15年ぶりに山羊座から水瓶座へと星座を移動します。この節目で、地球環境の脱・人間中心主義化が加速する予感。動植物などの絶対的他者とのやりとりができる、新たな共生関係の見直しがカギに。
5/17
心身の深い喜びが
満足度を高めるカギに。
“繁栄と流行”の木星が、牡羊座から牡牛座へと移動します。前回の木星・牡牛座期はパワースポットブームなど、身近な伝統文化の再発見が起きましたが、ここからの約1年間も日本らしい風土や身体的な満足に根ざした価値が改めて称揚されていきそうです。
7/18
モノ重視の価値観から
多様性を尊ぶスタイルへ。
太陽の軌道と月の軌道の交点であるドラゴンヘッドが約1年半ぶりに牡牛座から牡羊座へと星座を移動します。2022年1月から、モノの豊かさの確保が多くの人の関心事となっていましたが、このあたりから変化。個性の打ち出しに注目が集まっていきます。
占ってくれたのは
Sugar [ シュガー ]
占星術家。慶應大学文学部哲学科卒。IT業界を経て、西洋占星術をテーマに執筆や講師として活躍。ユニークな個性と教養で占術界での交友関係も広い。
『Safari me time』Vol.10 P19掲載