【最後の限定車】〈アウディ〉TTクーペ: 歴史を締めくくる特別モデルを見逃すな!
1998年に初代登場以来、3世代にわたって進化してきた〈アウディ〉のプレミアムコンパクトスポーツクーペ、Audi TT。そんなTTモデルが、依然として強い個性を放ちながらも、いよいよその歴史の最終章を迎え、2台の限定車を最後に生産を終了する。まず限定車の第1弾として4月に発表されたのが、特別な装備をまとった〈アウディ〉TTSクーペ メモリアルエディション。続いて、〈アウディ〉TTクーペ ファイナルエディションも第2弾として発表。こちらも特別装備をまとっているものの、その価値は特別な装備だけにとどまるものではない。
〈アウディ〉ファンやスポーツカー好きにとって、TTモデルはそのデザイン性の高さで、まさに“記憶に刻まれる1台”といえるのは間違いない。特に、初代TTのデビュー当時を知る人ならなおさら。なにしろ1995年のフランクフルトショーで発表されたTTコンセプトクーペが、3年後にほぼそのままの姿でまさかの市販化。斬新なデザインコンセプトはもとより、見た目にも丸みを帯びた、これまでにない流麗なボディを持つ初代TTが世の話題を大いにさらったのだから、忘れようにも忘れられない。
そしてその後もTT独自の斬新なデザイン性は、2世代、3世代へと継承。それは、今回ご紹介するTTクーペ 45 TFSIクワトロをベースにする特別限定車“TTクーペ ファイナルエディション”も然り。フロントフェイスこそ、3世代らしく精悍なマトリクスLEDヘッドライトやシングルフレームグリルでモダンに進化したものの、丸みを帯びたリアやなだらかなルーフライン、丸い造形のフェンダーデザインはまさに初代譲り。今でも全く古さが感じられないのは、やはりもともとが完成されたタイムレスなデザインであったという証拠といえるだろう。
“TTクーペ ファイナルエディション”。写真のターボブルーとタンゴレッドのボディカラーはオンラインセールス限定で、すでに申し込み受け付け終了
一方でそのことは、TTモデルがまさにデザイン性の高さを看板に掲げる〈アウディ〉のアイコン的存在であり続けていることと無関係ではない。というのも、〈アウディ〉のデザイン哲学こそがまさに“タイムレスなデザイン”だから。徹底的にシンプルでありながらも、際立つ個性を作り上げるのは〈アウディ〉の十八番。高い工作精度で美しいプロポーションに仕上げられた工芸品が長い年月愛用されるのと同様、TTクーペもまた、時代を超えて愛される〈アウディ〉らしいデザイン価値を持っているのだ。と考えると、“TTクーペ ファイナルエディション”を選ぶに至っては、「最後だから」というセンチメンタルな理由よりも、むしろ豪華装備とともに「〈アウディ〉デザインの真骨頂をずっと愛でられる」という理由のほうが先立つかもしれない。まるでアート作品を手に入れるような感覚だが、クルマは美意識で選ぶという〈アウディ〉好きなら、「まさにそれ!」という人も多いかと思う。
とにかく色褪せない美しさを持つTTクーペだが、さらなるかっこよさと快適性を手に入れると、「もっと愛せる」に繋がるというもの。そこへいくと、“TTクーペ ファイナルエディション”は、ユーザーの期待をはるかに超えた装備/特別装備で応えてくれる。具体的に見ていこう。
2022年導入のS line competition plusからスタイリングは洗練の度合いを深め、ダイナミズムとインテリジェンスを兼ね備えた走りをさらに進化させた限定車が、この“TTクーペ ファイナルエディション”。ベースモデルとなるのがTTクーペ 45 TFSI クワトロだが、そこにTTRSデザインのリヤスポイラー、RSデザインパッケージ等のRS系の特別装備に加え、ホイールは20インチを採用しさらにスポーティに進化。ベースモデルの価格649万円に208万円相当のオプションが追加され、税込み価格793万円と高いバリューも実現されるなど、TTの集大成にふさわしい内容になっている。また、限定数は200台。グレイシアホワイト100台、クロノスグレー50台、タンゴレッド25台、ターボブルー25台が展開されるが、そのうちのタンゴレッド及びターボブルーの合計50台は、オンライン限定販売を行い、すでに申し込み受け付け終了。
精悍なブラックでディテールを統一したエクステリアには、レーシーなRSリヤスポイラーなどの特別装備をあしらい、よりアグレッシブで刺激的なスタイルに。(写真は日本仕様車)〈アウディ スポーツ〉製のアルミホイールは20インチと大迫力。レッドのキャリパーが映える、ブラックポリッシュカラーの10Yスポークデザインがやたらとかっこいい。タイヤサイズは255/30R20
