【LA情報も!】ウィレム・デフォー主演『憐れみの3章』
今の映画界で最も新作が待たれる監督の1人であるヨルゴス・ランティモス。ギリシャ生まれの独特な感性で放つ待望の新作は、大胆で斬新なオムニバス形式で綴る3章。ウィレム・デフォーをはじめ、実力派俳優たちが魅せる奇想天外な“ランティモス・ワールド”を楽しんで!
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- 見逃せない人気スターの最新作! vol.23
現代版の世にも奇妙な物語!
第1章 “R.M.F.の死”。毎日の食事や夫婦生活まで、敬愛する上司のレイモンドの指示に従うことで、幸せに暮らしていたロバート。ある日、想像をはるかに超えることを強要され、レイモンドへの疑心が芽生える。
第2章 “R.M.F.は飛ぶ”。海洋調査に出た妻のリズが遭難し、落ち込んでいた警察官のダニエル。しばらくしてリズは無事に戻って来るが、靴のサイズが合わなかったり、以前は嫌いだった食べ物を食べたり……。ダニエルは、妻が別人になったのではないかと不信感を抱きはじめる。
第3章 “R.M.F. サンドイッチを食べる”。カルト集団に属しているエミリーとアンドリューは、教団のために特殊能力をもった人物を探している。狂信的なエミリーは人材を探し続けるが、ある事件が起こり……。
『憐れみの3章』
監督:ヨルゴス・ランティモス
出演:エマ・ストーン、ジェシー・プレモンス、ウィレム・デフォー
9月27日(金)より全国公開
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
©2024 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.
原題は“KINDS OF KINDNESS”(親切の種類)。親切っていいことばかりな気もするけれど、3つの物語から見えてくる親切は、ひと筋縄ではいかないものばかり。
【Chapter 01】親切な上司に人生を奪われている?
生活のすべてにおいて、上司の指示に従っていたロバート。おかげで仕事もうまくいき、最愛の妻とも出会えた。しかし、ある出来事により、人生を制御されているのではないかと気づく。
【Chapter 02】夫に捧げる愛の限界はどこまで?
海での遭難から奇跡的に生還したリズ。夫は帰りを喜ぶが、リズが別人になったと疑いはじめる。そんな夫に気を配り、献身的に尽くすリズが、愛を証明するためにとった行動が衝撃的!
【Chapter 03】答えを与えるのは愛情? それとも?
カルト教団のリーダーであるオミは、教徒を平等に愛しているといい、清く生きることを説いている。絶対的な答えを提供することで、教徒たちに心の平穏を与えているのだ。それは深い愛情にも見えるが、はたして……?
本作が、4度めのカンヌ国際映画祭出品となったランティモス監督。過去に出品した3作品はすべてカンヌで賞を獲得しており、今年も注目度が抜群だったが、映画界の寵児は期待を裏切らず今年も受賞。無敗記録を更新した!
冒頭に流れるのは、ユーリズミックスの“スウィート・ドリームス(アー・メイド・オブ・ディス)”。誰もが甘い夢を追い求め、ときには他者を利用したり、利用されたり。このオープニング曲のように、幸せを求め深い沼にハマってしまう人々がオムニバス形式で描かれていく。3章とも違うストーリーだが、各話とも同じ俳優陣が異なる役で出演していることで、少しずつ世界の繋がりが見えてくるのが面白い。キーパーソンとなる人物にも注目!
ハリウッドで今なにしてる!?
1980年代初頭から、実に150本近い作品に登場しているウィレム・デフォー。その役どころは多岐にわたり、たとえば、ベトナム戦争のリアルを描いた映画『プラトーン』の兵士役や、『スパイダーマン』シリーズのヴィラン役など、独特の存在感を醸した演技が評価されてきた。
今年1月には、かの有名なハリウッド・ウォーク・オブ・フェイムに“スター”を獲得。まさに“ハリウッドの殿堂入り”を果たした。その授賞式では、「私の妻ジャーダ・コラグランデへ、ありがとう。彼女は、私に感謝の心を教え、幸運を粗末にしないよう気づかせてくれる」とコメント。ちなみに、コラグランデはイタリアの映画プロデューサーであり、夫婦での共同作品も手掛けている。
現在、2人はローマを拠点としているものの、撮影やプレミアなどで、ロサンゼルスやニューヨークなど各地を飛び回っているようだ。70歳目前だが映画出演にはかなり積極的で、近年公開されたものから現在製作を控えているものまで挙げるとキリがない。
なかでも特筆すべきは、マッド・サイエンティストを演じた『哀れなるものたち』と、3つの異なる役柄をこなした『憐れみの3章』。どちらもヨルゴス・ランティモス監督作品かつ、女優のエマ・ストーンと共演しており、このチームプレイには多大な刺激を受けたと米エンタメ誌『The Wrap』のインタビューで語った。
これまでに4回アカデミー賞にノミネートされているデフォーだが、この勢いで「次こそオスカー受賞なるか!?」とも囁かれている。今後の活躍に期待が高まるばかりだ。
今年1月、ハリウッド・ウォーク・オブ・フェイムに設置された自身のスターの前で写真に収まるウィレム。パトリシア・アークエット(左)、マーク・ラファロ(中左)、ペドロ・パスカル(右)ら、俳優仲間もセレモニーに駆けつけた。これまでスターがなかったことのほうが意外!?
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◆映画を巡る旅に出よう!
雑誌『Safari』10月号 P206〜207掲載
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text : Yuka Marmo Okamura
photo by AFLO