ネットフリックス『スライ:スタローンの物語』でわかった実父との確執に衝撃を受ける!
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長年、ハリウッドのトップに君臨するスターについては、誰もが憧れや親しみを感じながらも、その素顔や本心を知る手段は限られている。しかし稀に、彼らが自分自身を赤裸々にさらけ出す姿を目撃するチャンスもある。シルヴェスター・スタローンのこのドキュメンタリーは、まさにそんな一作だ。
この映画は、スタローンが慣れ親しんだカリフォルニアの家から、東海岸へ引っ越そうと決めた告白からはじまる。まず驚くのは、その自宅の豪華さ。ロッキーの像が飾られ、プールの水がキラキラと輝く庭などが映像に収められ、セレブのプライベートを体感させてくれる。しかし引っ越しの決意も含め、スタローンの語りには、50年近くスター俳優としての人生を体験した者にしたわからない思いが、次々とあふれてきて、予想外に胸を締めつけてくる瞬間が多発する。キャリアのターニングポイントとなった、1976年の『ロッキー』前後のエピソードが濃密に描かれ、その『ロッキー』シリーズに、次の当たり役となった『ランボー』、さらに『エクスペンダブルズ』への流れから、一人の俳優の“歴史”が浮かび上がってくる作りだ。
アーノルド・シュワルツェネッガーやクエンティン・タランティーノ、エイドリアンを演じたタリア・シャイアらの証言も収められているが、やはりスタローン本人の言葉が強いインパクトで迫ってくる。過去の自分のインタビューをカセットテープで聴きながら、当時を振り返り、“チャンスがあれば俺は勝てた、とは絶対に言いたくない”など、名言がとび出す。生まれ育ったNYのヘルズキッチンへの65年ぶりの帰還や、『ロッキー4/炎の友情』でICUに入院し、死を覚悟した秘話、さらに若くして亡くなった息子への思い……。そして全編にスタローンと実父との複雑な関係が影を落とし、その部分はちょっとショッキングだ。本作を観ると、スタローンがハリウッドスターの中でも特殊な存在であることを納得するはず。そして77歳の現在、次のステップへ向かおうとする彼の野心を応援したくなる。
『スライ:スタローンの物語』 配信中
製作総指揮・出演/シルベスター・スタローン 監督・編集/トム・ジムニー 配信/ネットフリックス
2023年/アメリカ/視聴時間96分
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