彼女を誘って福岡へ!? 完全予約制で旬の九州の食材を味わわせてくれる日本料理店〈膳〉
ファインダイニングから屋台まで、幅広い食のシーンに応えてくれるのが、福岡県福岡市。市内中心部のなかでもグルメスポットとして注目の薬院エリアに、2023年春にオープンしたのが完全予約制の日本料理店〈膳〉だ。
今、食通の間で静かな話題となっている日本料理店〈膳〉があるのは、天神や博多など福岡市中心部から車で5~10分ほどの場所。最寄りの薬院駅からは、7~8分ほど歩くと到着する、黒塀に囲まれた隠れ家である。
旧家の欄間など過去の記憶を継承し、今に生かす
店内に足を踏み入れると中庭を臨むガラス張りのモダンなダイニング空間であることに気づく。内装には、かつてこの地にあった旧家の建物の一部も使われている。
カウンター席ならば、京都の懐石料理、割烹などで経験を積んだ料理長・安部大志郎さんとやり取りしながらの楽しい食事となる。彼女とゆっくりしたいなら、中庭を臨むテーブル席を。大きなテーブルが配された半個室は、接待や会食にもおすすめだ。
〈膳〉で味わえるのは、割烹料理のコース。季節や食材によって内容が変わる“季節のおまかせコース”は、おおよそ、先付け、前菜、おしのぎ、お造り、焼き物、煮物、食事、水物という流れ。“メイド イン 九州”をテーマに、ポテンシャルが高い九州産の食材を使い、郷土色豊かな料理が続く。器にもこだわる。
8月のある日のコースから数品と、ペアリングのお酒とともに紹介しよう。
“季節のおまかせコース”8800円より先付けの一例、“ハモカツ”
まず、先付けは“ハモカツ”。大分産の脂ののったハモにきちんと下ごしらえを施し、からりと揚げてある。ふんわりとした身と、カリカリとした食感のコントラストも楽しい。聞けば、粉をとくのに水は一切使わず、生ビールを加えた衣のためサクサク食感に仕上がるという。
彼女とシャンパーニュで乾杯もいいが、この繊細なスターターには、福岡県久留米市にある〈旭菊酒造〉の特別純米酒“大地”(1320円/1合)を。軽く冷やしてあり、爽やかな香り、米の旨味をしっかりと感じながらも飲みやすく、料理を邪魔せず引き立て合う存在。
前菜の一例、“湯葉豆腐 玉蜀黍(とうもろこし)”
続く“湯葉豆腐 玉蜀黍(とうもろこし)”は、トウモロコシの濃厚な旨味と、のど越しを味わうひと品。こちらも“大地”とともに。
おしのぎの一例、“鯖 蓮根 海苔”
おしのぎは“鯖 蓮根 海苔”。長崎県対馬市産の鯖を酢で締め、仕上げに焙り、蓮根の天ぷらを有明海苔で、手巻き寿司のように自分でまいて味わう。鯖の下には、かんぴょうと干しシイタケを甘辛く炊いたものが潜み、上には黄身酢と穂紫蘇。まさに、九州の恵み、旨味を味わえるといっていいひと品。
ここからは、赤ワインを。〈ジャン=フィリップ・マルシャン〉の“ブルゴーニュ オート コート ド ニュイ 2021”(1540円/グラス)は、まだ若いながらもエレガントで、酸と味わいのバランスが取れた1杯。酢で締めた鯖や海苔とも好相性だ。
焼き物の一例、“鮎 山椒”
お造りに続く焼き物は“鮎 山椒”。焼き物といっても、鮎を低温のオイルで時間をかけて火を通した“鮎のコンフィ”。九州の郷土料理を思わせるゴマ味噌と、タデ酢を再構築したタデ味噌とともに。骨までやわらかな子持ちの鮎は、おしゃべりを忘れて食べ進めてしまうほどの美味しさ。
そして、子持ちの鮎の甘さ、添えられたソースに合わせて甘めの白ワインをすすめられた。仏・ロワールの〈ドメーヌ・ユエ〉“ヴヴレ ル モン モアルー 2018”(1980円/グラス)と、行きつ戻りつしながら味わいたい。香りの甘さも堪能できる。
煮物(野菜)に続いては“土鍋ご飯と明太子”。ゲストのペースに合わせて炊き上げられる、つやつやの佐賀産・白石こしひかりと、できたての明太子で締め。こちらのお店、実は明太子で知られる〈やまや〉のフラッグシップショップ。粒立ちのいい白米と、ぷちぷちとした食感の明太子を心ゆくまで味わおう。
ほぼ月替わりのメニューだから、「まさに“今が旬”の九州の食材を、最も美味しく仕上げて味わわせてくれる」と、すでに足繁く通うリピーターもいるという。ならば、ここでのディナーを目的に、彼女を福岡への旅に誘って!!
●膳
住所:福岡県福岡市中央区白金1-5-5 やまや総本店
営業時間:18:00~23:00(22:00LO)
定休日:日・月曜
TEL:050-3150-8820(予約受付時間12:30~17:30)
URL:https://yamaya-sohonten.jp/zen/
※サービス料なし
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ライフスタイルジャーナリスト
美酒と美食はもちろん、ホテル、ビューティ、インテリアなどライフスタイル全般を得意とする。現在はラグジュアリーメディア、ビジネス誌、ホテル専門誌など幅広い媒体に寄稿。美味しいもの探求家でもあり、日々のシャンパーニュは欠かせない。