【傑作選】最後にまさかの展開!どんでん返し映画10選①
Safari Onlineで配信してきたどんでん返し映画の中から傑作10作品をご紹介!
『ホワット・ライズ・ビニース』
製作年/2000年 監督/ロバート・ゼメキス 出演:ハリソン・フォード、ミシェル・ファイファー
超常現象? それとも人間の仕業!?
ロバート・ゼメキスが得意のCG技術をふんだんに用いたヒッチ・コック風サスペンス。研究者ノーマンと妻のクレアは、誰もが羨むような夫婦。しかし妻は、湖のほとりに建つ自宅でおかしな現象が相次いでいることに気づく。浴室の鏡に文字が浮かんだり、写真盾が倒れたりーーー。盾の裏にはマディソンという名の女性が失踪した記事が。ふと超常現象との繋がりを感じたクレアは、儀式によって霊を呼び寄せてみることに。その結果、記憶の奥に封じられていた、ノーマンとマディソンが浮気関係にあった過去が呼び起こされる。
【ここからがネタバレ】
クレアが夫を問い詰めると、彼はかつて浮気を暴露すると脅してきたマディソンを殺害し、遺体を湖に沈めたことを告白する。彼は真実を知ったクレアをも殺そうと襲い掛かるが、揉み合う二人を乗せたクルマは方向性を失い、湖の中へ。すると水底からマディソンの霊が現れ、ノーマンが息絶えるまで掴んで放さない。そうやって彼女は復讐を遂げ、再び水底へ戻っていくのだった……。“ノーマン”という名や“バスタブ”も『サイコ』のオマージュであるのを意識して楽しみたい一作。
騙される快感を味わえる!
『マッチスティック・メン』
製作年/2003年 製作・監督/リドリー・スコット 出演/ニコラス・ケイジ、サム・ロックウェル
主人公は詐欺師のロイ。潔癖症で外出は苦手という変わり者だ。別れた妻との間に生まれ、まだ会ったことのなかった14歳の娘アンジェラと初めて面会したところ、意気投合。アンジェラも父の仕事に興味をもつ。物語のメインとなるのは、ロイと相棒のフランクによる、大金持ちを標的にしたかつてない詐欺計画。しかしロイは何者かに殴られて気を失い、自身の貸金庫から大金が消えてしまう。気がつけば、警察から尋問を受けていた……という急展開。
【ここからネタバレ】
すべて相棒のフランクが仕組んだ罠で、アンジェラも彼の仲間。ロイの実娘のフリをしただけで、年齢も14歳ではなく21歳だった。ロイと生活した彼女は、貸金庫の暗証番号も盗み見していた。ロイから悩みを聞いた精神科医もフランクの仲間。
事件の裏に隠された衝撃の真実!
『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』
製作年/2003年 製作・監督/アラン・パーカー 出演/ケヴィン・スペイシー、ケイト・ウィンスレット
名匠アラン・パーカーが監督を務め、死刑制度に疑問を投げかけるサスペンスドラマ。同僚女性をレイプし、殺害した罪で死刑判決を下された元大学教授のデビッド・ゲイル(ケヴィン・スペイシー)。彼の手記を作るため呼び出された記者ビッツィー(ケイト・ウィンスレット)は、彼の話を聞くうちに冤罪の可能性を感じはじめ……。
【ここからネタバレ】
物語の鍵となるのは、デビッド・ゲイルも、死去した同僚女性も死刑廃止論者であること。ビッツィーの懸命な調査により、同僚女性はデビッドに殺害されたのではなく、自ら死を選択したのだと分かる。目的は、デビッドに罪を着せて死刑へと導き、冤罪と死刑制度の関係性に疑問を呈すること。しかも、デビッド自身もその思惑を承知していたことがラストのラストで発覚! どんでん返しのオチが作品の放つメッセージに直結する秀作。
若き富豪が手術中に知った事実とは!?
