2026.06.05 NEW
映画『シラート』 行方不明の娘を探して砂漠を巡る旅のラストに震える!
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ストーリーの面白さや、俳優の魅力、映像の迫力や美しさは別にして、観終わった後の“ガッツリ感”でしばらく興奮と熱が収まらない……。そんな映画に出会いたいと思う人に、この『シラート』は最適な一本かもしれない。映画館のスクリーンで体感することの喜びを、改めて教えてくれる作品でもある。
まず設定からして斬新だ。舞台となるのは、アフリカのモロッコの山岳地帯と砂漠。そこで行われる“レイブパーティ”に、父と息子がやって来る。世界中から集まった若者たちがダンスミュージックに熱狂するフェス会場に、その親子はどこか似つかわしくない。それもそのはず、彼らはレイブパーティに参加したまま消息を絶った娘を探すために訪れたのだ。娘の手がかりを求める彼らは、さらに別の会場へと旅を続ける。こうして物語の概要を書いても、『シラート』の本質は伝わらないだろう。主人公の親子を中心に、モロッコの砂漠の果てに向かう一行には、信じ難い運命も待ち構えており、そこに関しては予備知識ゼロのまっさらな気持ちで向き合えば、中盤、そして後半からクライマックスで怒涛の衝撃を受けると断言したい。
本作はスペイン製作の映画。スペインを代表する巨匠、ペドロ・アルモドバルがプロデューサーを務め、長編4作目の気鋭の才能、オリベル・ラシェが監督した。ラシェは過去の作品でもカンヌ国際映画祭で賞を獲得。本作もカンヌのコンペティションで上映され、審査員賞など4冠。その後、アカデミー賞では国際長編映画賞と音響賞でのノミネートを果たした。音響賞の評価からわかるように、レイブパーティのシーンから『音』が重要な役割を果たしている。砂漠に置かれた大量のスピーカーによる重低音、風などの自然音など、観ているこちらの聴覚が全方位から刺激される。その音に伴って、映像でも砂漠や山岳地帯の空気感がヴィヴィッドになる。だからこそ、劇場で体験すべき一本なのだ。比較したくなるのが、『マッド・マックス 怒りのデス・ロード』の感覚だが、今の世界情勢もちょっと重ねたくなるラストは空前絶後。観終わった後、体の震えが止まらない人もいるはずで、誰かと思いを共有したくなるのでは?
文=斉藤博昭 text:Hiroaki Saito
© 2025 LOS DESERTORES FILMS, A.I.E., TELEFÓNICA AUDIOVISUAL DIGITAL, S.L.U.,FILMES DA ERMIDA,
S.L., EL DESEO DA, S.L.U., URI FILMS, S.L.,4A4 PRODUCTIONS
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