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CULTURE カルチャー

2024.12.28


【2024年のエンタメ界を振り返る】 日本の映像作品が世界を席巻!


第96回アカデミー賞

2024年の映画界を振り返って、どんなトピックを記憶しておくべきか。多くの人の心に焼きついているのは、3月のアカデミー賞かもしれない。

映画界最大の祭典である第96回アカデミー賞は、その歴史で初めて日本映画2作が受賞を果たしたことで、日本でも特大ニュースとしてメディアを賑わせた。『君たちはどう生きるか』の長編アニメーション賞は、21年前の『千と千尋の神隠し』以来、2度目の受賞だったが、『ゴジラ-1.0』の視覚効果賞は、日本はおろかアジアの映画として初の快挙。しかも同賞を争った他のノミネートは、VFXに多額の予算をつぎこんだハリウッドメジャー作品だったので、それを破ったことが世界的な話題に。監督として視覚効果賞を受賞したのは、1968年の『2001年宇宙の旅』のスタンリー・キューブリック以来ということで、山崎貴監督への賞賛も相次ぐ。国際長編映画賞には日本映画として『PERFECT DAYS』がノミネートされていたし、作品賞など最多7冠に輝いた『オッペンハイマー』は、原子爆弾の開発を指揮したロバート・オッペンハイマーが主人公ということで、原爆投下の描写、日本での公開などいくつもの論議が起こり、その点でもアカデミー賞は例年以上に注目を集めることになった。
 

  

 

第76回エミー賞

そして9月、もうひとつの大きなニュースが飛び込んでくる。第76回エミー賞のドラマ・シリーズ部門で『SHOGUN 将軍』が作品賞を受賞したのだ。徳川家康をモチーフにした将軍・吉井虎永役の真田広之が主演男優賞、虎永に仕えるキリシタンの戸田鞠子役のアンナ・サワイが主演女優賞、フレデリック・O・トーイの監督賞など『SHOGUN』は史上最多の18冠を達成した。ディズニー傘下のFXプロダクションズが製作とはいえ、日本人が観ても違和感のない本格派時代劇が、テレビ界の最高峰を制したことで、今後の日本人のハリウッド進出へのモチベーションも引き上げることに。『SHOGUN』はシーズン2、3の製作が決定した。

その他にも2024年は国際的な賞における日本作品の高評価が目立ち、5月のカンヌ国際映画祭では山中瑶子監督の『ナミビアの砂漠』が国際映画批評家連盟賞を受賞。11月の国際エミー賞では、連続ドラマ部門で山下智久が主演した『神の雫/Drops of God』が受賞を果たした。
 

  

 

『シビル・ウォー』

一方で2024年、日本での映画興行を振り返ると、1位が『劇場版 名探偵コナン 100万ドルの五稜星』、2位が『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』と相変わらず邦画のアニメが絶好調。洋画も『インサイド・ヘッド2』、『怪盗グルーのミニオン超変身』、『モアナと伝説の海2』などアニメがランキングの上位を占めた(『モアナ』は2025年の対象)。世界興行収入では年間2位の『デッドプール&ウルヴァリン』、4位の『デューン 砂の惑星PART2』なども、日本では“そこそこ”という成績。そんな中でサプライズヒットとなったのが、10/4に公開された『シビル・ウォー アメリカ最後の日』だ。公開時の週末動員ランキングで1位を獲得したのは、いい意味で“予想を裏切る”好結果。しかも『シビル・ウォー』はハリウッドメジャーではなく、インディペンデントのスタジオ、A24の作品。インディペンデント系の洋画が日本の週末ランキングで1位となるのは、なんと『パラサイト 半地下の家族』以来、4年ぶりだった。

トム・クルーズ級の大スターが出ているわけではい『シビル・ウォー』が大ヒットした理由は、アメリカが分断されて内戦が起こるという衝撃の設定もさることながら、11月に控えていたアメリカ大統領選のニュースが世の中に溢れ、その現実とうまくリンクしたから……という説もある。『シビル・ウォー』はアメリカなどでは4月に公開済みで、日本のみ10月と遅かったのだが、あえてその時期に設定したことが成功につながったようだ。大統領選と重ねて観ることで、映画から受け取るメッセージも強くなる。公開タイミングの重要性を『シビル・ウォー』は教えてくれた。
 

  

 

2024年アメリカ大統領選

そのアメリカ大統領選では、ハリウッドのセレブたちの言動が今回は別のベクトルで考察された。共和党の副知事候補、JD・バンスの“この国は民主党の子無し猫好き女性に仕切られている”という過去の発言が炎上。テイラー・スウィフトらが猛反発し、スウィフトは当然のことながら民主党のカマラ・ハリス候補への支持を表明。ジョー・バイデンに“引退”を進言したジョージ・クルーニーら、いつものようにセレブたちの多くが民主党を応援したにもかかわらず、その声も虚しく共和党のドナルド.・トランプが次の大統領に決まった。この結果にトム・ハンクスらは“アメリカを出て行きたいく”と失望を露わにしたりもしたが、むしろセレブの支持表明が逆効果になったという説も浮上。物価高に苦しむ一般市民にとって、経済的に恵まれている人たちの声は届かない……という事実をざっくりと、今回の大統領選が示したようだ。
 

  

 

来日した『グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声』のメインキャスト

そして2024年、日本の映画ファンのテンションをちょっとだけアップさせたのは、スターたちの来日が増えたことかもしれない。『グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声』はメインキャストが来日。このような派手な来日プレミアイベントは久しぶりだった。東京と大阪、それぞれのコミコンには、マッツ・ミケルセン、ベネディクト・カンバーバッチ、ジュード・ロウ、トム・ヒドルストン、ジェイソン・モモアと、例年にないほど豪華なスターが会場を賑わせた。アンジェリーナ・ジョリー、ナタリー・ポートマンなど、映画のプロモーションではなく、ブランドやメディアの企画で来日したスターも多く、このような流れが2025年も続くことを願わざるをえない。

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文=斉藤博昭  text : Hiroaki Saito
Photo by AFLO
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