夏コーデの貫禄出しに、 なぜ“グルカサンダル”がいいのか?
夏のカジュアルスタイルにおいて、特にストリートやスポーツミックス、はたまたアメカジではストラップサンダルが人気。足全体を覆うストラップによって開放感と安定感を両立するため、確かにスニーカー感覚で遠出やドライブも楽しめる。ただ、それはあくまでもサンダルの域。もっとドレス感を上げて、たとえば高級リゾートにも似合うような足元を選ぶなら、グルカサンダルが最良の選択肢だ。
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◆理由1:開放感がありながら、見た目はドレッシー
◆理由2:ラフなショーツも格上げしてくれる
◆理由3:ハワイアンシャツにもジャケットにも似合う
グルカサンダルの起源は、19世紀にまで遡る。かつてイギリスがネパールで編成した傭兵部隊の兵士を指してグルカ兵と呼ばれ、その彼らが履いていたシューズに由来。彼らは山岳民族であり、険しい山道を縦横無尽に移動するには、伝統的にして簡易的なストラップ式のサンダルをベースにしながらも、足全体をしっかりとホールドする必要があった。そこで、甲だけでなくつま先やヒールまで覆った半サンダル、半シューズ、すなわちグルカサンダルが生まれたというわけ。
開放感とホールド感を両立したグルカサンダルは、のちにイギリス軍を通じて英国に伝わり、今では紳士における夏の足元選びの定番に。ちなみに、同様の経緯で彼らが愛用したショーツも、グルカショーツとして現在に名を残している。
山岳兵の夏シューズとあって、ストラップによって通気性を確保。とはいえ、ストラップが幅広なので、肌の露出は極力少なくなっている
シューレースではなく、バックルを採用。昨今販売されるものは、脱ぎ履きをよりスムースにするため、ゴムを内蔵している場合も
険しい山道でも、しっかりと踵をホールドしてくれる。これが、勇猛果敢な最強兵士との呼び声高いグルカ兵の足元を支えた
予定価格15万5100円(チャーチ/チャーチ クライアントサービス)
英国ノーザンプトンの名門が作るグルカサンダルのホヴ。カーフレザーによるストラップが上質感を訴えながら、張り出したウェルトやラバー製のクッションソールが、スポーティにしてタフな履き心地も楽しませてくれる。
3万9600円(パラブーツ/パラブーツ青山店)
シボレザーも相まって足元のアクセントにうってつけなパシフィック。ストラップの幅が広いのも、その後押しを。インソールのクッション性が高く、さらに自社生産のオリジナルソールはグリップ力もバッチリ。ヒールは低めでスタイリッシュな印象も。
3万7400円(ジャラン スリウァヤ/ジャラン スリウァヤ 日本橋髙島屋)
つま先が完全に覆われたこちらの名はバリ。エッグトウが特徴となるラスト・エドワードを採用しており、その丸みのあるシルエットはイマドキなドレスにも休日カジュアルにも似合う。ハンドソーンウェルテッドによる本格仕立ても魅力。
8万6900円(フラテッリ ジャコメッティ × ランド オブ トゥモロー/ランド オブ トゥモロー 丸の内店)
毎シーズン展開される人気のコラボレーション。今シーズンは、ストラップにムラ感のある美しいブルーを配したカーフレザーを採用。丸みのあるエッグトウ然り、大人のリゾートシューズとしてまさに理想的な1足に仕上げた。
3万8500円(エストネーション)
ダークトーンのシボレザーが、軽快な中にも格式ある雰囲気を演出。一方で、バックルにはゴムが仕込まれ、快適な履き心地に。つま先を完全に覆うエッグトウながら、全体のフォルムは実にシャープで都会的な洗練さが漂う。
グルカサンダルが大人に支持される理由は、肌面積を極力抑えている点にある。なかには完全につま先が覆われているものもあり、さらにレザーとあって、スーツにさえ馴染んでくれる。一方で、あくまでサンダルであり、ラフなショーツやタフなデニムパンツとも似合う。ナイロン製のストラップサンダルと比べ、上質顔に見えるのは言うまでもない。つまりは、大人の夏の足元選びにおいて、いわば最強に頼りになる1足ってわけだ。
●エストネーション
TEL:0120-503-971
●ジャラン スリウァヤ 日本橋髙島屋
TEL:03-6218-8400
●チャーチ クライアントサービス
TEL:0120-80-1873
●パラブーツ青山店
TEL:03-5766-6688
●ランド オブ トゥモロー 丸の内店
TEL:03-3217-2855
photo : Tomoo Syoju(BOIL) styling : Takumi Tagawa text : Masafumi Yasuoka