音を立てたら襲われる、そのきっかけが明らかに!『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』
新型コロナウイルスによって、長い停滞を強いられたハリウッド。このところようやくアメリカでも映画興行が復活の兆しを見せはじめた。で、コロナのパンデミック後として、全米で初の1億ドル突破を達成したのが、なにを隠そうこの作品だ。スクリーンで映画を観たいと思っていた人に、熱狂的に迎えられている!
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『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』
胸アツなポイントは?“随所に仕込まれたドッキリ演出に度肝を抜かされる!”
2018年公開の前作『クワイエット・プレイス』は、“音を立てると襲いかかってくる”という、盲目の恐ろしい敵を相手に、サバイブする物語が展開。コミュニケーションは手話で、外を歩くときも裸足……と、その斬新な設定がスリラーやホラーを観慣れた人の度肝を抜き、夢中にさせた。
大ヒットを受けて作られたこの続編では、前作で父親を失った主人公一家、母と子供3人(しかも1人は赤ん坊)の闘いは、当然のごとく過酷を極めていく。まず驚くのは、恐るべき敵が出現した”きっかけ”が描かれること。ここは前作では曖昧になっていたので、地球全体がどんな状況なのかもよくわかる。つまり裏を返せば、前作を観てない人も、この続編からすんなり物語に入りこめるというわけだ。
音を立てずに生き残ろうとする主人公たちのテクニックは、明らかに上達。しかし赤ん坊の泣き声は止められないなど、とにかく全編、緊張の糸がとぎれない。そして、要所でのドッキリ演出がタイミングよく繰り出されるので、“お約束”と感じつつも、主人公たちの味わう恐怖感&緊張感を一緒に体感してしまう。上質スリラーの見本のような仕上がりだ。
この続編では、ほかの生存者も重要な役割を果たし、中盤からは思わぬ”風景”も登場。子供たちが自己責任で苦しんだり、生存者同士のシビアな駆け引きがあったりと、エモーショナルな部分でも盛り上がる。監督は前作に続き、父親役を演じたジョン・クラシンスキー。母親を演じたエミリー・ブラントとは実生活でも夫婦で、この2人、プライベートも、仕事でも、現在のハリウッドで最高にハッピー。それを、本作が証明しているかのようだ。
『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』
製作・監督・脚本・出演/ジョン・クラシンスキー 出演/エミリー・ブラント、キリアン・マーフィー、ジャイモン・フンスー 配給/東和ピクチャーズ
2021年/アメリカ/上映時間97分
6月18日より全国ロードショー
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