Safari Online

SEARCH

CULTURE カルチャー

2024.06.01

『マッドマックス:フュリオサ』で暴君役を好演!
クリス・ヘムズワースのキャリアを振り返る(2)


『アベンジャーズ』(2012年)

2008年にスタートしたマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)は、大ヒット作を次々と送り出し、各ヒーローを演じた俳優たちの代表作を誕生させた。その一人が、ソー役のクリス・ヘムズワースである。ロバート・ダウニーJr.のアイアンマン、エドワード・ノートンのハルク(後にマーク・ラファロにバトンタッチ)に続いて、2011年5月公開の『マイティ・ソー』で主演に抜擢。その直後の7月にはクリス・エヴァンスのキャプテン・アメリカの映画が公開され、“2人のクリス”のマーベル・ヒーロー役で盛り上がった。偶然だが、クリス・ヘムズワースのハリウッドデビュー作『スター・トレック』で、彼の息子に当たる主人公ジェームズ・T・カークを演じたのも、同じファーストネームのクリス・パインだった。
 

  

 

『スノーホワイト』(2012年)

神の世界“アスガルド”で、王の息子として生まれつつ、父の怒りを買って王位継承権を剥奪された、最強の戦士ソー。“雷神”の異名も持つ彼は、追放先の地球で天文学者のジェーンと親しくなるが、アスガルドでは弟ロキの陰謀が進行していた……という物語の『マイティ・ソー』は浅野忠信のハリウッドデビュー作としても話題になった。そして何より、クリス・ヘムズワースがあまりにもソー役にハマっていたことで、彼の人気も急上昇。超人的な筋肉で無敵のパワーを発揮しつつ、人間の常識を知らず、どこかとぼけた味も醸し出す“天然系”のソーに、クリスの魅力が一体化したのだ。ロキを演じたトム・ヒドルストンも同時に大ブレイク。屈折した兄弟の愛憎関係に“萌えた”ファンも多かった。この共演で、クリスとトムが大の親友になったことも有名。
 

  

 

『ラッシュ/プライドと友情』(2013年)

『マイティ・ソー』の翌年にはMCUヒーロー集結の『アベンジャーズ』が公開。同シリーズは4本が作られ、『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』、『マイティ・ソー バトルロイヤル』、『ソー:ラブ&サンダー』、そしてカメオ出演の『ドクター・ストレンジ』と、クリス・ヘムズワースはソー役で8本の映画に登場した。生涯の当たり役と言ってもいいだろう。この後、7/26公開の『デッドプール&ウルヴァリン』にもソーがちらっと登場するらしい。

このように、1つの役が際立って世に知られるようになった俳優は、他の役、他の作品の印象が薄くなる傾向もあるが、クリス・ヘムズワースの場合は、ソーで得た知名度を、さまざまな大作での活躍へとうまく発展させる。
 

  

 

『ブラックハット』(2015年)

『マイティ・ソー』の翌年の2012年には『スノーホワイト』に出演。主人公(スノーホワイト=白雪姫)を助ける猟師のエリックを好演する。2013年の『ラッシュ/プライドと友情』では1970年代に活躍した実在のF1ドライバー、ジェームズ・ハント役で、華麗なドライビングテクにも挑んだ。2014年の『ブラックハット』では服役囚の天才ハッカーという複雑な役どころ……と、ファンタジーから骨太な人間ドラマまで、多くのジャンルでインパクトを残す演技を披露。ソー役のために過酷なウェイトトレーニングと15食で10kgも増やした体重を、2015年の『白鯨との闘い』では、わずかな水と食料で漂流する役ということで、食事制限で逆に20kg減量するなど役者魂も見せつけた。ロン・ハワード(『ラッシュ』『白鯨』)、マイケル・マン(『ブラックハット』)といった名監督と組んだことで、クリスは演技力も磨いていく。そもそも『マイティ・ソー』は、シェイクスピアも得意とするケネス・ブラナー監督だったので、アクション大作における演技の重要性を叩き込まれていたのだ。
 

  

 

