【LA情報も!】アンソニー・ホプキンス主演『ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命』
映画『シンドラーのリスト』で描かれたシンドラーのように、ナチスから子供たちを救った英雄がイギリスにもいた。その命をかけた活動と、50年を経て当時の子供たちと再会したという実話を映画化。オスカー俳優のアンソニー・ホプキンスが確かな演技で魅せる。
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- 見逃せない人気スターの最新作! vol.20
愛と苦悩を描いた驚きの実話!
第2次世界大戦の直前。ロンドンで働くニコラスは、ユダヤ人たちがナチスから逃れプラハで難民になっているという話を聞き、危険を顧みずにプラハへと向かう。現地の悲惨な状況を目の当たりにしたニコラスは、子供たちだけでも避難させられないかと考え、同志とともに資金集めと里親探しに奔走。ナチスの侵攻が迫る中、次々と子供たちをイギリス行きの列車に乗せ、669人を救出。しかし、ついに開戦の日が訪れ、それ以上子供たちを救うことはできなかった。それから50年。救えなかった子供たちを忘れられず、自分を責め続けていたニコラス。そんな彼のもとに、BBCの番組『ザッツ・ライフ!』の収録に参加してほしいと連絡が入る。頼まれるままに出かけていった彼を待っていたのは、思いもよらない再会だった!
『ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命』
監督:ジェームズ・ホーズ
出演:アンソニー・ホプキンス
6月21日(金)より全国公開
配給:キノフィルムズ
© WILLOW ROAD FILMS LIMITED, BRITISH BROADCASTING CORPORATION 2023
ロンドンで平和に暮らしていたごく普通の若者であるニコラス。そんな彼が、費用も手間もかかる救出作戦を成功させようと、人々を動かした熱意と行動力がすごい!
【Amazing 01】母を巻き込んで移民局に通いつめる!
はじめはニコラスのプラハ行きを渋っていた母だが、息子の人助けへの熱意を理解。イギリスの移民局では何時間も待たされるが、難民受け入れのために何度も通い、活動を助けてくれるように。
【Amazing 02】ゲシュタポと交渉して列車を確保!
すでに、事実上の占領がはじまっていたチェコ。子供たちを輸送するためには、ナチスの秘密警察ゲシュタポからのビザが必要だった。一歩間違えば命に危険が及ぶような交渉を同志たちと決行し、子供たちを送り出した。
【Amazing 03】子供たちの写真を使ってキャンペーン!
一番困ったのが、莫大な費用と里親探し。そこで、子供たちの写真をイギリス中の雑誌や新聞に掲載し、国民へ支援を訴えた。その結果、里親になりたいという応募が殺到し、費用も工面!
ニコラスと子供たちが再会を果たすテレビ番組の収録シーンには、実際にニコラスに助けられたかつての子供たちや、その親族が世界中から撮影に参加。ニコラスの偉業を実感し、胸を締めつける再会シーンになっている。
「不可能でない限り、必ず道はある」といっていたニコラス。イギリス政府からの協力を得られない中で、巨額の保証金と里親を手配するという難題を、諦めずにクリアしていく行動力とひらめきに感心する。救出された669人の命は、その子供や孫たちに繋がり、今では6000人あまりに。この活動に対して、イギリスからもチェコからも勲章を授与されている。危険を顧みずに、未来に繋がる命を救出し続けた勇気ある姿に胸を打たれる。
ハリウッドで今なにしてる!?
アンソニー・ホプキンスといえば、映画『羊たちの沈黙』で演じたハンニバル・レクター役があまりにも有名だ。最近では、その前日譚である映画『レッド・ドラゴン』を連想させる“赤いドラゴン”の着ぐるみで登場したコミカルなコマーシャルが話題をさらっている。
どういう内容かというと、彼の出身地である英国はウェールズのサッカークラブ・レクサムAFCのマスコットに扮してフィールドを駆けるという、コーヒーのCM。全米が熱狂するアメフトの祭典“スーパーボウル”の中継で放映され、自身でも"最も伝説的なパフォーマンス"とジョーク交じりにSNSへ綴った。映画への出演にも積極的で、2023年には『ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命』に続き、精神分析学の創始者フロイトを演じた『フロイトの最後のセッション』もアメリカで公開され、注目を集めた。
私生活では、約25年間暮らしたマリブの邸宅を数年前に売却し、サンタモニカ近郊の高級住宅街パシフィック・パリセーズに移り住んだ様子。昨年末には、ビバリーヒルズで行われたアート展に出席して、デミ・ムーアたちとフォトセッションに参加するなど、公の場にも、ときおり姿を見せている。
また現在は、自伝を執筆中であると米『ピープル』誌が報じた。彼のドキュメンタリー制作の計画も、同時進行で浮上しているのだとか。2021年のアカデミー賞では、史上最年長の主演男優賞を受賞したホプキンス。現在86歳にしてまだまだ第一線で活躍する名優の、今後の活躍も大いに期待できそうだ。
昨年、ビバリーヒルズで行われたサミ・ハエックのアート展のオープニングに顔を出したアンソニー・ホプキンス。サミ・ハエックは、女優サルマ・ハエックの弟。このときホプキンスは、デミ・ムーア(左中)、サルマ・ハエック(右中)らとフォトセッションに参加した。
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text : Yuka Marmo Okamura
photo by AFLO