【ついに完成!】製作30年の伝説映画は内容も破天荒!『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』
企画が立ち上がっても、さまざまな問題が起こって完成しなかった……。そんな作品は、無数にある。でもそこで諦めないのが、『未来世紀ブラジル』『12モンキーズ』などを世に送り出してきた鬼才、テリー・ギリアム! 彼の情熱もすさまじかった。 今から30年前に“ドン・キホーテ”の映画プロジェクトを開始。20年前にはジョニー・デップを迎えて撮影開始するも、ありえない災難の連続! その後も製作のたびに中止となってきた“呪われた企画”が、ようやく一本の映画になった! これは映画ファンにとってミラクルな出来事!?
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『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』
胸熱なポイントは?
ドン・キホーテになりきった老人の奇想天外な旅!
ジョニー・デップ版での洪水によるセットの破壊やキャストの急病、大赤字の製作費といったトラブルは、あまりに劇的で有名な話。なにせ、その舞台裏が一本のドキュメンタリー『ロスト・イン・ラマンチャ』になったほど。
今回、苦節30年を乗り越えた完成作は、主演が『スター・ウォーズ』のカイロ・レン役でお馴染みのアダム・ドライバー。ドン・キホーテのCMを製作中の監督トビーが、10年前の学生時代に撮った自作のDVDを観たことをきっかけに、とんでもない運命に巻きこまれていく内容だ。
主人公のトビーは、まさにテリー・ギリアム本人としか思えない……。映画監督が悲惨な目に遭うという“自虐”ネタには思わず笑ってしまう!
役を演じたことで自分がドン・キホーテだと思いこむ老人や、妖しげな美女、怪物など、濃いキャラが次々と登場。トビーがたどる不思議な旅は、どこまでが現実で、どこまでが幻かわからない。そのうえ、過去と現在が瞬時に移動したりと、とにかく全編、自由な作り。
真剣に、論理的に考えるのもアホらしくなるような勢いは、テリー・ギリアム作品ならでは。要は、目の前で起こる奇々怪々な出来事をストレートに楽しめばいいのだ。そして30年もの間、燃やし続けた映画への執念に心から拍手を!
『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』
監督・脚本/テリー・ギリアム 出演/アダム・ドライバー、ジョナサン・プライス 配給/ショウゲート
2018年/スペイン・ベルギー・フランス・イギリス・ポルトガル/上映時間133分
©2017 Tornasol Films, Carisco Producciones AIE, Kinology, Entre Chien et Loup, Ukbar Filmes, El Hombre Que Mat o a Don Quijote A .I.E., Tornasol SLU