『白鯨との闘い』(2015年)

そのルックスから基本はタフガイの役が多いクリス・ヘムズワースだが、キャリアを重ねるごとに別の側面、つまり軽妙さも前面に押し出すようになる。『ゴーストバスターズ』(2016年)や『メン・イン・ブラック:インターナショナル』(2019年)といった、かつての人気作の再生ではコミカルな演技にもチャレンジ。自身のイメージとのギャップで笑わせ、俳優としての幅の広さを証明した。とくに前者では、4人の女性“バスターズ”の会社に雇われる受付係役で、マッチョ&イケメンなのに、おバカなキャラをクリスは楽しそうに演じている。メガネ姿というのも珍しいうえ、ほとんどがアドリブ演技だったようで、彼の素顔を重ねながら観ることも可能だ。
 

  

 

『タイラー・レイク -命の奪還-』(2020年)

一方でタフガイのイメージを受け継ぐ、正統派のアクション大作で、新たな当たり役にも恵まれる。『タイラー・レイク -命の奪還-』(2020年)だ。グラフィック・ノベルを原作に、傭兵の主人公を託されたクリス。裏社会の危険な任務を請け負う男が、誘拐された麻薬王の息子の奪還に挑む。MCUの世界とは一線を画し、徹底的にリアルなアクションが盛り込まれ、クリスも肉体の限界が試された。ネットフリックスで世界同時配信された本作は、1カ月の視聴世帯数の史上最高をわずか1週間で更新。この大成功によって、2023年には続編も製作され。1作目以上にノンストップの見せ場が用意される。やはりクリス・ヘムズワースには、屈強なヒーローが似合うことを『タイラー・レイク』は再認識させ、そのイメージが、『マッドマックス:フュリオサ』へとつながっていく。

クリス・ヘムズワースのキャリアを振り返る(3)に続く

●こちらの記事もオススメ!
クリス・ヘムズワースが語る『マッドマックス』との縁「1作目のスタントマンは父親の知り合い」

●発売中の『Safari』表紙はクリス・ヘムズワース!
購入はこちらまで!→Safari 2024年7月号


  

 


 
  

 

 
文=斉藤博昭  text:Hiroaki Saito
Photo by AFLO
Urban Safari CLOSE-UP BRAND フレデリック・コンスタントエレガントな時間を、手元に宿す。
SPONSORED
2025.11.28

Urban Safari CLOSE-UP BRAND フレデリック・コンスタント
エレガントな時間を、手元に宿す。

創業地“小矢部”の名を冠した〈ゴールドウイン〉のプレミアムな1着!大人のスキーウエアは上質感と快適さで選ぶ!
SPONSORED
2025.12.01

創業地“小矢部”の名を冠した〈ゴールドウイン〉のプレミアムな1着!
大人のスキーウエアは上質感と快適さで選ぶ!

1950年にはじまった〈ゴールドウイン〉のヒストリー。その新作スキーウエアコレクションの名前は、創業地にちなんだ“オヤベ”だ。歴史の深みを感じさせ、エイジレスなスタンダードデザインでありながら、機能は最新鋭。素材はもちろん、ひとつひとつの…

TAGS:   Fashion
初登場HYDEが〈ハリー・ウィンストン〉をまとう!カリスマに似合うのはいつも最高峰の輝き!
SPONSORED
2025.11.25

初登場HYDEが〈ハリー・ウィンストン〉をまとう!
カリスマに似合うのはいつも最高峰の輝き!

一流は一流を引き寄せるとは、よくいわれること。ロックアーティストHYDEがまとったのは“キング・オブ・ダイヤモンド”として名高い、世界最高峰のジュエリー&ウォッチブランド〈ハリー・ウィンストン〉。常に最高を求め続ける両者が出会うと、どんな…

TAGS:   Fashion Watches
〈タトラス〉で見つけたここぞの1着!さりげに違い出しできる大人の冬アウター
SPONSORED
2025.11.25

〈タトラス〉で見つけたここぞの1着!
さりげに違い出しできる大人の冬アウター

冬カジュアルの主役であるアウターは、さりげなく違いが出せる1着を選びたい。そこで注目すべきなのが、大人のための上質な冬アウターに定評のある〈タトラス〉。定番ベースのシンプルなデザインを基本としつつ、街ゆく人をハッとさせるさりげない“違い”…

TAGS:   Fashion
〈サンローラン〉なら小さくても格上感あり!大人の革小物はさりげなロゴ使いで!
SPONSORED
2025.11.25

〈サンローラン〉なら小さくても格上感あり!
大人の革小物はさりげなロゴ使いで!

