サンロッカーズ渋谷を牽引する【ベンドラメ礼生】は、ホーム開幕戦で得た手応えが大きな自信に!
Bリーグが発足した2016年度からサンロッカーズ渋谷ひと筋でプレイし、その中核を担い続けるベンドラメ礼生。Bリーグ初代新人王に輝いたルーキーイヤーの一戦を、プロとして大切なものを得た試合として語ってくれた。
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- アスリートの分岐点! vol.48
LEO VENDRAME
TURNING POINT
2016年10月8日
Bリーグ 2016-17 B1リーグ戦 第3節
富山グラウジーズ戦
2019年からサンロッカーズ渋谷の不動のキャプテンで、果敢なゴールアタックやハードなディフェンスでチームを牽引しているベンドラメ礼生。そんな彼が分岐点として語ってくれた試合は、Bリーグ発足年となった2016年10月の一戦。青山学院記念館で待望のホーム開幕戦を迎えたサンロッカーズ渋谷が富山グラウジーズを迎え撃ったこの試合は、当時ルーキーだった彼にとっても重要な意味をもつゲームになった。
「Bリーグが立ち上がる前に大学からのアーリーエントリー選手としてチームに加入していたのですが、この一戦の前はほとんど試合に出られていない状態でした。そんな中で、このホーム初戦で自分の力を発揮できた手応えがあった。そこで“俺はこのリーグでやっていける”という自信を持てたことが、僕のプロ人生の中ですごく大きな出来事でした」
第1クォーターは幸先よく先制してから20-18で終了した渋谷だったが、第2クォーターは富山のスピードのあるオフェンスに苦しみ、逆転を許す展開に。嫌なムードが漂いはじめた中でコートインしたのが、ベンドラメだった。試合中の印象を「フィールドゴールの確率もすごく高くて、点を獲れているという感覚があった」と振り返ってくれたように、残り3分という短い時間の中で3ポイント1本を含む5ポイントを決めたベンドラメがゲームをひっくり返し、前半を40-37で折り返す展開にもちこむことに成功した。
後半もベンドラメが当時の主将の伊藤 駿とともに素早い対応で富山の速攻を防ぎ、第4クォーターではSFの藤高宗一郎が2本の3ポイントを決めたことに続いてベンドラメも試合終了間際の残り2分24秒と1分39秒に2連続で3ポイントを沈めて富山を突き放した。
最終的に5人の選手が2ケタ得点を記録し、バリエーション豊かなオフェンスを展開できたことによって79-61でホーム開幕戦を勝利で飾った渋谷。そんな中で、19分33秒のプレイタイムで11得点を挙げたベンドラメもまた、間違いなく勝利に貢献し、爪痕を残した選手の1人だった。
「Bリーグがはじまって日本のバスケが華やかになっていく中で、その試合の中心で自分が活躍できている状態というのは、僕が思い描いてきたプロの世界でしたし、これがずっと見たいと思っていた景色だったという感覚もありました。同時にこの舞台でもっと観客を沸かせたいと思ったし、もっともっと活躍して有名な選手になりたいという気持ちになることもできた。当時の立ち位置からさらなる高みを目指してこれまでやってこられたのは、あのときプロとして走りはじめたことに対する自信を得て、自分を高めようと思えたことがすごく大きかった」
現在は、在籍9シーズンめを迎えたサンロッカーズ渋谷の“顔”となり、日本代表でのプレイも経験。チームやファンを奮い立たせ、Bリーグをさらに盛り上げるうえで欠かせない選手の1人となったベンドラメだが、当時と現在でバスケとの向き合い方は変わらないという。
「当時も今も変わらずバスケが大好きだし、昨日の自分よりうまくなりたいと思って練習に臨む気持ちも小さい頃から変わっていません。変わったことといえば、そんなバスケの楽しさをみんなに知ってほしいというマインドが芽生えたこと。地元の宮崎でバスケのクリニックをやったり、アンダー12とアンダー15の選手の1デイトーナメントを開催したりしているのですが、そうした活動も少しでも多くの子供にバスケを好きになってほしいという気持ちからやっていることなんです。将来的にプロになった子供たちが“あのとき、ベンドラメ選手に影響を受けたんです”っていってくれたらめっちゃ嬉しいですね。いろんな人の背中を押せる存在でありたい気持ちは、強くなりました。加えて、バスケの楽しさを言語化して伝えることも僕の中でやっていきたいこと。現役の今だからこそ伝えられることがあるので、解説の仕事も積極的に挑戦していきたいですね」
挑戦という意味では、10月開幕の2024-25シーズンは、どんなチャレンジがテーマになってくるのだろうか。
「昨シーズンは後半に向かってよくなっている手応えをみんなが感じていたのですが取りこぼした勝利もあり、たった1試合の勝利を逃したことでチャンピオンシップ進出を逃してしまった。1試合の重さは全員が理解していると思うので、目の前の勝利をハングリーさをもって掴んでいく。そんなテーマで挑んでいくバスケに期待していてほしいですね」
©サンロッカーズ渋谷
バスケットボール選手
ベンドラメ礼生
LEO VENDRAME
1993年、福岡県生まれ。バスケの強豪・延岡学園高校、東海大学で全国制覇を果たし、2016年に日立サンロッカーズ東京(現サンロッカーズ渋谷)に加入。Bリーグ初年度の2016-2017シーズンに、初代新人王を獲得。2021年開催の東京五輪で日本代表に選出。
TAMURA’S NEW WORK
FNS27時間テレビ
「ポスタービジュアルは漫画雑誌の表紙のようなカラフルなグラフィックになると聞いていたので、それに負けないように黒の強さを押し出しているのもこの作品の特徴です。番組の放送前には、僕がデザイン学校に通っていた渋谷の様々な場所にこのポスターが貼られていた光景が見られ、感無量でした」
自分を重ね合わせて描いた作品
チョコレートプラネットをはじめとする人気お笑い芸人たちを、迫力あるタッチで描いた作品。これは、7月に生放送されたフジテレビ系の超大型生放送特番『FNS27時間テレビ 日本一たのしい学園祭!』のポスタービジュアルだ。
「この特番を新世代の芸人さんたちの新しい挑戦が見られる番組として捉え、そのチャレンジしていく姿を普段はあまり見られないシリアスな表情を強く印象づけられるようなタッチで表現しました」
描く過程で、アーティストとしての自分のスタンスも重ね合わせたという。
「チョコプラさんや霜降り明星さんといった芸人さんたちは、すでに確かな実績を築いた人たちであると同時に、これからの第一線を担っていく存在でもある。僕自身もアーティストとして同じような立場を目指したいという思いを重ね合わせながら描いた作品である一方、描きながらその思いを現実のものにするための勇気をもらった作品でもあります」
アーティスト
田村 大
DAI TAMURA
1983年、東京都生まれ。2016年にアリゾナで開催された似顔絵の世界大会であるISCAカリカチュア世界大会で、総合優勝。アスリートを描いた作品がSNSで注目を集め、現在のフォロワーは10万人以上。その中にはNBA選手も名を連ねる。Instagram:@dai.tamura
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雑誌『Safari』10月号 P182〜184掲載
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illustration : Dai Tamura composition&text : Takumi Endo