【まとめ】東京2020オリンピック級の感動!?
手に汗握るスポーツ映画10選
いよいよ、東京2020オリンピックが開幕。アスリートたちがしのぎを削る姿に感動してしまうが、競技が終わった後はその余韻を映画で味わうのも一興。傑作スポーツ映画を10作品セレクトしたので、是非どうぞ!
『インビクタス』
製作年/2009年 製作・監督/クリント・イーストウッド 出演/モーガン・フリーマン、マット・デイモン、トニー・キゴロギ
弱体チームの快進撃に胸が高鳴る!
1994年、南アフリカ初の黒人大統領となったネルソン・マンデラ(モーガン・フリーマン)は、アパルトヘイトによる人種差別や経済格差をなくし、国をひとつにまとめようと尽力する。そんな中、南アフリカでラグビーのワールドカップが開催されることに。白人が愛好するスポーツとして知られ、黒人からはアパルトヘイトの象徴として忌み嫌われていたラグビーだったが、マンデラは自国チームの勝利に国の希望、愛と平和の願いを託すことに…。
マンデラ大統領就任当時の実話を、名匠クリント・イーストウッドが映画化。アパルトヘイトへの批判から国際試合を追放され、弱体化していた南アフリカ代表チームが、予想外の快進撃を見せるワールドカップの展開には実話ならではの高揚感が。スポーツにおける“折れない心”と国を治める者の“曲げない信念”がリンクしているのもいい。
『ベッカムに恋して』
製作年/2002年 製作・監督/グリンダ・チャーダ 出演/パーミンダ・ナーグラ、キーラ・ナイトレイ、ジョナサン・リース=マイヤーズ
華麗なプレイと青春のキラメキを凝縮!
ロンドン郊外のインド人家庭に生まれたジェス(パーミンダ・ナーグラ)は、サッカーとデビッド・ベッカムを愛する18歳。しかし、保守的な両親は、彼女の情熱を理解しようとしない。やがて才能を見込まれ、サッカーのクラブチームに誘われたジェスは、家族に黙ってサッカーを続けるが…。誰よりも理解してほしい相手からの理解を得られない中で、夢に向かって進もうとするティーンエイジャーの奮闘が展開。
自身もイギリスで育ったインド系女性監督グリンダ・チャーダが、ままならない状況にもめげないサッカー少女にエールを送る。きらめきの詰まった青春の物語であると同時に、クライマックスの試合シーンをはじめ、随所にスポーツ映画の熱さが滲む爽快な1作。ジェスと友情を築くチームメイト役で、ブレイク前のキーラ・ナイトレイも出演。
『クリード チャンプを継ぐ男』
製作年/2015年 製作・出演/シルベスター・スタローン 監督/ライアン・クーグラー 出演/マイケル・B・ジョーダン、テッサ・トンプソン
激しくエモーショナルなボクシングシーンに胸熱!
ロッキー・バルボア(シルベスター・スタローン)のライバルにしてボクシング世界ヘビー級の元王者、アポロ・クリードを父に持つアドニス(マイケル・B・ジョーダン)。亡き父のようにリングで戦うことを望むアドニスは、フィラデルフィアで静かに暮らすロッキーのもとを訪れ、思いをぶつけるが…。
シルベスター・スタローンの代表作『ロッキー』から生まれた、新世代ボクサーの物語。ボクサーを夢見る若者が鍛錬の日々を重ね、運命の試合に臨むシンプルな展開に、どうしようもなくワクワクさせられる。ボクシングのシーンは『ロッキー』の本シリーズ同様に激しく、凄まじく、エモーショナルで、何度見ても胸の奥が熱くなるもの。
愛人の息子として生まれたアドニスが、自らの存在意義と向き合うまでの物語になっているのも涙を誘う。続編の『クリード 炎の宿敵』も製作された。
『コーチ・カーター』
製作年/2005年 製総・監督/トーマス・カーター 出演/サミュエル・L・ジャクソン、リック・ゴンザレス、ロバート・リチャード
落ちこぼれチームを変貌させる熱血指導にグッとくる!