普段、バッグや靴ほど目立たないが、意外とセンスを問われるのが財布などの革小物。大人ならシンプルながらも品があって、さりげない上質感のあるものが狙いめだ。となれば〈サンローラン〉の革小物を。小ぶりなアイコンロゴがピリッと効いた財布やカードケ…

TAGS:   Fashion
俳優・桜田 通が〈ベル&ロス〉の希少な限定モデルをつけこなす!“赤き情熱”と“煌めく緑”の衝撃!
SPONSORED
2025.11.25

俳優・桜田 通が〈ベル&ロス〉の希少な限定モデルをつけこなす!
“赤き情熱”と“煌めく緑”の衝撃!

航空計器から着想を得た革新的なデザインが人気の〈ベル&ロス〉から、2本の限定モデルが登場した。情熱的な輝きを放つダイヤルの赤と闇夜にクールに浮かび上がる蓄光の緑。異なる魅力を宿す2本のパワーウォッチがファッションシーンでも注目を集める俳優…

TAGS:   Fashion Watches
大人にこそ持ってほしい〈フルラ〉の新作!冬カジュアルに効く品格バッグ!
SPONSORED
2025.11.25

大人にこそ持ってほしい〈フルラ〉の新作!
冬カジュアルに効く品格バッグ!

大人の冬カジュアルに欠かせない名脇役がバッグ。どんな着こなしにも似合う上質なバッグがあれば、気分よく外出できるというもの。そこでおすすめしたいのが、〈フルラ〉の新作として登場した“アーバン バックパック”。コートなら背負って、短丈ブルゾン…

TAGS:   Fashion
機能美が所有欲をくすぐる〈アシックス〉のワーキングシューズ!こだわる男のための次世代ワークブーツとは!?
SPONSORED
2025.11.25

機能美が所有欲をくすぐる〈アシックス〉のワーキングシューズ!
こだわる男のための次世代ワークブーツとは!?

男のカジュアルウエアは、ワークやミリタリーをモチーフにしたタフで骨太なアイテムが定番。それは服だけでなく、足元も同じだ。とはいえ往年のワークブーツなどでは、履き心地やスペック的に現代の暮らしにフィットしない!? ならば、〈アシックス〉のワ…

TAGS:   Fashion
“とっておき”を、自分にも、大切な人にも!“上質”を贈りたい 大人のギフト!
SPONSORED
2025.11.25

“とっておき”を、自分にも、大切な人にも!
“上質”を贈りたい 大人のギフト!

クリスマスに忘年会、そしてニューイヤー……年末年始は、特別なギフトシーズン。頑張った自分へのご褒美に、大切な人に感謝を込めて、“とっておきの上質”を贈りたい。自分の身と心を一新させるようなワザありの逸品から、相手の顔が思わずほころぶ名品ま…

素材感と職人技が光る〈アニアリ〉。ミニマルに洗練されたジャパンメイドのトートバッグ。
SPONSORED
2025.11.18

素材感と職人技が光る〈アニアリ〉。
ミニマルに洗練されたジャパンメイドのトートバッグ。

上質なレザーのしなやかな感触と使い勝手の良さで支持を集めている〈アニアリ〉のバッグ。ミニマルで洗練されたデザインは、装いを自然に洗練されたものへと導いてくれる。また、確かな日本の職人技に裏打ちされた使いやすさと安心感が、使うほどに深まる風…

TAGS:   Urban Safari Fashion

NEWS ニュース

More

loading

ページトップへ