デキる男が行き着くのは、和食の実力派がもてなす粋な“鰻” !
2026年2月3日、江戸の粋を今に伝える人形町の地に、新たなる伝説の幕が上がった。鰻料理専門店〈人形町 梅田〉が、その歴史ある暖簾を次代へとつなぎ、再始動を果たしたのだ。これはまさに、古くて新しい食体験になる!
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- アレが食べたいからこの店へ! Vol.95〈人形町 梅田〉
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- アレが食べたいからこの店へ! Gourmet Lifestyle
古きよき日本の風情が漂う外観
人形町は江戸歌舞伎発祥の地。芝居帰りの役者や観客が江戸前の鰻を好んで食した、縁の深い土地だ。〈人形町 梅田〉は空襲で史料を焼失しながらも、二代にわたってこの地で親しまれてきた老舗。そして、2025年11月に事業承継を終え、三代目に就任したのが富田正藤氏。富田氏は〈ホテルニューオータニ東京〉の〈ほり川〉や、日本橋〈稲ぎく きくもと〉、銀座〈米村〉で料理長を歴任してきた和食界の実力派。先代・白石圭吾氏が守り抜いた看板と矜持を、その確かな技術で引き継いでいく。
1階のカウンターや席では料理長の仕事ぶりが直で見られる
どこか懐かしいと感じる落ち着きのある2階
注目すべきは、独自の焼き技法“百手返し”だ。熟練の職人が1300度を超える炭火と向き合い、絶妙なタイミングで返し続けることで、皮と身の間の脂で自らを焼き上げる。これにより、小骨まで“揚げ”の状態となり、サクッと香ばしく、中はふっくらとした唯一無二のテクスチャーが生まれる。
珠玉の料理を堪能するなら、限定メニューも組み込まれた“梅田コース”(1万4300円、2日前までに要予約)が最良。コースでは合わせて500グラムもの鰻が使われるという大満足の内容だ。
【“梅田COURSE” MENU】
前菜は5品が並べられてとても豪華。
左から、“胡麻豆腐共餡かけ”、 “鰻きも煮”、“鰻煮凝り”、“竹の子と菜の花のお浸し”
“鰻ざく”
“鰻きも煮”はふっくらと煮含められた肝のほろ苦さが秀逸で、“鰻煮凝り”はゼラチン質に閉じ込められた鰻の旨味が口の温度でじんわりと溶け出し、まさに至福の味わい。香ばしい鰻と、小気味いい食感の胡瓜を合わせたのが“鰻ざく”。お酢の爽やかな酸味が鰻の脂を上品にさっぱりとさせ、ちょっとした箸休めにもなる。旬の竹の子のサクサクとした歯ごたえが楽しめる“竹の子と菜の花のお浸し”と、もっちりとして優しい甘味の“胡麻豆腐共餡かけ”も特筆するべき前菜。
“鰻巻”
温物は“鰻巻”。山形県産の極上卵を贅沢に使用した、黄金色に輝く一品。箸を入れた瞬間に溢れ出す鰻の脂と、とろけるような卵の深い甘みが口の中で一体になる。
“白焼き キャビア添え”
“鰻鍋”
“白焼き キャビア添え”と“鰻鍋”はコースだけの特別な料理。前者は、鰻本来のパワフルな旨味をダイレクトに味わえる白焼きに、キャビアの塩気と磯の香りが加わる白眉のひと皿。後者は季節の野菜をたっぷりと入れ、鰻のエキスがあふれ出した鍋。鰻の優美な甘味が感じられ、途中で自家製ポン酢を加えて味変も楽しめる。
“梅田丼”
選べる“食事”では、この店だけでしか食べられない“梅田丼”がイチオシ。鰻と梅干しという江戸の粋人が愛した禁断の組み合わせで、梅の酸味香りが鰻の脂をより美味しく引き立てる。
甘味
甘味は、丹波小豆あんを包んだ自家製最中が定番。さっぱりとした味わいの中で、最中の慎ましやかな上味が感じられる。最後に提供されるのが、ブランド緑茶の“知覧茶”。まろやかな甘みとスッキリとした渋みが口内をリセットしてくれる。
上左から、“自家製 梅田レモンサワー”、“黒龍”。下左から、“鍋島”、“廣戸川”、甘味の後に提供される“知覧茶”
料理を引き立てるお酒も合わせたい。“自家製 梅田レモンサワー”(880円)は、国産レモンをたっぷりと使用して、心地よい酸味が食欲を刺激する。最初に飲むのもいいけれど、最後に飲んでさっぱりとさせて締めるのもいい。
“黒龍”(1100円/半合)は、透明感のある喉ごしと洗練された米の旨味が特徴。大吟醸ならではの端正な味わいが、繊細な和食に寄り添う。“鍋島”(770円/半合)は、フレッシュな香りとジューシーな旨味のバランスが良く、食中酒として万能だ。熱燗で楽しめるのが“廣戸川”(1540円/一合)。穏やかな甘い香りと滑らかな旨味が身体に染み渡る。
100年続くブランドを目指し、新たな一歩を踏み出した〈人形町 梅田〉。伝統を重んじつつも、三代目の感性が吹き込まれた“古くて新しい”鰻料理を、ぜひその舌で確かめてはいかが?
⚫︎梅田コース 1万4300円
・前菜:鰻きも煮、鰻煮凝り、鰻ざく、竹の子と菜の花のお浸し、胡麻豆腐共餡かけ
・温物:鰻巻
・焼物:白焼き キャビア添え
・鍋:鰻鍋
・食事:梅田丼 もしくは 鰻重、香の物、きも吸い
・甘味:抹茶アイスと丹波小豆最中、白玉、水菓子
・お茶:知覧茶
⚫︎人形町 梅田
住所:東京都中央区日本橋人形町3-4-2 梅田ビル
営業時間:11:00~15:00(14:00LO)、17:00~21:30(20:30LO)
定休日:月曜日
TEL:03-3661-0160
URL:https://unagi-umeda.jp/
※サービス料なし
※コースは2日前までに要予約
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1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口でわかりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。

































































