ネットフリックス映画『ULTRAMAN: RISING』は海外監督によるリアリティある日本描写が面白い!
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ゴジラ、ポケモン、スーパーマリオと、日本発のキャラクターが海外の監督によって新たな映像作品になる。このサイクルは、ますます活発になっており、今度はあのスーパーヒーローが加わった。ウルトラマンだ。結果は……不安をよそに、意外な方向からも楽しませる長編アニメが完成された。
主人公は、野球界のスーパースターであるサトウ・ケン。LAのドジャースから日本球界に移籍した彼は、スーパーヒーローに変身する能力を持っており、現れた怪獣と戦う。基本は、おなじみのウルトラマンの設定。怪獣が存在する世界は、明らかに非現実的なのだが、この作品、驚くほどリアリティ満点なパートがある。それは野球まわりの描写、日本の街並みの映像だ。ケンが入団するのは読売ジャイアンツ。そのユニフォームは本物どおりで、東京ドーム(名前は『新東京ドーム』に変更)の内部から、TV中継のスコア表示まですべて、われわれ日本人が見慣れた光景になっている。ケンは松井秀喜に憧れて野球選手になり、メジャーリーガーも経験したのでイチローや大谷の名前も出てくる。登場人物が『六甲おろし』を歌ったりも。そしてウルトラマンが戦う日本の街は、おなじみの看板が並び、微妙に変更された会社名や商品名を見ているだけでテンションUPしてしまう!
製作に円谷プロも協力しているとはいえ、アメリカ人監督のシャノン・ティンドルが、日本に詳しいアドバイザーの意見も丁寧に聞き、再現した功績に拍手を贈りたくなる。ティンドル監督は、やはり日本が舞台で、アカデミー賞にも絡んだアニメ『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』にも関わっており、日本リスペクトの精神が満点。一方で、アニメのタッチやキャラデザインはアメリカ作品のテイストも感じられ、そこが新鮮かも。物語もケン=ウルトラマンが“親の立場”となる流れや、家族愛にもフォーカスしたエモーショナルな展開は、国際マーケットを意識した印象。瞬間的に挿入される劇画コミック風のカットや、英語版で「シュワッチ!」がどう発音されているかなど、細かい部分をチェックしながら観ていると、アッという間に時間が過ぎていくはず!
『ULTRAMAN: RISING 』6月14日配信
監督・脚本/シャノン・ティンドル 共同監督/ジョン・アオシマ 声の出演/タムリン・トミタ、ゲディ・ワタナベ、キーオニー・ヤング、クリストファー・ショーン、ジュリア・ハリマン 配信/ネットフリックス
2024年/アメリカ/視聴時間117分
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