〈レッグオン ダイナー〉の“ハンバーガー”
代官山のビストロ〈アタ〉を筆頭に、渋谷〈グッドラックカリー〉、日比谷〈ヴァーマン〉など数々の人気店を手掛ける掛川哲司シェフ。今年、恵比寿に〈オデコ〉をオープン、ますます忙しい毎日を過ごす中、パワーチャージに欠かせない1軒を教えてくれた。
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- 注目シェフが教える感動の「名店メニュー」 vol.08
BBQパインバーガー(1150円、税込み)
表面はカリッと、中はふわっとしたバンズはほのかに甘く、ブラックペッパーをキリッと効かせたビーフ100%のパテの旨さを際立たせる。パイナップルの甘み、野菜のみずみずしさも、いいアクセントになっている。
オススメしてくれたのはこの人!
〈オデコ〉掛川哲司シェフ
王道のフランス料理を次の世代につなぐ新店
レストラン業界のヒットメーカー的存在である掛川哲司シェフが新たにオープンした“原点回帰”の王道フレンチ。コンソメやパイ包み焼きなど、クラシックな一皿をヴィンテージワインとともに。フランス料理、食文化のエスプリを幅広い層に伝えていく意気ごみだ。
住所:東京都渋谷区恵比寿2-23-3
営業時間:18:00~23:00(最終入店)
休日:日曜
TEL: 03-6721-9218
掛川シェフ
仕事が伝わるハンバーガー
渋谷、代官山、恵比寿に3軒の店を持つ掛川哲司シェフ。営業前や仕事終わりの食事も渋谷界隈でとることが多く、パスタならここ、ラーメンならあの店と、食べたいものごとに行く店が決まっているのだとか。ハンバーガーのイチオシは〈レッグオン ダイナー〉。
「1軒めの〈アタ〉をオープンしてしばらくしてからなので、もう5、6年はお世話になっています。流行に流されない、オーソドックスなスタイルに惹かれます」
オーダーは、パインバーガーほぼ一択。
「シンプル極まりないのですが、バンズの焼き加減、パテや野菜、パインやソースのトータルバランスが素晴らしく、付け合わせのフライドポテトのカリカリ具合まで、丁寧な仕事が伝わってくる。だからいつまでも食べ飽きないんですよね。インスタ映え全盛時代に、きちんと味で勝負する職人の気概を感じます」
エネルギーチャージしながら、料理人としても刺激を受けているようだ。
横溝シェフ
ひとつひとつのバーツを丁寧に。バランスが命
掛川シェフの賛辞を聞いて「ハンバーガーを作るうえで一番大事にしているのがバランス。料理人の方の視点はさすが、と思いますし、そこを気に入っていただけてなによりうれしい」と、横溝シェフ。パテはオーストラリア産の牛肉100%。食感をほどよく残す中挽きで、赤身に脂身をバランスよく配合。バンズは三田の〈新橋ベーカリー〉に依頼して作った店のオリジナルだ。
「やや甘みがあって、高温の鉄板でカリカリに焼くことで、生地のフワフワ食感が際立つ。お客様にも、パンが美味しいね、とお褒めいただきます」
野菜はレタス、トマト、オニオンとオーソドックスな布陣だが、分量や厚さ、重ねる順番も考えに考えて、肉とソースの旨みを引き立てる仕上がりに。
「とはいえ、ハンバーガーはカジュアルな食べもの。お客様は難しいことは抜きに、店内の雰囲気も楽しみながら、リラックスして味わってほしいですね」
Check1 野菜でバランス
肉汁やソースの受け止め役となるレタスはよく水を切ってシャキッと冷やし、厚みが出るよう成形。そこに味の引き立て役のトマトスライス、オニオンを重ねてバランスをとる
Check2 甘めのバンズ
天然酵母の風味が生きた〈新橋ベーカリー〉特製バンズ。パテよりやや高い210 ~ 220℃でエッジがカリッとするまで数分焼くことで、香ばしさと食感、甘みのコントラストを作る
Reg-On Diner[レッグオン ダイナー]
天然アメリカンアンティークが基調
天然オニオンリング、チーズインポテトなど3種を盛り合わせたフライアソート680円(税込み)
渋谷・並木橋近くの閑静な一角に立地
奥のボックスシート。店内に置く雑貨は一部販売もしている
自由が丘の老舗アメリカンダイナー〈バターフィールド〉(現在は閉店)や
人形町の〈ブラザーズ〉などで修業した横溝勝義シェフが2008年にオープン。
「ハンバーガーはバランスが命」と、オーストラリア産牛100%のパテと特
注のバンズを軸に、野菜、スパイス、ソースで組み立てるハンバーガーは、
シンプルながらメリハリのある味わいが記憶に残る。店内を賑やかに彩る
ヴィンテージの雑貨や家具は、アメリカンカルチャーをこよなく愛する横溝
シェフ自身が揃えたもの。現地のダイナーさながらの雰囲気もまた味だ。
●Reg-On Diner[レッグオン ダイナー]
住所:東京都渋谷区東1-8-1 K.HOUSE 1F
営業時間:11:00~14:30L.O(土曜~21:30L.O、日曜、祝日~19:30L.O
休日:火曜
TEL:03-3498-5488
URL:www.regondiner.com/
雑誌『Safari』11月号 P312・313掲載
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photo : Tomo Ishiwatari text : Kei Sasak