グレイシアホワイト、クロノスグレーの外装色の内装はコチラ。S line competition plusを基本に、RSデザインパッケージ(レッド)などの特別装備もふんだんにあしらう。レッドの差し色がレーシーな気分を盛り上げる
ちなみに、第1弾として4月に発表されたTTSクーペ メモリアルエディション(限定100台)も負けてはいない。“美しいラグジュアリースポーツ”をテーマに、専用ブロンズカラーの内外装でTTSクーペをさらにダイナミックかつエレガントにブラッシュアップ。モノトーンベースにブロンズのアクセントがTTSの調和された美しさと力強さ、そしてラグジュアリーをさらに引き立てている。こちらもベースモデルの車両価格870万円に109万円相当のオプション装備が追加され、税込み価格が927万円と高いバリューも実現。TTSの歴史の最後を飾る記念モデルにふさわしい仕上がりになっている。
TTSはトップに君臨するハイパフォーマンスモデル。シャープに磨かれたデザインとパワフルな走りを兼ね備える。(写真は日本仕様車)大人の洗練された美意識を満たすリア。左右2本に分かれた4本のマフラーが高い走りのレベルをアピールする特別装備としてあしらわれるのが、マットブロンズポリッシュの〈アウディ スポーツ〉製5Vスポークスターデザインのアルミホイール。 タイヤサイズは255/30R20精悍ながらも上品さが際立つインテリア。シートサイドやセンターコンソールにはブロンズカラーがあしらわれ、シートのステッチもブロンズ&バンドグレーコントラストステッチで飾られる。サンドシステムは〈バング&オルフセン〉が奢られるラウンドデザインが髄所に効いたTTSのシフトまわりは、より大人な印象に。ラグジュアリー感とエレガントな雰囲気が漂う
1998年に誕生したTTは、本質を追究した無駄のないデザインはもちろん、その卓越した走行性能でスポーツカー好きを虜にしてきた。つまりその間、20年以上も改良を重ね、走りを磨いてきたといってもいい。そして、その集大成が、“TTSクーペ メモリアルエディション”、そして“TTクーペ ファイナルエディション”なのだ。
“TTクーペ ファイナルエディション”のパワートレインには、最高出力245PS/最大トルク370Nmを叩き出すTFSIエンジン、独自の4WDシステムquattro、そして走行状況に応じて減衰力を制御するアウディマグネティックライドを搭載。多彩なシーンで、ハイパワーかつ意のままのダイナミックな走りが堪能できるところが大きな魅力だ。また、“TTSクーペ メモリアルエディション”に至っては、quattroやアウディマグネティックライドなどの革新技術を盛り込みつつも、最高出力320PS/最大トルク400Nmを誇るハイパワー直噴ターボエンジンが、Sの名に違わぬ圧倒的なパフォーマンスを生み出してくれる。
傑出したタイムレスなデザイン、豪華で特別な装備の数々……。さらにそこにドライビングスピリットを熱く掻き立てる“美しくも圧倒的な速さ”が加わるのだから、この2台はまさに"特別すぎる限定車“といえるだろう。その価値がわかる人は、是非手に入れてみてはいかがだろうか。
Audi TT Coupé Final Edition
DATA
●全長×全幅×全高:4200×1830×1370mm
●エンジン:2.0ℓ直列4気筒DOHCインタークーラー付きターボチャージャー
●最高出力:180kW(245PS)/5000~6500rpm
●最大トルク:370N・m(37.7kgm)/1600~4300rpm
●トランスミッション:7速Sトロニック
●駆動方式:クワトロ(四輪駆動)
●税込み予定価格793万円
Audi TTS Coupé Memorial Edition
DATA
●全長×全幅×全高:4200×1830×1370mm
●エンジン:2.0ℓ直列4気筒DOHCインタークーラー付きターボチャージャー
●最高出力:235kW(320PS)/5600~6500rpm
●最大トルク:400N・m(40.8kgm)/2000~5600rpm
●トランスミッション:7速Sトロニック
●駆動方式:クワトロ(四輪駆動)
●税込み予定価格927万円
●アウディ コミュニケーションセンター
TEL:0120-598-106