映画『グランツーリスモ』/ゲーマーがレーサーになる夢のような実話に驚く!
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今年は『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が予想を超えたヒットを記録し、人気ゲーム映画化のポテンシャルを実感した人も多いはず。そして早くも世界的に人気のゲームを基にした次の作品が出現。しかし、これは従来の“ゲーム映画化”とはまったく違うアプローチだった!
プレイステーションのゲームで、世界累計9000万本の売上を誇る『グランツーリスモ』。レーシングゲームとしては最もポピュラーで、eスポーツの競技でも使われる。その映画化と聞くと、“マリオ”のようにゲーム内の世界が再現される……と想像してしまう。しかし本作は、グランツーリスモのプレイヤーが、本物のサーキットを走るレーサーになるという物語。しかも実話! ゲーマーが実戦で才能を発揮する、夢のような奇跡を目の当たりにするわけで、そこだけでテンションが上がる必見作だ。主人公はイギリスに暮らすヤン。ゲームにどっぷりの日常を送り、グランツーリスモのトッププレイヤーと認められた彼は、本物のレーサーを育成する“GTアカデミー”に招かれる。実際の運転経験はゼロ。ゲームで培ったテクは、本物のサーキットで通用するのか? ヤンと仲間たちは過酷なトレーニングに挑む。
この大胆な育成プログラムは、2008年、日産自動車が立ち上げたもの。つまり本作は日本のパートもあるし、『グランツーリスモ』の生みの親であるゲームクリエイター、山内一典も登場する(演じるのは平岳大)。GTアカデミーでのユニークな訓練や“合宿”風景で、スポ根の青春ムービーのような雰囲気が、やがて本格的レース映画へとシフトしていく。あのル・マン24時間耐久レースを含め、各地でのレースが盛り込まれるが、衝撃のアクシデントなど臨場感たっぷりの映像が詰まっているのだ。ヤンは所詮ゲーマーなので、プロのドライバーからの洗礼も厳しい。そしてヤンの才能を導くエンジニアとの絆など、ドラマを盛り上げる要素も万全。レース映画には似つかわしくない、ケニー・Gやエンヤの曲が意外な効果を発揮したり、最後まで飽きさせない作りになっている。
『グランツーリスモ』9月15日公開
製作総指揮・脚本/ジェイソン・ホール 製作・監督/ニール・ブロムカンプ 出演/デヴィッド・ハーパー、オーランド・ブルーム、アーチー・マデクウィ、ジャイモン・フンスー 配給/ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
2023年/アメリカ/上映時間134分
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