『アウェイク』
製作年/2007年 監督・脚本/ジョビー・ハロルド 出演/ヘイデン・クリステンセン、ジェシカ・アルバ
実業家だった亡き父から大企業を継ぎ、前途洋々と思われている青年クレイトンの悩みは、恋人サムとの結婚を、厳格な母が許してくれそうにないこと。そして心臓に疾患があり、移植手術が必要なことだった。ある日、ドナーが見つかり、母に内緒で挙式した新妻サムに付き添われて、クレイトンは緊急入院。ところが、全身麻酔が完全には効かず、彼は全身がまったく動かないまま意識だけははっきりする“術中覚醒”の状態に。手術の激痛に苦しみつつ、彼は医師たちの会話から、驚くべき事実を知ってしまう。
【ここからネタバレ】
実は手術の担当医は、仲間の医師や看護師とともに、手術の失敗を装ってクレイトンを殺害する計画を立てていた。しかも、この計画にはサムも加担していた! すべてはクレイトンの莫大な遺産を狙っての犯罪計画だったのだ。絶体絶命のクレイトンの運命は!? 一見、悪役とは思えないジェシカ・アルバをサムに配役したのは、まさにキャスティングの妙!
月に派遣された男の正体とは?
『月に囚われた男』
製作年/2009年 原案・監督/ダンカン・ジョーンズ 出演/サム・ロックウェル、ケビン・スペイシー
時代設定は、地球の資源が枯渇した近未来。月に派遣されたサム(サム・ロックウェル)は、採掘した燃料を地球へ送り続ける単調な毎日を過ごしていた。3年の業務契約が満了し、家族と再会できるまであと2週間。孤独な生活に耐えるサムだったが、自分と瓜二つの男が現れ……。
【ここからネタバレ】
突如現れた瓜二つの男は、サムを派遣した企業が秘密裏に作り出していたクローン。月での採掘計画が失敗しないよう、サムすら知らされていない事態が進行していたと分かる。……というのがどんでん返しではなく、実はサム自身もプロジェクトのために作られたクローンだと判明し……。切ない雰囲気を湛えたSF映画ゆえ、ここで主人公が絶望して終了~となりそうなものだが、そうは終わらないのが本作の魅力。奮起したサムたちの大逆転劇が、最後に爽快感をもたらしてくれる。
写真は主演のヴィディヤ・バラン
巧みな伏線と衝撃のラストに思わず唸る!
『女神は二度微笑む』
製作年/2012年 監督/スジョイ・ゴーシュ、出演/ヴィディヤ・バラン、パランブラタ・チャテルジー
滞在先で連絡を絶った夫を探すため、妊娠中の大きなお腹を抱えたヴィディヤは、ロンドンからインド西部の大都市コルカタへやってくる。地元警察の助けを借りながら行方を追ううちに、夫はミラン・ダムジという人物と瓜二つであることが判明。2年前の地下鉄毒ガステロの容疑者でもあるらしいミランとは一体何者なのか。関係者が次々と他殺体となって発見される中、ヴィディヤは恐怖に屈することなく真相に手を伸ばすのだが・・・。
【ここからネタバレ】
ついにヴィディヤは謎の人物ミランと対峙する。しかし、銃口を向けられたそのとき、驚愕の展開が。彼女はこれまで妊娠を装っていたお腹まわりの装着物をサッと剥ぎ取り、俊敏な動きで相手を瞬殺した後、人混みの中へと消えていったのだ。実は、ヴィディヤは毒ガステロで夫を亡くし、心痛のためお腹の子供も喪っており、現地を訪れたのも最初からミランへの復讐が目的だった。ラストになって初めてヴィデヤのあらゆる言動が周到な伏線にだったと、観る側が気づく。すぐさまもう一度、すべてを最初から見直したくなること必至だ。
完璧な妻の隠された素顔にびっくり!