カリフォルニア州・リッチモンド高校のバスケットボール部に、高校のOBであるケン・カーター(サミュエル・L・ジャクソン)がコーチとして赴任。大学へ進学する者はほんの少数で、卒業生の約半分が逮捕されてしまう母校の現状を案ずるカーターは、部員たちと契約を交わす。学業を疎かにせず既定の成績を残すこと、試合の日は正装すること…。部員や親たちの反発を受ける中、カーターは決して意思を曲げず、過酷な練習で部員たちを導いていくが…。
実在の名コーチによる感動の実話を映画化。目先の勝利にのみ向かって突き進む展開ではなく、バスケットボール部での日々を通し、“自分の人生を生きること”の大切さを教えてくれる。フィクションを超えた高揚感、そして苦みが実話ならでは。
『プライド 栄光への絆』
製作年/2004年 原作/H・G・ビッシンジャー 監督・脚本/ピーター・バーグ 出演/ビリー・ボブ・ソーントン、ルーカス・ブラック、ギャレット・ヘドラント
町が一丸となって盛り上がる高校アメフトに熱狂!
名門アメリカンフットボール部に所属する高校生の厳しい現実を軸に、彼らを取り巻く大人たちや町の熱狂にも目を向けたスポーツ群像劇。その熱狂にさらされ続けるコーチ(ビリー・ボブ・ソーントン)の下、試合中に怪我を負った花形選手、家庭に問題を抱えながらアメフトを続けるクォーターバック、元名プレイヤーの父からプレッシャーを受け続ける二世選手らの物語が綴られていく。
ノンフィクション小説を原作にしているだけに、描かれるのは明るい希望と楽観的な奮闘だけではなく、解決できない過酷さも。後に『バトルシップ』などを手掛け、アクション映画監督としての評価を築くピーター・バークらしいリアリティと胸躍るダイナミックさ、激しさが、アメフトシーンに表れている。原作者の従兄弟でもあるバーグ監督は、後に同原作を基にした連続ドラマも手掛けた。
『メジャーリーグ』
製作年/1989年 監督・脚本/デヴィッド・S・ウォード 出演/トム・ベレンジャー、チャーリー・シーン、ウェズリー・スナイプス
ベースボール映画の決定版!
実在の球団、クリーブランド・インディアンスを舞台にしたコメディ作品。弱小球団インディアンスの新オーナーとなったレイチェルは、フランチャイズの拠点をクリーブランドからマイアミへ移そうと画策。コントロールが悪いチンピラ投手や直球しか打てない外野手など、三流プレイヤーばかりを集めて故意にチーム最下位を狙う。けれども、それを知った選手たちは一致団結してリーグ優勝を目指そうと奮闘しだす!
個性豊かなインディアンスのポンコツ選手たちがとにかく楽しい本作。ノーコン投手だったのにメガネをかけた途端に豪腕ピッチャー変身するリッキー(チャーリー・シーン)に、俊足だがフライばっかり打ってしまうウィリー(ウェズリー・スナイプス)。直球はホームランにできるが、変化球はからきしダメなセラノ(デニス・ヘイスバート)と、愛すべきキャラばかり。
ご存知“ワイルドシング”のテーマ曲が流れ、リッキーが登場するシーンは今観ても大興奮するはず! 弱小なインディアンスに対して冷たかったクリーブランドの人たちが、熱狂しファンへと変わる姿にも胸アツ!
『ミスター・ベースボール』
製作年/1992年 監督/フレッド・スケピシ 出演/トム・セレック、デニス・ヘイスバート、高倉健
助っ人外人は大変!?
