これは採算度外視クオリティ!? 〈ルノー〉ルーテシア
雪山に海にと、ハードに大型SUVをブンブン走らせていると、ふと困ることがある。「ちょっとあの路地の先に行くのに、さすがにこのクルマじゃ入れないなぁ」。そう、関東勢の海の聖地、鵠沼あたりの湘南エリアじゃ裏路地は極細。世田谷区なんかもそうですよね。というわけで、大袈裟なギアの必要なレジャーがないときは、“下駄グルマ”の必要性を考えはじめると思うのだけど、でも、どうせアシにするならピリッとしたクルマを味わいたいですよね? だったら、驚異的に劇的な刷新がなされた、フレンチ・コンパクトはどう? 〈ルノー〉ルーテシアだ。
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日本においての〈ルノー〉イメージといえば、やっぱりフェルナンド・アロンソ率いたF1? それともラリー? まあ、クルマ好きの多くはモータースポーツ由来のイメージだったりして。それがコンパクトカーとなると、イマイチピンと来ないかもしれない。しかし、欧州に出かけることの多い人なら、本場ヨーロッパでの同社のプライオリティの高さを、肌で感じているはずだ。
このルーテシア(欧州名はクリオ)は1990年の初代登場以来、シリーズ累計1500万台を販売。先代モデルは実に欧州Bセグメント車で、ナンバーワンの販売台数を誇る大ヒットコンパクトカーなのだ。さらに、全セグメントを見渡しても、6年連続で販売台数ナンバー2。「じゃ、コッチのナンバーワンはなんなのよ」というと、かの〈フォルクスワーゲン〉ゴルフ。……といえば、クリオの知名度の高さと凄さを、改めてご理解いただけただろうか?
で、そんな“売れた”クルマのフルモデルチェンジがどういうことを意味するのか? ズバリ、“もっと売れるクルマにすべく、採算度外視にも思える革新が注ぎこまれている”と思って間違いない。
とはいえ、「エクステリアは4代目であった先代とあんまり変わらない?」と思ったあなたはスルドイ。この大好評を得たデザインは、ルーテシアのアイコンとして踏襲されたのだ。しかし、見た目同じでも外装パーツはオールニュー。さらにエンジンは、上位クラスに匹敵するトルクを誇る、1.3ℓ直噴ターボに新開発の7速AT(パドルシフト付き)。131ps/ 240Nmと、競合する上位のCセグメント車よりも高い出力が自慢だ。
さらにプラットフォームは〈ルノー〉〈日産〉〈三菱〉のアライアンスにより3社の共同開発。つまり3社で減価償却するに耐える、コストのかかった開発がなされたと考えてほしい。
事実、ハンドルを握ればその走りの実力の高さに、思わず口元が緩むこと請け合い。ワインディングでは機敏に、高速クルーズでは安定して、まるでBセグコンパクトと思えないほどの走行性能には柏手を打ちたくなるほど! この走りにはドイツ勢もきっと青ざめているはず。
また、これまでの〈ルノー〉の歴史を大きく塗り替えるのはインターフェースと高度運転支援システムの搭載。スマートコックピットと呼ばれる前席には、人間工学に基づく、使いやすさとゆとりが凝縮されている。
また、7インチのディスプレイでは、運転モードやインテリア照明をカスタマイズできるほか、USB経由の接続でApple CarPlayやAndroid Autoを介して、スマホをミラーリングすることも可能。このへんについては自分流に使い倒せる今どきの便利仕様だから、誰もがきっと満足できるはず。そんな実力をいったん味わったら最後。下駄グルマとして選んだはずが、いつも間にかファーストカーの座に落ち着いていたりして!?
★DATA 〈ルノー〉ルーテシア インテンス テック パック
●全長×全幅×全高:4075×1725×1470mm
●車両重量:1200kg
●ホイールベース:2585mm
●エンジン:1.3ℓ直列4気筒DOHCターボ
●最高出力:96kW(131PS)/5000rpm
●最大トルク:240Nm(24.5kgm)/1600rpm
●トランスミッション:7速AT
●駆動方式:前輪駆動
●税込み価格:276万9000円
●ルノー・コール
TEL:0120-676-365