“ナカメの美食スポット”〈ツムギ〉で、創造性豊かな料理と厳選アルコールのマリアージュ!
中目黒駅から徒歩2分ながらも、隠れ家的な大人の雰囲気の中で、美食を楽しめるスポットがある。2024年10月11日にリニューアルオープンした〈ツムギ(tsumugi)〉は、創造性豊かな料理と厳選したお酒とのマリアージュが特長。国産漆を用いた艶やかで美しいカウンター9席とコの字型の個室6席が設けられている。
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シェフの高山直一さん
リニューアルオープンからシェフとして腕をふるうのは、高山直一さん。都内のイタリアンの名店や400年続く京野菜農家に住み込みで研鑽を積み、アロマフレスカグループや恵比寿〈ハレ(HaRe)〉」などの料理長を歴任したという実力派。イタリア料理のバックグランドをもとにして、素材の味わいを引き出すジャンルレスな料理を紡ぎ出す。
そんな高山さんのこだわりと工夫が詰められているのが、“炊き立て 魅惑のコンビーフご飯”。最初に、3日間浸水させた山形県産〈つや姫〉の“煮えばな”が提供される。繊細な風味としっとりなタッチで、心が洗われる。次はご飯と自家製コンビーフが登場。自家製コンビーフは、希少な岩手県の熟成短角牛でつくられた一品で、ジューシーで妙妙たる味わい。実山椒がアクセントに加えられていて、その香りが食欲をかき立ててくれる。岩手県にある田野畑山地酪農牛乳の香り高いバター、岩手県伝統のまろやかな天然塩〈のだ塩〉、醤油が添えられ、ホースラディッシュ=西洋わさびも削ってくれるので、様々な味わい方を体験できる。短角牛とシジミのスープも提供され、これはそのまま飲んでも美味しいし、お茶漬けにしてもOK。
コンビーフご飯をアラカルトで食べるのもいいけれど、コースの“アレ(a-re)”(1万1000円)をアップグレードして他のメニューとともに味わってみるのがオススメ。
“短角牛テールと香味野菜のフラン 菊花のジュレと春菊のジェノベーゼ”
“短角牛テールと香味野菜のフラン 菊花のジュレと春菊のジェノベーゼ”は、色合いの妙も感じられるグラスの冷前菜。熟成短角牛と香味野菜のフランはコクがたっぷりで、煮込んだ出汁の煮凝りが重ねられている。菊花のジュレと春菊のジェノベーゼの青い風味がとても爽やか。
“秋刀魚と焼き茄子、酢橘とトマトのコンソメ”
秋の薫りを感じられるのが、“秋刀魚と焼き茄子、酢橘とトマトのコンソメ”。塩で10日間寝かせて味を落ち着かせた秋刀魚と、なめらかな宮崎県の伝統野菜“佐土原なす”のコンビネーションが光る。コンソメジュレや秋刀魚節で味付けたトマトも特筆する名脇役。
“南蛮海老とロゼワインのシャリ フェンネルのピュレと葉のオイル”
“南蛮海老とロゼワインのシャリ フェンネルのピュレと葉のオイル”は、鮨を洋風の一皿に仕上げた意欲作。ロゼワインと赤酢の赤シャリの上に、とろっとした南蛮海老がのせられている。フェンネルは葉とピューレ、オイルと3つの変化があり、軽快な香り。ちりばめられた越後村上の塩“白いダイヤ”が全体を引き締める。
“南蛮海老とロゼワインのシャリ フェンネルのピュレと葉のオイル”
サプライズな演出を鑑賞できるのが、“対馬産穴子と天恵菇 胡瓜とコーレーグースの三杯酢”。桜のチップで瞬間燻製し、ワイングラスをクローシュの代わりに用いた。香ばしく焼いた対馬の穴子に、厚みと滋味のある大ぶりのプレミアム椎茸“天恵菇(てんけいこ)”が負けていない。島とうがらしを泡盛に漬け込んだ沖縄県の調味料“コーレーグース”と胡瓜のソースが心地よい刺激。
“佐島産蛸と里芋のフリコ、バターナッツ南瓜 柑橘と3年熟成かんずりのポン酢”
“佐島産蛸と里芋のフリコ、バターナッツ南瓜 柑橘と3年熟成かんずりのポン酢”は、芋蛸南京の組み合わせをイメージした一皿。イタリア郷土料理の“フリコ”をアレンジした里芋とチーズのタルト、甘いバターナッツカボチャのピューレ、弾力感のある叩いた蛸を取り合わせた。新潟県の発酵香辛料“かんずり”が乙な刺激で、アマランサスの鮮やかな“赤”もチャームポイント。
“吊るし熟成短角牛の藁焼き 炭化した菊芋とフォン・ド・ブフのソース”
メインディッシュは、“吊るし熟成短角牛の藁焼き 炭化した菊芋とフォン・ド・ブフのソース”。岩手県の短角牛を4週間熟成させ、その俊味を深めた。低温でじっくりと焼いた後に、藁焼きにして香ばしく仕上げている。脂がのったリブロースとやわらかなカイノミの2種類の短角牛が、口福を満たす。ローズマリー風味の牛脂パウダーを和えて、味変も体験してみて。
クリエイティブな料理には、“ペアリングコース”(6600円)でお酒も合わせてみたい。特定の産地に固執することなく、世界中から最適なワインをセレクトしてくれる。
料理とアルコールのマリアージュも楽しんで!
“シュロス・アラス ラビット リースリング ゼクト ブリュット”は、ドイツのスパークリングワイン。青りんごのようなフルーティーさがあって、さわやかなので最初の一杯にはちょうどいい。長崎県の離島、壱岐で造られたのが“よこやま 純米吟醸 SILVER ひやおろし”。軽やかできれいに整った口当たりから、濃密な旨味が広がる。生酒ならではのフレッシュさがあって、魚介類や野菜との相性も抜群。“ゾラ・ワインズ カラシイ 2018”はアルメニアの赤ワインで、細かなタンニンと高い酸があり、心地よいミネラル感も。短角牛のじっくりとした旨味に寄り添う。
漆工・安宅信太郎氏による圧巻の漆塗カウンター
コースで高山さんの料理をじっくり堪能するのもいいし、アラカルトで自由にオーダーしたり、軽く2軒め使いしたりするのもいい。〈ツムギ〉は様々なシチュエーションで重宝するから、新しい“ナカメの美食スポット”として覚えておいて!
●アレ(a-re) 1万1000円
短角牛テールと香味野菜のフラン 菊花のジュレと春菊のジェノベーゼ
秋刀魚と焼き茄子、酢橘とトマトのコンソメ
南蛮海老とロゼワインのシャリ フェンネルのピュレと葉のオイル
対馬産穴子と天恵菇 胡瓜とコーレーグースの三杯酢
佐島産蛸と里芋のフリコ、バターナッツ南瓜 柑橘と3年熟成かんずりのポン酢
トマトとオリーブ、サラミのパネトーネ
乳酸発酵させたガスパッチョ 赤玉葱と糀あまさけ、豆乳ヨーグルトのジェラート
吊るし熟成短角牛の藁焼き 炭化した菊芋とフォン・ド・ブフのソース
炊き立て 魅惑のコンビーフご飯 +990円
レーズンと落花生のカッサータと巨峰のソルベ シャインマスカットとかぼすのメレンゲ
●ツムギ(tsumugi)
住所:東京都目黒区上目黒2-12-3 2F
営業時間:17:30~24:00
不定休
TEL:03-6452-2695
URL:https://tsumugi-tokyo.com/
※サービス料別
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1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口でわかりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。