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2021.01.10


吹抜けから太陽が降り注ぐ日だまりのモダンハウス

憧れ続けた大好きな街・鎌倉に家を建てる。そんな長年の夢が詰まった小森氏の自邸。海も山も近い自然豊かな環境そのままの、伸びやかでリラックスした空気が室内に漂う。開放感のある吹き抜けから降り注ぐ、明るい太陽の光が寒さを感じさせない。モダンなのに温もりがあるインテリアのバランスも、くつろげる空間づくりの参考に。

今月の部屋 小森邸/2LDK/88.2㎡
開放感を生み出す吹抜け仕様のLDK。南向きの立地のため、上階の窓からもたっぷり陽光が入る。心地よさはうたた寝したくなるほど。植物を吊るした見せ梁は、愛猫のキャットウォークとしても活躍

海のない街の、賃貸マンションで生活していたという小森氏。「月2回通っていたほど大好き」という鎌倉に家を建てたのは2年前。当初は街並みに溶けこむ古民家リノベーションを計画。しかし、現在の“山と海の間にある南向きの土地”と出合い、そのポテンシャルを最大限に生かす設計を、一から組み立てることにした。

家の主役としたLDKは天井の高い吹き抜け仕様。飴色の木材をふんだんに使った床や壁。真鍮で統一したドアノブなどの金具類。そんな使ううちに味わいを深める素材のチョイスは、古きよきものを大切にする鎌倉の空気によく似合う。〈H・J・ウェグナー〉のソファをはじめ、北欧家具や作家の照明。インテリア好きの小森氏が集めてきた家具たちもしっくり馴染む空間だ。

庭には美しく剪定された、ハーブや多肉植物が茂る。東・南・西と3面に開いた2階の窓からは、近隣の山並みが借景に。玄関や寝室はガラスで仕切り、明るさと開放感を両立。一日中差しこむ陽光の恩恵が家の隅々まで届くようになっている。この空間を愛しているのは愛猫も同様。

「梁の上など遊び場が増えたせいか、猫が以前より元気になったんです。日だまりで幸せそうにくつろぐ様子を見ていると私も嬉しくなります」

休日は外出するのが楽しみだった以前の暮らし。しかし今の家では、昼の光を浴びながらテラスで珈琲を飲み読書。そして、後はソファでごろごろして、うたた寝。そんな、なんでもない日常のひとときを過ごすだけで、心が満たされてゆくのを感じているんだとか。

「近隣には庭のきれいな家が多く、散歩するだけで“丁寧に暮らそう”という気持ちになります。最近ではSUPもはじめました。大好きな街で暮らす幸せを毎日噛みしめています」

01 朝焼けから夕陽まで絵画のように切り取る窓
吹抜け上部には形の異なる窓を並べた。太陽の光を取り入れると同時に山並みの借景をインテリアのように切り取る仕掛け

02 寝室はガラスで仕切り陽光と山並みを楽しむ
廊下と寝室をガラスで仕切ることで、視線のヌケをつくり圧迫感を排除。「太陽の光で毎日気持ちよく目が覚めます」と小森氏

03 余裕の広さを実現するフラットなエントランス
玄関とLDKの段差をなくし、内外を繋ぐハブスペースとして活用

04 椅子の赤が映えるモノトーンの洗面室
モノトーンで統一したタイル張りの洗面室。さりげなく置かれた〈イームズ〉の赤いチェアが空間のアクセント役に

INTERIOR POINT
くつろぎの拠点になる1.5人掛けソファ

新居にどうしても置きたい、と大阪まで足を運んで選んだ〈トラック ファニチャー〉のソファは大きめの1.5人掛け。うたた寝もできるゆとりがある、包みこむようなサイズ感がお気に入り。どこか懐かしさを感じさせる太畝コーデュロイの張り地も味わいたっぷり。

 
Information

●ハウストラッド
TEL:03-6412-7406
URL:www.housetrad.com

雑誌『Safari』2月号 P190~191掲載

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