ワールドシリーズでMVPも獲得したこともあるヤンキースのベテラン、ジャック(トム・セレック)。しかし、近年では、成績が低迷。私生活でもトラブルを起こすなどイメージも悪化。ついにはトレードに。しかも行き先は、日本! 中日ドラゴンズに入団したジャックは、文化の違いに戸惑い、衝突を繰り返す。しかし、内山監督(高倉健)と徐々に距離を縮めていき、活躍するように。そしてリーグ優勝をかけたジャイアンツ戦。9回裏、2死満塁の大チャンスで、ジャックに打席が回ってくる。
中日ドラゴンズ全面協力で製作しているため、ユニフォームもドランゴンズ仕様。しかも高倉健扮する内山監督は、ほぼ星野仙一風というこだわりよう。送りバントのサインに怒ったり、フロント陣は“巨人に負けるな”と繰り返すなど、野球とベースボールの違いを描くシーンは興味深い。ナゴヤ球場に10万人以上のエキストラを動員した試合シーンは、臨場感たっぷり。その完成度の高さに、日米の野球ファンも納得するはず。
『ザ・ファン』
製作年/1996年 監督/トニー・スコット 出演/ロバート・デ・ニーロ、ウェズリー・スナイプス、ジョン・レグイザモ
一風変わったベースボール映画!
熱狂的なサンフランシスコ・ジャイアンツファンのギル(ロバート・デ・ニーロ)は、離婚した妻のせいで息子に近づけなくなり、仕事もクビに。野球観戦だけが生きがいとなっていた。ところが、応援しているチームのスラッガー、ボビー(ウェズリー・スナイプス)がスランプに陥ったことを知ったギルは、チームメイトのライバル選手プリモを逆恨み。殺害してしまう。さらに行動はエスカレート。ボビーの息子を誘拐し、“自分のためにホームランを打つこと”を要求する。
デ・ニーロ演じるギルは、前半はメジャーリーグ観戦大好きなオジさん。中盤からは、人気選手への過剰な思い入れから、異常な行動を重ねるストーカーへと豹変する。キレやすく、感情の起伏が激しい性格で、とにかく承認欲求が強い。そんな不気味なファンをデ・ニーロが怪演。クライマックスのデ・ニーロの表情は、トラウマになるほどの恐怖を感じる。
『2番目のキス』
製作年/2005年 監督/ファレリー兄弟 出演/ドリュー・バリモア、ジミー・ファロン、ジャック・ケーラー
ベースボールファンの恋愛物語!
キャリアウーマンのリンジーは、数学教師のベンと付き合うことに。だがベンは7歳から熱狂的な地元のレッドソックスファン。交際は順調に進むかと思われたが、シーズンが開幕すると彼の生活はすべてがベースボール中心。リンジーはチームの応援を最優先するベンとの将来に不安を抱く。
熱狂的なベースボールファンは、試合の結果よりも恋人との会話を大切にできるのか? 仕事大好き人間は、仕事よりもデートを優先できるのか。境遇は違えど、同じような悩みを持つ人は多いはず。本作はベースボール映画と思いきや、共感ポイント満載の大人の恋愛映画だ。とはいえ、ボストンのフェンウェイ・パークで撮影されたシーンも多いので野球熱を刺激されるはず。これを観ると実際に球場へ行きたくなる!
『42 世界を変えた男』
製作年/2013年 監督・脚本/ブライアン・ヘルゲランド 出演/チャドウィック・ヴォーズマン、ハリソン・フォード
メジャーリーグの永久欠番になった男
史上初のアフリカ系アメリカ人メジャーリーガーとなったジャッキー・ロビンソン(チャドウィック・ヴォーズマン)の半生を描いた伝記映画。1947年、ブルックリン・ドジャースのGMだったリッキー(ハリソン・フォード)は、周囲の反対を押し切り、ロビンソンとメジャー契約を結ぶ。誹謗中傷を浴びせられるロビンソンだが、プレーに徹することで、次第に周囲の人々の心を変えていく。
黒人初のメジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソンは、俊足巧打のスラッガーで、寡黙な男。そんな彼が壮絶な人種差別と戦いながら自らの道を切り開いていく姿に、ひたすら感動。人間の尊厳に満ちていて、野球好き以外も、魅了されるはず。42とはロビンソンが付けていた背番号で、メジャーリーグ全球団共通の永久欠番となっている。
photo by AFLO