古きよきアメリカ映画のセットを彷彿させる家!
ヴィンテージクロージングをお洒落に見せるのは着こなし次第。同様に、年月を経た家具や建物も暮らす人のセンスで輝きを放つ。今回訪問したN邸は築32年のマンションをフルリノベーション。ミッドセンチュリーの家具、洋書やポスターなどの小物がアメリカ映画のワンシーンを彷彿させる。そのインテリアの楽しみ方に脱帽!
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- 西海岸的なハッピー・ルーム! vol.31
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N邸/3LDK/140㎡弓型に張り出したボウウインドーから差し込む光が重厚感のある家具を浮かび上がらせる。照明はアールの空間に呼応する〈ネルソン〉のバブルランプ
アールを描く6面の窓から光が差し込み、床置きされた洋書や写真集に影を落とす。映画のワンシーンのようなN邸のLDKだ。購入した時点では、きらびやかな内装が目を引く、バブルの名残を感じさせる造りだった。
部屋ごとに床・壁の色や素材を替えフルリノベーションした。LDKは半円を描く窓に合わせて木製ブラインドを造りつけたことで、見事にバブルな印象が一変。ヘリンボーンの床と馴染み、上質な落ち着きのある部屋になった。オールドアメリカをテーマにした室内には、ミッドセンチュリーを代表するジョージ・ネルソンのプロダクツがあちこちに置かれている。
窓下にぐるりと収納を巡らせた約60㎡の贅沢な空間だが、なによりも施主のセンスを感じさせるのは、無造作にディスプレイされたマイケル・ジョーダンのポスターやデザイン画などが放つ、ほどよい賑わい。上質な家具と混在するバスケットボールや愛猫の爪研ぎなど、いい意味での雑多さが、この部屋に居心地のいい温もりをもたらしている。
LDKの壁に残るわずかな空白は、プロジェクターを映して夫妻で映画やNBAを見るためのスペース。ヴィンテージの味わいを楽しみ、時間と空間を遊ぶ住まいだ。
01 クラシカルな板ガラスのカウンターキッチン床はオーク、キッチンカウンターはバーチで艶やかに。オフホワイトの壁をキャンバスに、ランダムに飾られたポスターアートやレコードジャケット、ヴィンテージ小物がシックな木の空間を軽やかに見せている
02 ウォールアートをさりげなく楽しむダイニングのフォーカルポイントになっているのはミッドセンチュリーのウォールスカルプチャー。壁に映る影が繊細な立体をより重層的に見せている
03 ベッドルームは木の質感を贅沢に寝室の床はグレーのタイル、壁はバーチを縦張りに。低めにオーダーしたベッドと折り上げ天井の効果もあってより伸びやかな空間に感じられる
04 黒のフレーミングで凛としたバスルームバスルームはシャワーブースを分け、上下に黒のタイルを走らせて引き締まった表情に
05 愛猫もお気に入りの白をベースとした洗面白をベースとした美しいラバトリー。鏡枠、シンク台の縁をウッドにしてアクセントをつけている
06 趣味を詰め込んだシューズクロークマイケル・ジョーダン好きが高じて集めたバッシュの数々。武骨に年代もののバッシュが並んでいるところに、男心がくすぐられる
ダイニングの主役になるネルソンデザインミッドセンチュリー期のデザインをけん引したジョージ・ネルソンのプロダクツの1つ、Xレッグテーブルのヴィンテージ品。組み木の天板、エッジの仕上げやクロームのシンプルな脚のラインが美しく、どんなタイプの椅子とも好相性を見せるシンプルながら包容力のあるテーブルだ。
玄関を入ると、右手に約3畳大のシューズクローク。リノベのタイミングで作ったお気に入りの空間だ。「もともと好きになると、集めてしまうところがある」というNさんのスニーカーコレクションがズラリと並び壮観。
「リノベをして、家で過ごす時間は増えましたね。3年前から飼い始めた猫も、快適にすごしています(笑)」
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“古くなって捨てられるようなモノは、買わない、売らない、つくらない”が理念のリノベーション会社。個人宅以外にも、オフィス、店舗、オーダー家具までデザイン。専属の不動産アドバイザーもいるので、物件紹介も可能。住空間のスペシャリスト。
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雑誌『Safari』11月号 P254~255掲載
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photo : Takafumi Matsumura text : Kuniko Nakajo