『ゴーン・ガール』
製作年/2014年 監督/デヴィッド・フィンチャー 出演/ベン・アフレック、ロザムンド・パイク
誰もがうらやむような美男美女の夫婦だが、妻が突然の失踪。室内には何者かと争った形跡があり、大量の血が拭き取られたことも発覚。殺人事件として捜査が始まり、世間の疑惑の目は夫に向いていく。ギリアン・フリンの小説(実話もヒントにされている)を、『セブン』などの鬼才、デヴィッド・フィンチャー監督が映画化。基本は妻失踪の謎を探るサスペンスなのだが、結婚生活を巡る人間ドラマ、さらにブラックコメディのテイストも濃厚で、心を激しくざわめかせる作品だ。
【ここからネタバレ】
夫を殺人容疑者に仕立て、嘘を塗り固めて戻ってきたエイミーを、結局、ニックは受け入れる。エイミーが自分との子供を身ごもったとはいえ、食虫植物に自ら捕まる昆虫のように、悪女との生活に身を委ねるニック。これも男の本能か!?
驚愕レベルのオチが待ち受ける!
『オリエント急行殺人事件』
製作年/2017年製作 製作・監督・出演/ケネス・ブラナー 出演/ジョニー・デップ、ミシェル・ファイファー
大雪のため山の中で停車したオリエント急行で、大富豪のラチェットが殺害される。遺体にはいくつもの刺し傷があった。彼は脅迫状を受け取っており、たまたま列車に乗り合わせていた名探偵エルキュール・ポアロに相談をもちかけていた。やがて列車のほかの乗客たちとラチェットの関係が明らかになっていき、ポアロが誰の犯行なのかを推理していく。犯人像にあれこれ想像力がはたらくが、まっさらな知識で観たら、そのオチはかなり驚愕のレベルでは?
【ここからネタバレ】
ラチェットは少女誘拐事件の犯人で、その恨みを晴らしたい者たちが集合。乗客12人が“ひと刺し”ずつ復讐を果たした。犯人が逃げたように細工するなど、多くのトリックが仕掛けられたが、列車にポアロが乗ったのは誤算。睡眠薬や声色、ほかの人物の服で廊下を歩くなど追加のトリックも駆使された。
時代を超えた電話が過去を変える!
『ザ・コール』
製作年/2020年 監督・脚本/イ・チュンヒョン 出演/パク・シネ、チョン・ジョンソ 配信/ネットフリックス
物語の始まりは、2019年。20年前に父親を火事で亡くした女性ソヨン(パク・シネ)が、いまや無人となった実家を訪れることに。スマホを失くしたソヨンは仕方なく、家の物置にあったコードレス電話を使おうとする。すると、電話の向こうからは見知らぬ女性の声が。その女性が生きている時代は1999年で、ソヨンが今いる家で暮らしているらしい。不可思議な現象に戸惑いながらも、電話の女性ヨンスク(チョン・ジョンソ)とソヨンは、時を超えた会話を通して距離を縮めていく。
【ここからネタバレ】
そもそも、過去と未来を結ぶ物語では、ままならない現実が意地悪く突きつけられがちだ。『ザ・コール』も例外ではなく、過去にいるヨンスクは当初こそ未来にいるソヨンのため、しだいに自分のため“歴史の改変”に手を染めていくのだが、本作が恐ろしく、またユニークなのは改変するヨンスクが狂気の殺人鬼であるところ。敏感に一転二転する事態が悪夢のように、暴走するヨンスクと彼女を食い止めようとするソヨンの戦いへと変化していく展開が見事だ。
全編に漂う違和感の正体とは!?
『アンテベラム』
製作年/2020年 監督・脚本/ジェラルド・ブッシュ、クリストファー・レンツ 出演/ジャネール・モネイ
シンガーとしても人気のジャネール・モネイが、1人2役を演じた異色スリラー。リベラル派の作家ヴェロニカ(モネイ)は、講演会に登壇するためニューオーリンズへ。しかし、同地で何者かに誘拐されてしまい……。一方、アメリカ南部のプランテーションで過酷な重労働を強いられる奴隷のエデン(モネイ)は、屈辱と恐怖の日々に耐えかねて脱走を計画していたが…...。
【ここからネタバレ】
異なる時代に生きる女性2人の物語が進行する構成かと思いきや、なんとエデンは誘拐されたヴェロニカであることが判明! エデンの生きる場所はかつての南部ではなく、白人至上主義者たちが作り上げた現代の某所だと明かされる。もちろん、モネイの“1人2役”もミスリード。ヴェロニカ=エデンが迎える結末に、メッセージが詰まっている。
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