テレワーク中だからこそ気をつけたい!
ご近所トラブル映画5選!
テレワークをしていると、自然とご近所事情に詳しくなるもの。「こんな人が近所に住んでいたんだ〜」と、新たな発見に嬉しくなることも。ところが、馬が合う人ばかりではないのが、この世の中。意見の相違でトラブルに発展、なんてことも!? そうならないように、まずはこちらの近隣トラブル映画で、予習して!?
『隣人は静かに笑う』
製作年/1998年 監督/マーク・ぺリントン 出演/ジェフ・ブリッジス、ティム・ロビンス
隣人の嘘にはご注意を!
お隣りに住んでいるのが恐るべき人物だったら……というのは、いかにも映画的。しかし今作ほど危険な隣人も珍しいかも。大学教授のマイケルが、やけどを負った隣家の少年を助けたことから、2カ月前に引っ越してきたばかりのその隣人、オリバーの一家と交流するようになる。マイケルの専門はテロリズムの歴史。自称・建築技師というオリバーだが、郵便の誤配達から彼が嘘をついていることが徐々に明らかになっていく。
怪しい隣人のオリバー役、ティム・ロビンスの一見、人のよさそうな演技もあって、その裏に隠れた真実とのギャップで、じわじわ背筋を凍らせる。そして訪れる最初の悲劇はかなりショッキングだし、急転直下のクライマックスまで予想外のサスペンスを味わえるはず。いくつかツッコミどころはあるけれど、得体の知れない恐怖感と、アクションエンタメの両面からアプローチしているので、意外に気軽に観られる“怖い隣人”モノと言えそう。
『ネイバーズ』
製作年/2014年 監督/ニコラス・ストーラー 出演/セス・ローゲン、ザック・エフロン
隣人のバカ騒ぎにご注意を!
隣人トラブル“あるある”といえば、最初に挙がるのが“騒音”。静かな夜を過ごしたくても、隣で大騒ぎのパーティが続いてたら、寝不足になって体調を崩してしまう、なんてことも。しかし、相手によってはなかなか注意できないこともある。この作品は、赤ん坊の娘がいる夫婦が静かな住宅街に念願のマイホームを購入したところ、隣に男子学生が共同で住み始め、毎日、大騒ぎを繰り返すという、あまりにわかりやすい設定。しかも基本はコメディなので、トラブルも素直に爆笑できるのが今作の魅力!
最初は学生チームのパーティに主人公の夫婦が誘われたりするのだが、ちょっとした行き違いから、学生側のリーダーがブチきれて、嫌がらせがスタート。夫婦側も負けてない。学生たちを出て行かせるため、あの手この手で仕返しする。その応酬には、アホらしいイタズラ作戦もいっぱいなので、究極の“ご近所バトル”映画かも。学生リーダー役、ザック・エフロンのイケイケなオレ様ぶりも見ものだが、主人公の夫を演じ、プロデューサーも兼ねているのが、セス・ローゲン。現在のハリウッドでも最も才能が輝くコメディアンなので、今作のハチャメチャ感と、ひとヒネリ効かせた笑いのバランスが絶妙だ。さらにおバカな続編も作られたので、あわせてどうぞ!
『シザーハンズ』
製作年/1990年 製作・監督/ティム・バートン 出演/ジョニー・デップ、ウィノナ・ライダー
隣人の同調圧力にはご注意を!
ご近所に暮らしていたら、みんな仲良く、同じような考え方であれば、波風は立たない。でも各家庭それぞれ仕事も環境も、価値観も違うから、時には相手に合わせた“忖度”も必要。ジョニー・デップの初期の代表作である『シザーハンズ』は、そんな事実をちょっぴり過剰に描いている。舞台になるのは、パステルカラーのかわいい家が並ぶ郊外の住宅地。みんなハッピーで楽しく、ご近所付き合いしているのは見せかけで、じつは“同調圧力”が強く、不満がくすぶっていたりもする。
そんな住宅地に突然、連れて来られたのが、両手がハサミの形をしたエドワード。異形キャラクターは、そのハサミで植木の剪定をしたり、主婦たちの髪を見事に切ってあげたりして、最初は珍客として大歓迎。しかし一度でも危険な噂が立てば、ご近所の同調圧力が作動するという、コワすぎる事態へと発展してしまう。ティム・バートン監督のファンタジーなのだが、隣人ドラマとしては、いま観てもかなりリアルかも!?
『ステップフォード・ワイフ』
製作年/2004年 監督/フランク・オズ 出演/ニコール・キッドマン、マシュー・ブロデリック
隣人のヘンな言動にご注意を!
人生を変えるために、新たに移り住んだ町。いちばん苦労しそうなのが、ご近所との関係だが、彼らが自分とはまったく違う人々だったら……というのが今作。ニコール・キッドマンが演じるTVプロデューサーのジョアンナが、トラブルで退職。落ち込んだ彼女のために、夫が高級住宅街、ステップフォードへの引越しを決める。近隣の住人たちは、妙にお洒落でセクシー。しかも妻たちは家事を完璧にこなす。ジョアンナも徐々に彼女たちの影響を受け始める、という物語。
やがてジョアンナは、隣人たちの予想外の変な言動を目撃することになるのだが、今作の描く隣人トラブルは、驚きの“秘密”が源。1975年にも一度映画化されている有名な原作だし、ほかのSF作品にも似たような設定があるので、なんとなく秘密は想像がつくはず。基本的に映像はカラフルで、不気味さとポップなノリが融合。非現実的なシチュエーションではあるけれど、“隣人=ストレンジャー”という感覚がうまく生かされた一作だ。
『隣の影』
製作年/2017年 監督/ハーフシュテイン・グンナル・シーグルズソン 出演/ステインソウル・フロアル・ステインソウルソン
隣家のそびえ立つ木にご注意を!
タイトルに“影”とあるように、今作のトラブルの発端は隣人宅の庭にそびえ立つ木。たしかに自分の土地ではないので文句をいう権利はないのだが、その木の影によって日当たりが悪くなってしまったら、注意したくなるというもの。しかもこれ、アイスランドが舞台の映画。冬が長い北欧のこの国では、太陽の光は貴重である。自宅の木にクレームを入れられた老夫婦と、入れた側の隣人の中年夫婦。そこから信じがたいバトルに発展する、隣人トラブルの王道と言ってもいい作品だ。
老夫婦が猫を、中年夫婦がシェパードを飼っているのだが、そのペットも両家の争いの火種になってしまう。中盤からは、衝撃に次ぐ衝撃のエピソードが続いて、いくら映画とはいえ呆気にとられるほど! 逆に“やりすぎ”な分、両家のドロ沼化する争いを作り物として受け取れるかも。ブラックユーモアや不条理劇が好きな人には、とくにオススメ。ハリウッドとは違う小品ながら、隣人トラブルをテーマにした映画としては、最高レベルだと断言したい。